Walking Holidays ~ニュージーランド編~

大好きなトレッキングを中心にニュージーでの生活を綴ります。なのでWorkingではなくWalking Holidays!

Rees Dart Track Day2-挑戦-

2013-05-21 | ニュージーランド・トレッキング
一日目は精神的に心底疲れた。
肉体的というより、精神的な疲れが大きい。

今でも、1日目のあの牧場歩きはしたくない 笑。
muddy(ドロドロ)で、糞だらけで汚くて、暑さを遮るものはなし。道も変化がなくて・・・。
そしていつ迷うか分からない不安、先が読めない不安。
あっあ、ネガティブな言葉ばかりが・・・

でも、そこから学んだことも、もちろんあった。
不安、焦ったときに自分がどういう状態になるか。怖くなったときの自分の考え方、行動傾向。
オレンジポールが見えない、道に迷った→ 頭真っ白 → 泣きそうになる (笑)→焦って
どうしよう、どうしようとなっている。

何度か繰り返すと、深呼吸、深呼吸となって、不安や怖さは消えないけれど、冷静さを保とうとするようにはなる。そんな普段は体験できない自分の一面を知っておくこともイイ勉強。

さて、このトリップ最大の重要な日である二日目 !!

計画を立ててからも、頭の中で何度も何度も考え直す。本当に実行するの?
決めてからは、何度も何度も、その日の行程行動時間を確認する。そして、天気も祈るように確認。


リーツ・ダートに行きたいと思った目的は、大河のように流れる氷河を見たいから。


けれど、私の行程3泊4日では、サイド・トリップのCascade saddleまで行って戻ってくるのは、自分のペースを考えるとキツい。行程は自分の旅と天気の関係で、今回は3泊4日しか費やせない。

でも、なんのためにこのトラックを歩くのかと言えば、氷河を見たいがため。

カナダで結局見れなかった、大河のように流れる氷河を自分の足で見にいく!!
なので、天気と時間が許す限り、行けるところまでいこうと決めた。

通常、Cascade saddleのサイドトリップを考えている人は、
2日目は1日目のハットから次のハットへ4-6時間かけて移動して終える。
そして3日目に一日費やしてCascade saddle行く。8-10時間。

私の強行軍2日目の予定はこんな感じ。
天気:曇り&にわか雨。
行程:次のハットまで移動(4-6時間)→荷物を置いて、天気と時間の許す限り、Cascade saddleに向かう→ハットまで戻ってくる。

二日目の朝、空がうす明るくなる8時に出ようと予定していた。

けれど、昨日の疲れと人が少ない不安もあるのか、もう少し明るくなってから、もう少しと寝袋の中でもぞもぞしていた。結局8時半近くに出発。自分がかなり早く出る予定だったのに、後続にはkiwiのおばちゃんズも歩いてきた。

まずい、まずい急がなくては。

けれど、今日は自分が一番先頭。

先行く人は誰もいない。
目印にする人のいない不安。
広い荒野では、後続のおばちゃんたちも、「あれ、神隠しにあった?」と思うくらい、あっと言う間に見えなくなる。

重たい雲が空を覆い、山の上から吹き下ろしてくる風が怖い。
そうだ、自分、風の音苦手だったんだ・・・。

中学生の合唱コンクールで歌った、《あの素晴らしい愛をもう一度》の歌詞「ひろーい荒野にぽつーんといるようで~♪」が頭の中をループしては、「うん、いるようじゃなくて、今、本当に一人でいるんだよ自分。」と自分につっこむ。
そして、一人で前に進むことに集中して、いっぱいいっぱいだと、歌詞にある「涙が知らずにこぼれてくるのさ~♪」なんて余裕はないよね、っとも実感 笑。

ハット出発後、まずは目指すはRees saddle.
写真の奥の乗り鞍のようになっている部分を越えて行く。


1日目に比べたら、道の分かりやすさが格段に良くなった

やさしいと思ったrees saddle越え。
最後の最後で、緩やかなカーブを描くRees saddleを目の前に、山ヤギしか歩かないんじゃない?と思うような、側面の岸壁横の荒い部分を乗り鞍部目指して登る。



そして、saddleの上についに来た。達成感と安堵感。
けれど、そこに立つと見える、今まで見えなかった、これから歩く未来の景色。

果てしなく、どこまでも続いて行るような深い渓谷。
雲の重たさでどんよりした空の色が、私の不安も重くする。


憧れと言っていた、ロードオブザリングの中つ国の世界。
たしかに、これも映画の一シーンに出てきそうだけれど・・・


どちらかというと魔界系に来たようで、ドキドキっす 苦笑

道をただただ辿って行けば大丈夫。
と、分かってはいるけれど、心細い。。。

けれど、強行軍をしている今日の私には躊躇する余裕はなし。

歩け、歩け、歩くんだ!

