Walking Holidays ~ニュージーランド編~

大好きなトレッキングを中心にニュージーでの生活を綴ります。なのでWorkingではなくWalking Holidays!

Banff mountain film festival Day2

2012-10-29 | かなのカナダ暮らし。
フィルムフェスティバルで、「ヒマラヤ・ソング」という作品と「Nomadic Nights]を観ました。


ヒマラヤソングは、伝統的な楽器を使ったショーを予想していたら、違った(笑)。

インド系アメリカ人の女性二人と中国系アメリカ人のトリオが、電子楽器を使用し演奏。
その演奏の間に一人の女性が物語を語り、映像が流れる。

物語は、ヒマラヤ地域出身の亡きお母さんが2050年を生きる娘にかつてしてくれた話いった設定で
話が進められていった。

「ヒマラヤはかつてこんな感じだったけど、氷河が溶けて洪水がおき、周辺の村の人々を多く飲み込んでいったの。」
何かのニュースで使われた映像なのでしょうか。語り部の後ろのスクリーンには、氷河の氷溶けで起きた突発的な洪水に巻き込まれる人々。

そしてお母さんも里帰りしたとき巻き込まれ、帰らぬ人になってしまった・・・。

ARTを通して環境問題が語られた作品でした。

個人的に、電子音楽や電子映像(?)は苦手なのですが、素晴らしいコンセプトだと思いました。

自然環境、環境問題に関心のない人にも関心を持ってもらい、エコ・フレンドリーな行動を取ってもらうようにするには、
どんな媒体や方法で引きつけることができるか。それが自分のテーマであり、大学院でも勉強をしている訳ですが、改めて
アートのチカラって偉大だ!っと感じました。

アカデミックな分野では、感情的に語ることは、一人の主観で語ることになるので御法度ですが、人の心に伝えようと思ったとき、「 I(アイ)」の考え・メッセージを伝えることって、受け入れる人、受け入れない人と分かれますが、強く心に響くものだなあと、改めて思いました。


後半のフィルムは、ヒマラヤ地域で暮らす「ノマド(遊牧民)」の暮らしを追ったドキュメンタリー。

感想;資本主義や物質主義の世界にさらされ、その価値観を知ってしまった遊牧民の人たちにとって、遊牧式の暮らしは負担と感じる部分もたくさん出てきているんだ、
ということ。

都会に出ればお金が稼げる。お金が稼げる職業にも就くチャンスがある。だから子ども達は街に行かせたい。
けれど、自分たちはたとえ行ったとしても、ガテン系の仕事にしかつけないだろう。羊たちとの暮らしは好きだ、けれど都会に出ればもっと稼げる仕事がある。

印象に残ったのは、
彼らは家畜が逃げないように石を積んで石の囲いの柵を作っている。
それを、毎日家畜を外に出したり中に入れて閉じ込めるために、崩したり積み直したりしている。

彼らの生活は移動式の生活。それを全て崩せば後には何も残らない。
だから、自然に対し負荷もほとんどなく、理にかなった生活なのじゃないかと思っていた。

けれど、フィルムの中で言っていました「俺は毎日積んだりおろしたりしている。後に残らないから空しい仕事だ。これが毎日積み重なっていく仕事だったら、今ごろ大邸宅になっているはず。」と。

この修行のような「やっても達成感を感じられない労働の空しさ」って人間が根本的に持つものなのかもしれない。
けれど「移動」は彼らの暮らしの根本にあるものだから、最後はゼロに戻るのは当たり前。なので、上のセリフのようなこと昔から思っていたのだろうか。


彼らのテントの中には、街でも売っているような物がたくさんあった。
どうも自分の持つ固定観念では、ノマドライフって、持っているものは最低限のもので、いつでもさっと移動できるのかと思っていた。

けれど、現代を生きるノマドの生活には、たくさんの品物が街から入ってきて、引越準備も大変そうだった。

資本主義や物質主義の価値観って、ほんと人間にとって、甘い蜜のような強い力を持つものだと実感。

























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2 コメント

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海外生活 (桜井)
2012-10-31 10:08:43
海外に生活すると、やはり時には日本が懐かしくなりますね。ちなみに、海外で日本のNHKニュースやテレビ番組などを見たいとき、www.tv-rec.comをお薦めいたします。画質がいいし、とても便利ですよ。
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ありがとうございます。 (ブログ管理者より)
2012-11-05 14:39:52
>桜井様

コメントありがとうございます。
そんな便利なサイトがあったとは知りませんでした。
恋しくなったときに使ってみます、ありがとうございます!
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