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市民アートシアター 演劇情報ブログ

北海道士別市の演劇鑑賞団体「超訳でシェイクスピアを学ぶ会」改め「市民アートシアター」の情報ブログです.

【過去の上演記録】 2007年7月 超訳「オセロー」

2010年06月27日 | 楠美津香・シェイクスピア
楠美津香ひとりシェイクスピア4度目の士別公演。
シェイクスピア4大悲劇のひとつ「オセロー」です。
この公演に先駆けて「超訳でシェイクスピアを学ぶ会」メンバーによるコント公演も上演。
コントは楠さん作。
既刊「東京美人百景」からと、楠さんから特別に脚本を提供していただいたもので計9本。
AIRてっしでの「15分でわかる超訳シェイクスピア講座」とラジオドラマ「ヤセロー」の制作と同時進行で、我ながらよくやったなぁ~と思います。


以下は「超訳・オセロー」のチラシ裏に書いたAirてっしの「15分でわかる超訳シェイクスピア講座」の案内。
オセローのあらすじに代えてここに再録しておきます。


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「15分でわかる超訳シェイクスピア講座」78.8MHZ Airてっし 
楠美津香ひとりシェイクスピア「超訳オセロー」をより楽しんでいただく為、毎週木曜日夜11時からの「ウエルカムホーム」の1コーナーとして「15分でわかる超訳シェイクスピア講座」を放送します。 「オセロー」のパロディラジオドラマ「ヤセロー(全10話)」とその解説を通して森川理加子と橋本慎吾が「オセロー」の魅力と見所を紹介していきます。
今回楠さんが上演する「オセロー」はシェイクスピアの4大悲劇に数えられる傑作で、おなじみ白と黒のゲーム・オセロの名前の由来でもあります。黒人でありながら白人社会の中で異例の大出世を遂げた将軍オセロー、そのうえ彼は美しい白人女性デズデモーナと恋をし結婚までしてしまいます。当然これを面白く思わない人間もいるわけで、オセローはイアーゴーの巧みな計略によって妻の浮気を疑いだし、そして物語は悲劇のラストへと・・・。
世の中には妻の浮気を病的なまでに妄信し、ありもしない浮気の証拠をでっちあげて妻を責めたてる「オセロ症候群」なる精神病があるとか。それだけで「オセロー」という物語の御想像がつくのではないでしょうか。
ラジオドラマ「ヤセロー」では舞台を現代のモデル業界に置き換え、メガトン級に太っていながらトップモデルにのしあがった八代と夫の出雲オーナー、八代の幸福ぶりを妬むモデル仲間の也々子らを軸に、「ほっそり美人」至上主義の現代の価値観の中で、太っているというコンプレックスから徐々に夫の愛を疑いだす八代の物語になっています。 ラジオドラマ「ヤセロー」声の出演はヤセローこと八代(オセロー)小野亜希子、出雲オーナー(デズデモーナ)橋本慎吾、也々子(イアーゴー)森川理加子、海老沢(エミリア)五十嵐直人、キャシー岡島(キャシオー)五十嵐有紀、グランマ翔子(ブラバンショー)渡辺友梨。( )内は原作での名前。
再放送は日曜・昼11時~

【過去の上演記録】 2007年1月 超訳「リチャード3世」

2010年06月26日 | 楠美津香・シェイクスピア
楠美津香ひとりシェイクスピア3度目の士別公演。

この公演から名寄市のコミュニティFM・Airてっしの演劇情報番組「ウエルカムホーム」の企画コーナーとして「15分でわかる超訳シェイクスピア講座」をやらせていただくようになり、この年の元旦には私が脚色した「芸能界版リチャード三世」というラジオドラマも放送。
このラジオドラマはみなさんにリチャード三世のおおまかなあらすじを知っていただこうと、楠さんの超訳シリーズに習ってリチャード三世をバラ戦争時代のイギリス王室から日本の芸能界に舞台を代えて大胆に意訳したものである。
主人公リチャードは歌手の小金好くん。その兄にカマ本譲二、ふたりの兄貴で白組の大将は北島サブ男という微妙に名前を変えたキャスティングで、原作の赤薔薇を紋章としたランカスター家と白薔薇のヨーク家がイギリス王位を巡って争っていたバラ戦争を紅白歌合戦に、紅白の大トリを王位に見立てて、小金好くんが紅白の大トリを狙って卑怯な手段で成り上がり、ついには自らの悪事の報いをうけて破滅するという原作に忠実なストーリーにした。
これが意外と好評だったのか、このラジオドラマは何度も再放送されたらしい(笑)



以下はラジオドラマの原案ともいうべき、私が「リチャード3世」のチラシ裏に書いたテキストである。
作品の紹介に代えてここに再録しておく。

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昔ながらの有り難いお経のつぎはぎで
剥き出しの悪に衣を着せる。
それで俺は聖者に成りすます。
これぞまさに悪役の醍醐味。