と進みだせば小雨。
そして、V字谷間なので、風が強い。
山の山腹を横に突っ切って行くようにあるトラック。
山腹を凹凸凹凸と歩いていくのですが、凹から凸に出た途端、突風の洗礼。
思わずよろけそうになったり、山肌にへばりつくように身を伏せてみたりしつつ進む。

雨で滑りやすくなった岩肌。
ここの道はずーっと、渓谷に沿いながら岩の上をアップダウンしながら歩いていく感じで、岩の上歩きが得意ではない自分には下りが怖い。案の定、数回スリップ。
いつもは、重くて恨めしいザックが私の後部を守ってくれる。

やっぱりスリップすると怪我は一切なくても、じんわりと精神的にダメージが残る。
ああ、転んじゃったよ自分。あれ一歩間違えてたら、谷の底だったかも・・・。

そんな痛い思い出や、突風と闘って、さすがに集中力が切れてきた。
ごはん食べたいよ、休みたい。
けれど、小雨と風で休める感じではないし、適当な場所も見つからない。

けれど、先に見えてきた新しい景色!
そして開けた場所。


なんだか、そろそろな予感。

大きな岩の影を見つけたので、そこで小休止を取ることに。

そこで食べたおにぎり。
ごはんって、そういう時、本当にほっとさせてくれるソウルフード。

つづく。
















ハイキングドリーム。

2013-05-19 | 自然とともに。
Kiwiの人と話すとき、トランピングのこと、自分がニュージーランドで自然が好きでトランピングをたくさんしたことを言うと、驚かれたり、喜ばれたりして、話が盛り上がることが多い。

驚かれる理由は、
(場所にもよるけれど)ニュージーランドまで山歩きをしに来る日本人は少ないので、そんな日本人にあったことないと驚かれる。そして、ソロで歩いてきました~というと、マジで?!といった感じでさらに驚かれる。

kiwiの人でも、みんながみんなグレートウォークを歩いている訳ではないし(近所ほどなかなか行かないという心理と同じ)、そこまでトランピングに熱心な人ばかりではないから、「どんなところだった?」など逆に質問されることも。

けれど、山、森、ビーチ、川岸などなど自然の中を歩くことがこの国の人たちには身近なことだから、「あのエリアもいいよ」などと教えてくれたり、みんなオススメ場所を持っている気がする。

喜んでくれると言ったのは、kiwiはニュージーランドの豊かな自然を誇りに思っているから、ニュージーランドの自然に関心を持ってくれてありがとう、楽しんでくれてありがとう。っと言ったようなニュアンスがあるのかな~と、完全なる自己解釈ですが思っています。


そして、トランピング好きの人に聞かれるのは、日本のトランピング・トラックはどうなの?っということ。

この質問は、kiwiからだけでなく世界中のトレッカーが集まるニュージーランドなので(主に欧米の人が多いけれど)、各国の人から聞かれる。

彼らと話していて気づいたことは、
・韓国から実は日本へのハイキングツアーが結構あり人気だということ。
・欧米の人も日本の山には興味があるし、山好きは意外と日本の山のことを知っている。けれど、言葉の壁がネックだそう。山は都会ではないので、さらに英語なんて通じないだろうということで、どうしても選択肢には上がりにくいらしい。

そんな話をしていて思うのは、

日本の山・自然をもっと海外の人に体験してほしい!


