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水曜どうでしょう 「迷走中」…最大の見所はエンディング?

『ガンに生かされて』 飯島夏樹

2008-08-18 11:49:54 | 読書
昨年映画にもなった
『Life 天国で君に逢えたら』

プロウィンドサーファーにして
10万人に一人という癌を患い、
38歳という若さで天国に旅立った
飯島夏樹さん。

彼の死の直前までの手記をまとめた1冊。

映画を見たときは
彼が亡くなるまで“波に乗る人”だった・・
そんなイメージだったのだけど
この本を読むと
本当に良き夫、良き父、
そして良き作家だったのだという印象を強くする。

余命3ヶ月と宣告され、
それでもその後ハワイに移住し、
自分の死後のご家族の安住の地を作り、
そして宣告に反し、9ヵ月後に亡くなった。
その差188日。
彼はそれを神様が与えてくれた
執筆の時間と捉えていたようだ。
執筆活動が彼を生かし、
妻や子どもたちに糧を残した。


夏樹さんが、ある人の言葉として紹介されている文章をここに。

=どんなに美しい言葉を送っても、その言葉にあなた自身が助けられた経験がなければ、相手の心に決して届きません。あなたの生活の中で、生きて糧となり、困難、試練を乗り越えさせてくれた言葉こそ、人にも伝えることができ、人の心に残る言葉となるのです。そうすると、わたしたちは本当に少ない言葉しか、人を励ますために使うことはできません。=(P145)


夏樹さんが書く文章は
きっと美文というものではないと思う。
でもなぜ心に響いてくるのか、
それは上のような理由があるからなんだ。

シウが多分今までの人生で一番の岐路に立った時、
色々な人がくれて、シウが助けられた言葉がある。

「神様は乗り越えられない試練を与えない。」
とか、
「それでも、あなたの方がずっと幸せ。」
とか。

本当に辛い局面に向かい合ったことがないシウは
人を励ますのが苦手。
大きな病気もしたことがないし、
大好きな人の死には直面したことがあるけど
肉親の死は知らない。
何を言っても、
それはどこからか拾ってきた感情。
自分の心から出たものじゃない。
そんなシウの言葉はすごく薄っぺらなもののような気がして
人にかけるのに適さないと思うのだ。
常々そう思っていたシウに
夏樹さんが答えをくれた気がした。

今まで読んだことがなかったけど
飯島夏樹さんの本や奥さんの寛子さんの本を色々読んでみようと思う。

(飯島さんのブログはよくお邪魔しています。
 今は寛子さんがつづっている、
 とても楽しいハワイ生活のブログです。)
飯島夏樹公認ブログ


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2 Comments

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haroharoさん (シウ)
2008-08-21 09:59:46
自分もブログやっているし
たまにしちゃうんですが
ネット上で誰かが具合が悪いことがあると
「お大事に」
「快復を心よりお祈りします」
とか書き込むでしょ。
シウはあれが嫌いです。
とりあえず、お大事にって言ってる仲間に入っておかないと・・・
そんな軽い気持ちがある気がして。
本当にお大事にって思っている気持ちなんて
伝わらないんじゃないかって。
で、本当にそういう事を言いたいときは
何か違う言葉を考えたりします。

haroharoさんのコメントの返事として
ちょっとズレていますが、
シウは言葉をそんな風に考えています。
返信する
言葉の重み (haroharo)
2008-08-19 22:41:52
なるほどと思いました。
同じ言葉でも 経験の裏打ちがあるのとないのでは重みが違うんですね。
確かにです。

私は自分が「言葉だけ」ということが非常に気になっていたんですよね。言葉に経験が重みをつける。
意識していきたいです。
返信する

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