「リチャードⅢ」の舞台は薔薇戦争時代のイギリスである。
共に王位継承権をもつお家同士が王位をめぐって赤薔薇を紋章とするランカスター家と白薔薇のヨーク家が・・・乱暴に言えば王族が赤組と白組に分かれて戦っていた、まぁ日本で言うところの南北朝時代だと思えばいい。
物語は王位を独占してきた赤組を倒し、ようやく我ら白組に天下がまわってきたとリチャードが独白する場面から始まる。が、勝利の余韻に浸るまもなく、その口で「せむしでびっこの醜い姿の自分には色恋沙汰には無縁。そんな自分に平和な世の中になんの楽しみがあるものか!」と吐き捨て、――ならば、とリチャードは続ける。「俺は悪党になってこの世のむなしい喜びを憎んでやる」と兄王から王位を奪うと観客に宣言する。
つまり自分みたいなブ男では戦で手柄をたてているうちは英雄になれるが、平和な世の中では女にもてないからつまんない!という理由でわざわざ平和をぶちこわそうと言うのである。そんな、国内での旗色が悪くなるたびに他国に戦争をしかけて支持率をあげようとするどこかの国の大統領じゃあるまいし、わざわざ世を乱さなくてもいいだろう・・・と思いつつ、いつしか観客はリチャードの強烈な個性と目的を果たすための手練手管に惹き込まれてゆくことになる。
まずは手始めに次兄ジョージの始末だ。病弱な兄王はほっといてもいずれ死ぬとして、次兄がいるかぎり三男坊の自分には王位が遠い。そこで「頭文字Gの男が王位を奪う」という予言を利用して兄王にジョージが危険人物であることを耳打ちする。実はこのG、グロスター公であるリチャード自身にもあてはまるのだが、そんなことは気にしない(笑)これは例えるなら白組の大将サブちゃんのポジションを狙う小金沢くんが「ショージだかジョージだかって名前の奴がオヤジの地位をうばうらしいですよ」とチクって、目の上のタンコブである譲二兄貴を北島ファミリーから排除しようとしている図式だと思ってくれればいい。(*実際の演歌界とは関係ありません、あくまでも例え話です)
果たしてクラレンス公ジョージは兄王の不興を買ってロンドン塔に幽閉される。リチャードは自分で仕掛けたくせに「必ず兄王を説得して兄上をお助けします」と約束するなど、見事なまでの善人を演じてみせる。そう、リチャードはそのへんの詐欺師も真っ青な弁舌と演技力で次々と人の懐に入りこんで篭絡し、自分の思い通りに事を進めてゆく。それがリチャードの魅力なのである。しかもリチャードは己を「そばを通れば犬さえ吠える」ほどの醜い男と言いながら、少しも自分を卑下していない。なんと自分を敵と恨み罵詈雑言をあびせかける赤組の未亡人アンを「あなたの美しさゆえに私はあなたの夫や父を殺したのだ」と大胆にも雄弁に口説き「あなたに殺されるなら本望だ」とアンの手にナイフを握らせ自分の胸をさらすのだ。本当に刺される可能性もあるというのに抜群の度胸のよさである。ここまでされて心が揺れない女はいない。後にアンはこの醜くしかも誰よりも憎いはずのリチャードと再婚してしまう。
その後、リチャードは次兄を暗殺し、兄王は病死、兄王の王子たちを初めとする邪魔な存在を片っ端から殺してとうとう国王に成り上がる。
しかし驕れるものは久しからず、洋の東西を問わず盛者必衰の理はここでもあてはまり、とうとう反リチャード派が立ち上がり薔薇戦争最後の戦いへとなだれこむ。
非道の限りを尽くしたリチャードに因果応報の言葉どおり、敵方に寝返る者あり、亡霊となって呪う者ありで、次第にリチャードは追い詰められてゆく。それでもリチャードは阿修羅のごとく奮闘し、馬を乗りつぶしながらも敵の大将の影武者を5人も叩き切るが、とうとう最期を迎える。
「馬をくれ!馬をくれたらこの王国をくれてやる」との名セリフを残して―――。
この最期の言葉を命が惜しくて逃げるための言葉ととってはいけない。馬を失った武将は死んだも同然。彼はまだ戦うために馬を欲したのである。だがその代わりに本来の執着の源である王座をやろうというあたり、極限状態に追い込まれた人間の愚かさが如実に顕れている。王座を守るために戦っているのに目の前の戦いのために王座すら渡そうとしているリチャード。めまぐるしい日々の中でいつのまにか目の前のことしか見えなくなり、目的と手段が入れ替わってしまっていることはよくあることだ。たとえば家族のために働いているはずなのに仕事のために家族を犠牲にしていたなどいい例である。
いつの世にも通じる根本的な人間の愚かさや深層心理が巧みに描かれている「リチャード3世」。
これはシェイクスピア作品の中でもいわゆる歴史劇と分類されているものだが、主人公リチャードの強烈な個性によって、歴史劇を超えた出色の作品であると評価が高い。
さぁ、この「リチャード三世」、講談調の語り口と芝居とコントのツッコミを見事に融合させた「超訳」ではどのように料理されているのであろうか。そしてリチャードやアン、その他の登場人物たちはどのようなキャラで演じられるのであろうか
それは2007年1月24日のお楽しみである。