大陸ではないので、畏れ多いヒマラヤ山脈、とにかく雄大なロッキー、アルプスのような風景はありません。
同じ島国であるニュージーランドの、人の手が入っていないようなWILDERNESSを感じる場所もあまりありません。

けれど、例えば田園風景
これは、欧米の風景にはないものだから、日本人が思う以上に魅力的なものだそうです。
それプラス伝統家屋の風景は日本を感じさせるものなのでしょう。
うん、日本には「里山の風景」というものがある!
あとは、自然+寺院、神社なども日本のユニークな部分でしょう。

温泉、食べ物、動物、植物...人が溢れる小さい国ながら、たくさんのユニークな部分を持っている。

海外の人に、ハイテクニッポン!だけじゃなく、もっと日本の自然も体験してもらいたい。
海外の人が日本の自然にアクセスしやすい方法を実現するもの、最近は夢の一つとなりました。

ちょっと硬い話になるけれど、日本の観光資源として「日本の自然」をアピールするのは、海外からの観光客を誘致する上で大切なことだと思う。

日本は安全、清潔、衛生的、正確などなど、欧米の人がよくいう「European Standard」がアジアの中ではだいぶ整っている場所。

言葉の壁を感じなくなるような仕組みを作れれば、欧米の人は訪れてくれるでしょう。

アジアの人も同じようなことを求めているでしょう。
プラス、私の個人的な思いとしては、自然保全に関して、日本が他のアジアの国のモデルでありたい。
上から目線のように聞こえたらすいません。が、アジア人は同じアジア人の方が白人さんたちよりは親しみを持つやすいでしょ。なので、完璧ではありませんが、自然保全という点で世界的に見てイイ線をいっている日本が、さらに頑張ってよい例となれば、他のアジアの国も親しみ&関心を持って、マネしてくれるのではないかな、っと(もちろん日本が学ぶ立場にもなることもあるけれど)。

それは国レベルというより、もっと個人レベルで。

よく感じるのは、日本以外のアジアの国々では、ハイキングという文化は、まだまだ浸透していない(韓国、台湾あたりは似ているかもしれないけれど、ハイカー人口が日本は圧倒的に多いと思う)。それは、日本という国に余裕がある証拠だと思うのですが、経済発展が目まぐるしいアジア諸国では、裕福な人々が増えて、余暇の遊びの種類が今後ますます充実し、ハイキングブームを時間差でやってくるでしょう。

だからこそ、既にブームにある日本は「お手本」となれるような姿でありたいなと思うのです。
それは、私ひとりの自然に対する姿勢からなんだなあ、っと今書いていて思いました。
見られていますもんね、気をつけないと (汗)。


なんだか、壮大なことを書いてしまいましたが、
純粋に、日本の自然好きが世界の自然好きに、日本の自然を見せたいという話でした。

















Rees Dart Track -day1後半-

2013-05-10 | ニュージーランド生活
大丈夫かな、バスと運転手さん。

そうは思いつつ、他の乗客はさっさと出発し始める。
私がいたところで役には立たないし、他トレッカーの近くを歩きたいので、置いていかれては大変!と急ぐことにした。

ソロでは歩きたいけれど、初ソロバックカントリーだけに、本当にひとりだと怖くて不安(笑)。
だから、自分の視界の中に人を入れておきたかった。

オージー(オーストラリ人の意)の夫婦と共に歩き始めた。

自分自身が高校のときにオーストラリアに留学していたよと話すと、どこどこ?と地元トークが始まった。

話していくと、まさに世間は狭いということを発見。
今は、ニューサウスウェルズの田舎の方に住むご夫婦だが、
旦那さんの方が、私のホストシスターと同じ高校を出ていた(笑)。
そう、つまり先輩。

オーストラリア大陸広しといえど、まさかまさかの共通点が。

この日は、実にいい天気。
本日の同乗者は6人なので、視界には先行くkiwiおばちゃんズとオージー夫婦以外、人はいない。


写真を撮りたくなりはじめたので、早速、自分ワールド開始。
夫婦に遅れをとらないように気をつけつつ、景色を楽しみ、写真を撮る。

水たまりからも、美しい景色がのぞける。


しかし、心の中には常に不安がいっぱい。

不安その1;噂の川渡りはいつなのか。

その川がいつ出てくるのか、ドキドキしていた。
来る前に、インフォメーションセンターで川の水位を確認したら浅かったが、初の川渡り。
水の勢いは平気だろうか、靴を脱ぐべきか、そのままズブズブ行くべきか・・・etc。

細かい細かい心配事が積み重なって、緊張。

いつ出てくるのか、いつ出てくるのか、いつ出てくるのか。
川が出てくるまでは、絶対に前の二人から離れないように気をつけよう。

そして、ついに噂の川が !!

