「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

小説「傾国のラヴァーズ」その11 メロンに生ハム

2022-11-06 13:44:12 | 傾国のラヴァーズその11~20
 彼はキッチンで冷蔵庫を開けると、俺の方を振り返り、
「あ、適当に座って…海原くんはメロンって食える?」
「はあ、好きだと思います…」
「無理しなくていいよ」
「そりゃ大好きですけど…そんな高いもの…」
「もらったんだけど、一人じゃ食べきれなくて…生ハムのっけてもいい?」
「はい…俺も手伝いますよ」
 彼は料理もする人のようで、包丁も危ない感じがない。
 祖父母に育てられた俺も簡単な料理はするのだが、酒の用意なので特に出る幕もなく、皿やグラスを運ぶくらいだった。
 しかし、彼も俺と同じくらい空腹だったらしく、米のメシが食いてえ、とおいしそうな白飯に牛肉のとろとろふりかけをかけてくれた。
あとは大好きだというアボカドのサラダや取り寄せのレンチン用の唐揚げとか…
 
 …ようやくノンアルのビールで乾杯すると、つまみを俺にすすめてくれながら、彼は牛のふりかけ丼を頬張っていた。
 無邪気で、わんぱくな子供みたいで、仕事の時の上品さとのギャップがランチの時以上に可愛らしかった。


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