【過去の上演記録】 2006年7月 超訳「十二夜」

2010年06月26日 | 楠美津香・シェイクスピア
楠美津香ひとりシェイクスピア2度目の士別公演。
この公演を開催するにあたり「超訳でシェイクスピアを学ぶ会」を発足。

あ、ちなみにこのチラシのイラストは私が描きました。
ミュシャ風の絵を描いてみたくて、実はちょっと意識してます(笑)

「十二夜」は北海道演劇財団のフランチャイズ劇団TPSが上演したものを見たので内容を知っていたんですが、それだけに美津香さんの超訳ぶりが面白かったです。
美津香さんのひとりシェイクスピアは予備知識なしでも楽しめる内容になっていますが、本来の型を知っていた方がより面白い気がします。



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『十二夜』(じゅうにや、"Twelfth Night, or What You Will")は、イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア作の双子の兄妹が瓜二つなことから巻き起こる傑作喜劇


【過去の上演記録】 2006年1月 超訳「ハムレット」

2010年06月26日 | 楠美津香・シェイクスピア
楠美津香ひとりシェイクスピア、最初の士別公演。
「To be, or not to be: that is the question.」で有名なハムレットです。

この公演の前年4月、旭川のシアターコアで上演された「超訳・ロミオとジュリエット」で楠シェイクスピアにノックアウト!
続く7月、鷹栖きっちんらいる野外特設ステージで上演された「夏の夜の夢」もおおいに盛り上がり、主催者と知り合いだったため打ち上げに誘われ参加したのが運のツキ(笑)
酔った勢いで「士別でも楠さんのひとりシェイクスピア、ぜひやってください!」と美津香さんに訴えたところ「ぜひ呼んで下さい!」とお返事いただきまして、酔った席とはいえ、口に出した以上はやってやるぜ!と、当時所属していた市民劇場の代表に相談して半年後、この「ハムレット」の上演に至りました。
ですから、このときの主催は士別市民劇場です。

初の士別公演ということを考慮してくださったのか、このときの美津香さん、
冒頭のハムレットの「このあまりに軽き肉体が…」と長々と語るセリフを
小田島雄志訳バージョン、坪内逍遙訳バージョンで紹介した後、楠・超訳バージョンと称して「消えちゃいたーい」の一言で言い表したのは今思い出しても痛快の極み(笑)
この上演で美津香さんの虜になった人間で、後に「超訳でシェイクスピアを学ぶ会」を組織することになります。



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『ハムレット』(Hamlet)は、シェイクスピア作の悲劇。5幕から成り、1600年から1602年のころ書かれたと推定される。正式題名は「デンマークの王子ハムレットの悲劇」(The Tragedy of Hamlet, Prince of Denmark)。4000行を超え、シェイクスピアの戯曲のなかでは最も長い。

楠 美津香 プロフィール

2010年06月26日 | 楠美津香・シェイクスピア
昭和37年3月24日生

東京都出身日本映画学校の前身、横浜放送映画専門学院卒業コントグループ(ピックルス、ふらみんご)と放送作家とストリップ劇場幕間のコメディアンとDJとラジオパーソナリティ等を経て、実験的一人コントを自作自演。

渋谷ジァンジァンにて様々な女たちの世界を描いた一人コント「東京美人八景」連続上演。2000年より講談と演劇を組み合わせた独自のスタイルによる一人芝居“Lonely Shakespeare Drama” ひとりシェイクスピアの会を定期公演。

内容は原作に忠実に、ただし格調を全面的にカット、格調高い登場人物を個性あふれる今風キャラクターに現し、格調高い台詞を“楠式超訳法”により、シェイクスピアファンならずとも楽しめる「世界で一番わかりやすい格闘技系シェイクスピア」として現在全国巡演中


【特技】 着物を3分44秒で着る(足袋はくとこから)
【趣味】ギターを独学で練習する。ヴァイオリンでチャールダッシュを弾く。ボディビルディング
【受賞】 92年 国立演芸場 花形演芸会銀賞受賞
    94年 国立演芸場 花形新人大賞特別賞受賞
【主な公演】東京美人八景(92年~96年)
       プラチナプレイガール(99年~年1回)
       ひとりシェイクスピア(00年~年4回)
【出演番組】 NHKラジオ公園通り(07年)「リモート」 
      日本テレビ系列(02年)「サイコメトラーEIJI」
      日本テレビ系列(97年)「金田一少年の事件簿 オペラ座館殺人事件」
      日本テレビ系列(95年)「楠美津香のCOUNT DOWN JOKER」
      TokyoFM 「笑いがいちばん」 NHK総合テレビ
【出版物】 ひとりコント楠美津香の東京美人百景


楠美津香の東京美人百景
http://www.kusunoki-mituka.com/index.html