うん、あれはひとっ飛びーなんかでは渡れそうにない(笑)。

サンダルに履き替える前方の二人。
川幅は実に25mプールに及ぶほどあるのではないだろうか。
さすがに裸足もビーサンも渉には相応しくなさそうだ。

ということで、私はレインウェアを履き、その上にゲーターを履いた。

まずは、先に渡る二人の様子を拝見。



とても気持ちよさそう!



自分も恐るおそる、ゆっくりと川の中へ足を進める。
流れも弱く、水はまさに清く澄んでいる清流。

「あれ、色々とブログで読んで緊張していた川だったけれど、今日は実にすばらしい~!」


川から出てゲーターを外してみると、靴の中まで浸水。
まったく意味がなかった(笑)!!

そして、数分歩くと再び川。そして、また川。

自分たちの横にずっと本流が流れている訳で、
それに合流する支流が小さいものから大きいものまで、いくつもある。


前方の二人もさすがにサンダルに履き替えるのを面倒に感じたのか、靴のまま進んでいっているようだ。

靴の中はまさにプール。
チャプチャプ、ぽちゃぽちゃ。。。気持ち悪いい。


そして川以上のくせ者が存在した。
清流渡りなんて、さわやかな一時だった。

ここは私有地の牧場の中にバックカントリーコースが設定されているため、トラックがあることを示すオレンジ色のポールの数があまり立っていない。
一見、牧場は開けていて視界がいいようだが、生い茂る牧草は意外と背が高く、蛍光色のオレンジポールでも隠れてしまい見えない。
そもそも、ポールの間隔があき過ぎていて、あまりあてにならない。そして、ニセ道標ではないが、似たようなポールもたまにあったりして紛らわしい。

あてになるのは、今までのトレッカーが歩いてできた道をたどっていくことなのだが、牧場だけに、家畜の作った獣道も無数にあり、時として惑わされる。



そして、小休止を取りたくても牧場一帯はぬかるんだ地、日陰は一切なし。そして家畜の糞が一帯に広がり、とてもとても休む場所などないし、そもそも、気持ち的に休もうと思えない。

次の道標となるポールを必死に探すがなかなか見えない。
ポールと踏み跡を注意深く追っていっても、ある時突然、両方とも消える。

「え? え! どこに道はいったのだろう・・・」

焦りは禁物と知りつつ、緊張と不安で焦る。
ふと横を見ると茂みの中に次のポールが立っていたりして、ハイカーを試しているのか?と思いたくなるような設置方法だ。

やっとポールを見つけたと思っても、深い川の向こうにあったりと、時として「ありえない場所」に設置されている。
それは、ただ「ありえない」ように見えるだけなのか、本当に「ありえない」場所なのか、そもそも整備されたルート、決められたルートがない場所なので、自分の判断で動くしかない。


安全な足元とルートを見失わないことに必死で、景色を堪能する余裕なんて消えていた。
早く牛糞だらけのぬかるんだ場所から脱出したくて、進むことに必死だった。


腰上以上の深さのある小川を渡るか、それとも右にそれて踏み跡とたどっていくか・・・。
私は踏み跡をたどった。

もしかしたら家畜の足跡かもしれない。。。
歩いているうちに、それを確実に感じるようになる。
底なし沼のようにぬかるんだ地。湿地帯だった。
怖くて、不安で戻ろうかと思ったが、戻ったところでも道があるようには思えなった。

そんな時、遥か先に、何かが太陽に反射した光が見えた。
あの夫婦だ!!

この道で行けるんだ!

不安が少し消え、進み続けた。
しばらくすると、男性が向こうから声を上げている。逆方向で進んできたトレッカーだろうか?

「あれ、あそこに人が歩いているということは、向こうが道?」

そう思って男性の方を見ていると、私の方を向いて、こっちへ来いの合図をしている。
道なき道、ぬかるんだ湿地を進んでいくと、やっと声が聞こえた。

「こっちに道がある。僕たちも君と同じ道を歩いていたけれど、そこはどうも牛が作った道のようだ。」
先を歩く夫婦の旦那さんの方が、私を見つけて呼びかけにきてくれたのだ。

人に会えた安心。
けれど、まだまだこんな道が続くのだろうかという先の見えなさで嫌になっていた。
こんなに冷たい汗と熱い汗が流れたのは、トレッキングでは初めてかもしれない。


夫婦と歩いていくと森林部分が多くなってきた。
やっと、日陰で休むことができる。

木の包んでくれる存在感にホッとした。
だいぶ先を歩いていたkiwiの3人組も休んでいた。

みんな、ホッとしたんだな。

そして、森の中をしばらく進むと、待ち望んでいた看板が現れた!!


