「とにかく大丈夫だよ。俺はやり方知らないから」
すると 聖名は目を丸くして、それから なぜか気を取り直したように、
「それじゃあオレが女の子だったら危なかったの?」
そう言いながらも 実は グラノーラの方に夢中 のようだ。
「いやそれも無理。その俺は女の子の扱いも経験ないから分からないし」
わざわざ言うのも 変なものだが。
しかし 聖名 はびっくりして、
「えっ? どういうこと?」
さっきも言ったろ 俺はそういうの 興味ないって
「うーん…」
聖名は 何だか困っていた
「それって先輩は全く恋愛に興味ないってこと? それとも 運命の出会いみたいなのがあったら付き合いたいってこと?」
と言ってから、 立ち入ったことを訊いてごめんと真剣に謝ってきた。
「いや いいよ。あまり考えたことなかったけど カップルとか見ても他人事なんだよな。こんな俺でも告白されたことは何回かあったけど、そういえば、そうだ。 この人じゃない気がするって思って断ったんだ」
そして、男性に告白された時もそうだった、と口走ってしまった
あ…男性の話は NG だ…と思ったが、 聖名は、
「俺も、男からも 告られるタイプだから気にしないで」
と言ってくれた。それでなんだか安心してしまって
「だから俺、後者 なんだよ。ただ一人の人を待ってるんだろうな」