「許されざる者」

プレッシャーが大きいだろうなと思う。
クリントが演じた人物をそっくり演じること。

渡辺謙らしさを抑えて
マニーを十兵衛にすることに専念していると思った。
ただ、いかんせん、渡辺謙は若い。
マニーのように馬にも乗れないような老人っていう感じが足りない感じ。
そこの豹変ぶりが弱いな～。

展開はオリジナルをほとんど変えていないんだけど
ラストの件はどうなんだろう。
あれは全体のニュアンスが変わってしまう大きな変更だと思う。
それと、
なぜ金吾が賞金稼ぎの話を持ってきたことにしたんだろうか。
オリジナルでは逆だったから
マニーの怒りに説得力があったのに。
なんとなく無駄な変更なんじゃないかと思った。

一方、和式トイレだとよりマヌケ感が出て
あのシーンはオリジナルよりも良かったかも。

ところで、
八日目の蝉の時も思ったけど
小池栄子ってすごい女優さんだ。
あの顔と存在感。
彼女のイメージからは程遠い、八日目の蝉の時のオドオドした女性の役も素晴らしかったけど
今作ではまさに彼女らしい役でとても良かった。

若干の不満もあるけど
オリジナルとは別に考えれば
これはかなりの上出来な作品だと思う。