Mt.Aspring national parkの玄関口にやっとこれたのだ。

やっと来れたという安堵でいっぱいになった。

下調べで得た情報によれば、ここから先は整備された道があるとのこと。
しかし、ここまでで2-3時間。
精神的にだいぶ疲れてしまったので、この先の4時間が途方もなく長く感じられた。

ここから先の道は一本道なので、迷うことはなかった。
再び開けた草場に出ても、ここは国立公園の中。
オレンジ色のポールが牧場よりも狭い間隔で立っている。

プールのように水が浸水した靴で歩く。

ハットまであとどれくらいだろうか。
4泊分、そしていつもより多めにいれた食料の重さで体が痛い。
少し歩いては休み、歩いては休みの繰り返し。

一度、大きな岩をハットと見間違えた。
期待して近づいていくと、屋根ではなく岩だった(笑)。

それから、しばらくまた歩くと吊り橋が出てきた。

どうやら、今度は本当のハットがあるようだ。

橋の先にはグレートウォークにあったハットに劣らない立派なハットが建っていた。



やっと、つけた。









Rees Dart Track -冒険のための心構えday1-

2013-05-08 | ニュージーランド生活
ついに、自分にとって大冒険のはじまり。

早起きは苦手だけれど、山に行く日は、緊張もあってちゃんと目覚めます(笑)。

8時クイーンズタウン発のバスに乗るために、外へ出る。
空はまだ日の出前で、視界に入るすみっこの空が少し明るいだけ。

どうぞ、無事に歩いていけますように。

そう願って、バス乗り場へ急ぐ。

はたして、同じ行程で歩く人は何人いるのだろう。
帰りのバスを予約しようとした際、その日は他に利用者がいないので高くつきますよ。
一日早めることをおすすめします、と言われていた。
天気が悪くなることも分かっていたのも手伝い、予定より一日短い行程にした。

なので、行くときは何人いるんだろ?っと、不安も半分、気になっていた。
ソロで歩くので、同じ行程で歩く人が多ければ多いほどうれしい。

リーツダートに行く人は、オーストラリア人夫婦、kiwiのおばちゃん3人組、私の6人だった。
少し安心。

どこから来たのか、他にどこを歩いたのか、そんな話を楽しみながら、バスはグレノーキーに進んでいく。

バスの運転手さんが、ここは絶好の写真スポットと道中で車を止めてくれた。
外に出てみると・・・・


まさに、息を飲むような美しい景色が目の前に広がっていた。



静寂と、やさしくて柔らかな色合いの風景。

朝から、極上の蜜をいただいたような気分。
もう、これだけで十分至福であります

見える山々の麓のあたりは、ロードオブザリングのロケ地にも利用された場所。
この美しい景色は、これから出会える「中つ国」への期待を高まらせた。

そして、バスへ再び飛び乗り、いざ出発。

運転手さんがエンジンをかける。

プシュンッ。

あら?
もう一度、もう数度・・・何度も頑張る運転手。

しかし、最後の音は、
ぶるるる、ぶるんぶるん、ぶるるん・・・ぷしゅん



ん?
コメディー映画の一コマですか?



とツッコミたくなるような、まさかの事態。

まあ、しかし、焦っているのは乗客よりも運転手でしょう。
幸いにも、後続にグレーノーキーまでは同じ道をたどっていく、ルートバーン行きのお客を乗せたバスがいた。

な の で、
急遽、私たちは後続のバスに乗ることとなった。
バスに行くと、既にルートバーン行きのお客さんでいっぱい。
数名は最初立って乗っていたが、なにせ、うねうねの山道なので、いつの間にか立っていた人はバスのフロアに体育座り。

インドのバスかいっ!!


