日本の医療で実は綱渡りだったりする?

2019年10月06日 12時23分13秒 | 意見・物申す
週ダイやら旅行記以外で書くのは久しぶりなんだけど
最近の雑感。ずばりタイトル通り“日本の医療で実は綱渡りだったりする?”
日本なんてモノがあふれてて何でも安定供給されているようですが、
実のところ色々とつまずいたりしてます。

直近でニュースになったのはコレ
胃潰瘍治療薬、自主回収…発がん性物質を検出「大きな混乱ない」

TVでよくCMしてるガスター10の親戚のような薬
ラニチジンに発がん性物質が検出されたとかで、自主回収された件
朝のNHKニュースや新聞で大きく書かれたもんだから
昨日も問い合わせがありました。
発がん性の混入が海外製品だったりとか色々ありますが、ここでは省略。
厚労省は「同じ作用を持つ薬が他にあり、医療現場での大きな混乱はないだろう」
って言ってくれるけど、現場の対応してるはこっちだっての!

その次はコレ PDFが開くので注意
ミダゾラム注 10mg「サンド」供給に関するお詫び

鎮静に使うミダゾラムがどういうワケか出荷遅延を起こしたというもの
内容を読んでいても「弊社委託先製造 工場における一時的な出荷遅延」しかなく、全くもって中身が不明。
うちなんかはこの薬を湯水の如く使うので仕入れ先を探すのが大変
ちなみに代替薬の紹介がライバルメーカーではなく先発品を進めてくってのは器が小さい気がする。
ちなみに当院は薬価の関係でライバル会社から一時的に仕入れてます。

なんといっても今年最大の出来事がコレ
もっと大々的にニュースになってもおかしくないレベルなのに
知ってるのは医療関係者のみ…

日医工 欠品の抗菌薬セファゾリン、「最短での供給再開目指す」 原薬出発物質の供給は再開

セファゾリンショックとかセファゾリン事件と言ってもいいレベル。
抗生物質の1つにセファゾリンというのがあるのですが
あまりにも便利なもんで、至る所に使われているのですが
その供給が急にストップしてしまうという事件です。
しかも日本のシェアの6割が一つの会社だったというのが驚き

セファゾリンが使えなければ…ということで全国の医療機関は当然
代替の抗生物質に切り替えるのですが、全国どこでも同じようにやるもんだから
抗生物質全体が供給不安になってしまうという始末です。
とりあえず当院では感染制御チームがあれこれと代替薬を提案してくれたり
グループが全国の卸からかき集めてくれて、今のところ何とかなっている状況。
他所の病院なんかじゃ、セファゾリンがないから手術できません!ってやり取りもしてるみたいです。
一応、寒くなるころに順次供給は再開されるようですが
ドラゴンクエストの販売が毎回遅れるように、年末に安定供給とか言われそうな予感。

ちなみに東北の震災の後も向上が被災したとかで色々ありました。

そもそも供給不安になる原因は何なのか?
まったく根拠もない私の推測ですが1つは製造元を中国に移しているのが原因に思えます。
ちなみにセファゾリンの原因の大元は中国です。(確かカロナールのアセトアミノフェンもそうだったような)
アメリカがHUAWEIを締め出してるように、国の根幹を揺るがすような製品の製造を
独裁国家に任せているという現状は危ないように思います。

もう1つは後発品メーカーが溢れかえってしまったことだと思います。
昔の私は一つの薬を色々なメーカーが作ることは危機管理になって良いと思いましたが
蓋をあけると薬には原薬というのがあって、後発品メーカーも同じ原薬メーカーを使ってる
ということがありました。結局は作り方を変えているだけで材料は同じとうイメージでしょうか

前に書きましたが後発品メーカーは売れないとわかるとすぐに販売中止にしたりします。
いつも“諸事情による販売停止”と謡ってるのですが要は売れないからでしょこれ?
このせいで何回、医薬品マスタを変更させられたことか!

そんなワケで日本の医療て万全なワケでもなく
現場のレベルでは結構?なことが多いワケであります。

まあこれからも同じようなことが起こるだろうな





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