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水曜どうでしょう 「迷走中」…最大の見所はエンディング?

『愛を読むひと』

2009-06-19 23:37:13 | 映画

実は『タイタニック』を見てないシウ。
ケイト・ウィンスレットのファンと言ってよいかしら。

というのも
『レボリューショナリー・ロード』とか
『ホリディ』、UKのコメディ『エキストラ』出演以来、
ケイト・ウィンスレット大好きなの。
先日のオスカー受賞スピーチも
とっても素敵だったし。

すごく“現実的”な女優さんの1人だし
メリル・ストリープのような息の長い大女優になりそう。


この写真のシーンがとてもよかった。
第一幕、21歳差の恋愛。

マイケルとハンナの恋愛は
すごく恐ろしい、汚らしいものにもなってしまいそうな危うさを含むのに
でも見えている彼らの心の通わせ方は
本当に美しいの。
それはマイケル役の男の子の可愛らしく、真面目な雰囲気と
同じようにその可愛らしく真面目なところがケイトにもあるからなのよね。

ところで
この第一幕のサイクリング旅行のシーンでメニューの件があるんだけど
シウはそこでハンナの秘密を確信してしまい
すごい涙しちゃった。
もう一つハンナには秘密があって
その旅行の時にその伏線もあるんだけど
もちろん、そこには気付かなかった。

ルース・レンデルの小説にもあった。
そういう家政婦さんがそれを隠す為に
殺人を犯してしまう話。

もし自分がそうだったら
世の中を渡っていくのに
どれほど不安なことだろう。


第二幕からは
ただただ切ない物語が続く。

誰もが罪を犯してしまうし
自分を守るために
誰かを傷付ける。
知らなかった、仕方なかった、としても。

ほんのちょっとした出会いが
人生に大きな影響を与えてしまう。
そんなことは本当にあるもの。

やっぱりオスカーに絡む作品はすごいって思った。
ケイトの受賞も納得。

ドイツ人のもっとも深い傷跡に触れる作品。

===========

ここから先はちょっと批判とネタバレ


まず、
邦題の『愛を読むひと』っていうのは違う気がする。
マイケルのことを言うのなら
彼はあくまでも“朗読者”にすぎないから。
彼は自分の言葉で愛を語らない。

彼にぜひ語って欲しかった局面が何度かある。
その都度観客は裏切られ、
そのせいでマイケルは心の闇を深くしてしまう。
とくに刑務所での再会のシーンでは
何かもう一言で良いから言って欲しかった。
心の中にはすごく大きな思いがあるのに
ハンナに見せないマイケル。

ずっと愛を語らないマイケルだからこそ
ラストシーンの
(原作には無いようだけど)
娘に向って初めて自分の言葉で語りだす時、
そのシーンにわたしたちは感動を覚えるのよね。

愛を読むひとというタイトルは
単に恋愛映画の部分を強調するばかりで
この作品を違う方向に導いてしまう。
原作と同じく『朗読者』としたら
もっと芸術作品として高い位置に置かれたかも。

どうだろう。
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