というような、まさかのハプニングでした。

そしてそして、私たちをココまで乗せてきてくれた運転手さんと、プシュンと停まってしまったバスは、その場で待機。はやく、迎えがきますように。

グレノーキーへ着くと、私たちリーツダート&グリーンストーン組のための、新しいバスが待っていてくれた。


30分の休憩の後、いざリーツダートへ。


リーツダートまでの道は、牧場を抜け、民家が見えなくなり、そして道もガタガタしだし、今まで通ってきた道とだいぶ違う。
道はどんどん荒くなり、ガタガタが自分の体にも響き渡り、遊園地のアトラクションに乗ってるような気分。

大丈夫だろうか。。。

やっぱりグレートウォークとは違うな。
すごい所に向かってるなあ、自分(汗)。
途中で引き返したくなっても、ここを歩いて人里まで・・・・何時間かかるだろう、とムダな心配ばかりしてしまう。

車と人、発見!
どうやら、リーツの駐車場まで来たよう。

ちなみに、リーツ・ダート・トラック。
リーツが片方の場所の地名で、ダートは山の向こうのもう片方の地名。
どちらからでも好きな方から、スタートすることができます。
が、大抵はリーツから入る人が多いよう。

今朝の思わぬバスハプニングでの時間ロスを思ってなのか、お客さん思いの人なのか、
バスの運転手さんは駐車場を抜けて、「時間短縮できるように、行けるところまで連れてきます」と車を引き続き走らせた。

アトラクション度は、さらに加速。
荒いガタガタ道を進む。

目の前に川が出てきた。
そして、川に入っていくバス。

ウィンウィーンとタイヤが空回るような音。
再び踏ん張ると、前に進むバス。

ガツン

嫌な音が聞こえました。そして、また空回りの音。
がんばれ、もう一踏ん張り!

あれ、

もう二踏ん張り!!

ウィンウィーンと車輪が地面とかみ合っていない音。
バスは確実にはまってしまった。

し か も、

こんな場所に


まさに川の真ん中での立ち往生。


扉を開ければ・・・



ジャーっと勢いよく流れております 笑。


最初はすぐに動くかと思ってバスに待機していた私たちでしたが、
野次馬心で、ひとり二人と外に出だし・・・みんな外へ 笑。




どうやら、バスの後ろにつけていた荷台とバスの接続部が川を渡ろうとした際に地面に突きささり、
身動きがとれなくなってしまったよう。
運転手と男性乗客が一生懸命、掘りおこそうと格闘。



し か し、
バスの真下にも岩がはまっておりますが・・・苦笑。
これは、どう取るのでしょうか。。



しばらくして、どうにもならないと悟った運転手。

「みんな、どうぞもう行ってください!携帯の繋がるところまで歩いていってきますんで。」

大丈夫?大丈夫?
とみんな言いつつ、自分たちもこの日は長い時間を歩かないといけないため、ただでさえ出発時間が押していたため、後ろを気にしつつ出発。


いや~、実に朝からハプニングの多い一日でありま~す!!


あとから振り返れば、こんなの楽しいものでした。
波瀾万丈のトリップの食前酒にしか過ぎませんでした。














いのちの輝く場所は、

2013-05-07 | ニュージーランド生活
あなた自身が、「自分、今キラキラ(ウキウキの方がうさわしいかな?)しているな」と感じる場所、時はどこですか?

それは、別に目立っているということではなくて、自分自身が幸せな状態であるのは、いつですかということ。

昨日、街中でバックパッカーの青年二人を見かけた。
南島ではおなじみの光景だったのに、ひさびさに見かけて、なんだかホッとしたような、親しみを感じた。

今朝、バスから見えた空と海と島々の景色が、昨日のひどい雨で浄化されたのか、あまりに美して、
「あれ、自分ここで何しているんだろ?街にいるのなんてもったいない!」と、なんだか目が覚めたような気分になった。

そして、バスから降りると、DOC( 環境保全庁)の制服を着た大きなザックを背負ったおじさんが、目の前を通っていった。
『あれ、オークランドシティー内にDOCオフィスあったっけ?』

豊かな自然の近くに暮らしていても、widerness(手つかずの自然、大自然の意)にザックを背負い向かうことは、
自分にとっては特別なことなんだと再認識。

そして、自然の中にいるときが、やっぱり一番、自分自身、自分のこころは潤って活力に満ちている気がする!

これは完全に自己満足の世界ですが、
ああ、わたしのいのちが輝いているのは、自然の中(特に緑の中なのかな?)にいるときなんだなと思います。

それが何の訳に立つのか、誰のためになるのか、分かりません。
けれど、自分の幸福には間違いなくなるでしょ!
もちろん、自分がイイ状態だったら、回りにもイイ影響を及ぼせるはずだとも思います。

みなさんが、ワクワク、うきうき、るんるん、キラキラetc感じるのはいつですが?