3日目(2012年11月25日)
【6:00(トルコ時間) イスタンブール】
起きたら暗闇の中にいて、しばらく布団の中でモゾモゾやってから、
「ああ、旅行に来てるんだ。トルコにいるんだ」と気づく。
まだ「旅」というものに身体も頭も慣れていないのだ。
予想よりホテルがきれいなこともあり、それほど「異国」に来ている感覚もない。
起きたのがトルコ時間で朝の5時だから、およそ10時間程寝たことになる。
日本は13時くらい。
家を出てからちょうど2日経った計算になる。
日本はきっと今頃、ジャパンカップで盛り上がっているんだろう。
オルフェーヴル対ジェンティルドンナ対ルーラーシップ。
僕はルーラーシップの馬券を買ってから飛行機に乗ったはずだった。
嫁は飛行機の中で風邪をひいてしまったらしく、体調が悪そうにしていたがたくさん寝たせいで少しずつ元気になってきたみたいだ。
夜中にふと横を見ると、顔に濡れタオルなぞ掛けて寝ている様が目に入ってギョッとしたのだが、少し安心した。
朝食はホテルのバイキング。これが本当に美味しい。
トマトやキュウリのサラダが山ほど食べられるのが意外と嬉しい。
オリーブオイルとレモンと塩コショウをかけて、皿の上でドレッシングを作って食べる。
驚いたのはスープで、なにやらドロッとしたポタージュのような見た目で、口に含むと酸っぱい。
スープ以外は美味しいねという結論になった。
※後から知ることになるが、「レンズ豆のスープ」という代物で、日本で言うと味噌汁にあたるソウルフード。
どこでも出てくる。
ミントとレモンが入っているので、初めて食べるとびっくりする味だ。
朝食を平らげてバスに乗車する。
【21:00(トルコ時間)アイヴァリク】
朝食をたいらげてバスに乗車、一路イスタンブールから西へ向かう。
目に入ってくるのは、なだらかな丘が延々と続く、のどかな畑の風景だ。
丘がなだらかなのは、雨量が少ないからなのかな、と想像する。
日本では見たこともない風景だ。
日本の場合は田んぼが多いので、水面によって水平な土地の割合が多く、景色が直線的だ。
一方でこちらはなだらかな曲線の丘が幾重にも続いて、地平の向こうへ霞んでいく。
地平線が霞んで見えないことで、景色がガスっぽいことに気付く。
そのせいか、天気はいいのに空も真っ青というよりは白っぽくなっている。
これも雨が少なく、チリが舞っているからなのだろうか。
そういえば、しばらくバスで走っても「川」というものをほとんど目にしない。
この辺の苗字では日本で言えば「川上さん」とか「橋本さん」なんていないんだろうな、などとくだらないことを考えていた。
昼食は「サバサンド」なる食べ物を食べた。
これはけっこう有名なトルコの名物料理で、名前通りパンの間にグリルしたサバと付け合せのピクルスか何かが挟まっている。
意外と美味い。
何というか、「パンにサバを挟んだ味」としか形容できないほど、思った通りの味なのだが、サバとパンが実は相性がいいということなのだろう。
意外と美味いが、小骨が多く食べ終えるまでにかなりの労力を要した。
食事の料金はツアーの代金に含まれているが、毎回の飲み物は自分で払わなくてはいけないシステムらしい。
当然、土地のワインや清涼飲料水などが飲みたくなるもので、飲み物代で少しずつ小遣いが削られていくことになる。
午後にバスごとフェリーに乗り、ダーダネルス海峡を渡り、いよいよトルコのアジアサイドへ渡ったのだった。
久しぶりの連載ですが、力尽きたので3日目の途中まで。
このころはちゃんと景色に対する感想とかを記してたんですよね。
このあと待望のトロイ観光が待っています。