「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

◆小説「傾国のラヴァーズ」その45・聖名のジェスチャー

2023-05-10 10:00:00 | 傾国のラヴァーズその41~50
 無言電話にこんなに緊張したことはなかった。
 しかし、聖名以外の人間が聖名のそばにいることをわからせてやろうと、もう一回言った。
 
「もしもし」

 すると、中年の女性の声で、

ーあの、鈴崎さんの携帯ではないですか?

「はい、鈴崎は弊社の社長ですが」

すると びっくりすることを言われた。

ー私、聖名の叔母の矢野と申します。聖名に代わっていただけませんか?

「おばさん?  矢野さんですか?」

 俺が驚いていると聖名はまた慌ててそれを引き取った。

「もしもし おばさん?  非通知だったからわからなくって…」

 楽しそうに話しながら聖名は俺をちらっと見て何事か
ジェスチャーを送ってくる。結構必死だ。

 あーなるほど。上半身にも服を着ろってことか。

 聖名 はこんな時もきちっとしてるな…





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