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平和津梁の鐘

海は母 生物を生み育み豊かな資源を恵む母  海は道 遥かなる国々より文化と友誼を運ぶ道

核抑止は人間の作った虚構

2020-08-06 09:01:49 | 10 綸言・諛言・諫言
令和2年 (2020年)平和記念式典。

広島県知事あいさつ

 被爆75年の今日ここで、我々は、人々の予想と願いを裏切る大きな二つのことを目の当たりにしています。一つは、75年は草木も生えないという予言に抗い、広島がこのように誇るべき復興を遂げているということ。もう一つは、この日までには、と願い続けてきた核兵器廃絶が、残念ながら未だ遠い現実であるということです。

 本日、被爆75年を迎えるにあたり、原爆犠牲者の御霊に、広島県民を代表して、謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、未だ後遺症で苦しんでおられる被爆者や、犠牲となった皆様に核兵器廃絶の報告もままならぬご遺族の方々に、改めて、心からのお見舞いを申し上げます。

 我々の切なる願いに反し、昨今の核兵器廃絶を巡る情勢は、極めて厳しい状況です。改めて、核兵器国を中心とする各国に、核兵器不拡散条約の遵守、核兵器禁止条約の批准、核軍備管理・軍縮にかかる枠組みの堅持、核実験自粛堅持と包括的核実験禁止条約の早期発効、そして核兵器の永久放棄を強く求めます。

 なぜ、我々広島・長崎の核兵器廃絶に対する思いはこうも長い間裏切られ続けるのでしょうか。それは、核による抑止力を信じ、依存している人々と国々があるからです。しかしながら、絶対破壊の恐怖が敵攻撃を抑止するという核抑止論は、あくまでも人々が共同で信じている「考え」であって、すなわち「虚構」に過ぎません。万有引力の法則や原子の周期表といった宇宙の真理とは全く異なるものです。それどころか、今や多くの事実がその有効性を否定しています。

 一方で、核兵器の破壊力は、アインシュタインの理論どおりまさに宇宙の真理であり、ひとたび爆発すればそのエネルギーから逃れられる存在は何一つありません。したがって、そこから逃れるためには、決して爆発しないよう、つまり、物理的に廃絶するしかないのです。

 幸いなことに、核抑止は人間の作った虚構であるが故に、皆が信じなくなれば意味がなくなります。つまり、人間の手で変えることができるのです。

 支配者であった武士階級が明治維新で廃止されたように、かつて最も敵対した国同士が今は最も親密であるように、どのようなものでもそれが人々の「考え」である限り転換は可能であり、我々は安全保障の在り方も変えることができるはずです。

 いや、我々は、核兵器の破壊力という物理的現実の前にひれ伏し、人類の長期的な存続を保障するため、「考え」を変えなければならないのです。

 もちろん、凝り固まった核抑止という信心を変えることは簡単ではありません。新しい安全保障の考え方も構築が必要です。核抑止から人類が脱却するためには、ローマ教皇がこの地で示唆されたように、世界の叡知を集め、すべての国々、すべての人々が行動しなければなりません。

 草木も生えないと言われた75年には残念ながら間に合いませんでした。このことについて、我々はすべての原爆犠牲者と被爆者に頭を垂れねばなりません。そして、改めて、被爆者がまだ存命の間、一刻でも早い時期に核兵器を廃絶することを、全ての国連加盟国が一致し、新たな目標として設定することをここに提案します。

 皆さん、今こそ叡知を集めて行動しようではありませんか。後世の人々に、その無責任を非難される前に。

 令和2年8月6日

 広島県知事 湯崎英彦

 


2020年、広島市平和宣言

2020-08-06 09:00:38 | 10 綸言・諛言・諫言

平和宣言

広島原爆死没者慰霊の日。平和祈念の日。

  1945年8月6日、広島は一発の原子爆弾により破壊し尽くされ、「75年間は草木も生えぬ」と言われました。しかし広島は今、復興を遂げて、世界中から多くの人々が訪れる平和を象徴する都市になっています。

 今、私たちは、新型コロナウイルスという人類に対する新たな脅威に立ち向かい、踠(もが)いていますが、この脅威は、悲惨な過去の経験を反面教師にすることで乗り越えられるのではないでしょうか。

 およそ100年前に流行したスペイン風邪は、第一次世界大戦中で敵対する国家間での「連帯」が叶わなかったため、数千万人の犠牲者を出し、世界中を恐怖に陥れました。その後、国家主義の台頭もあって、第二次世界大戦へと突入し、原爆投下へと繫がりました。

 こうした過去の苦い経験を決して繰り返してはなりません。そのために、私たち市民社会は、自国第一主義に拠ることなく、「連帯」して脅威に立ち向かわなければなりません。

 原爆投下の翌日、「橋の上にはズラリと負傷した人や既に息の絶えている多くの被災者が横たわっていた。大半が火傷で、皮膚が垂れ下がっていた。『水をくれ、水をくれ』と多くの人が水を求めていた」という惨状を体験し、「自分のこと、あるいは自国のことばかり考えるから争いになるのです」という当時13歳であった男性の訴え。

 昨年11月、被爆地を訪れ、「思い出し、ともに歩み、守る。この三つは倫理的命令です」と発信されたローマ教皇の力強いメッセージ。そして、国連難民高等弁務官として、難民対策に情熱を注がれた緒方貞子氏の「大切なのは苦しむ人々の命を救うこと。自分の国だけの平和はありえない。世界はつながっているのだから」という実体験からの言葉。
これらの言葉は、人類の脅威に対しては、悲惨な過去を繰り返さないように「連帯」して立ち向かうべきであることを示唆しています。

 今の広島があるのは、私たちの先人が互いを思いやり、「連帯」して苦難に立ち向かった成果です。実際、平和記念資料館を訪れた海外の方々から「自分たちのこととして悲劇について学んだ」、「人類の未来のための教訓だ」という声も寄せられる中、
これからの広島は、世界中の人々が核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて「連帯」することを市民社会の総意にしていく責務があると考えます。

 ところで、国連に目を向けてみると、50年前に制定されたNPT(核兵器不拡散条約)と、3年前に成立した核兵器禁止条約は、ともに核兵器廃絶に不可欠な条約であり、次世代に確実に「継続」すべき枠組みであるにもかかわらず、その動向が不透明となっています。世界の指導者は、今こそ、この枠組みを有効に機能させるための
決意を固めるべきではないでしょうか。

 そのために広島を訪れ、被爆の実相を深く理解されることを強く求めます。その上で、NPT再検討会議において、NPTで定められた核軍縮を誠実に交渉する義務を踏まえつつ、建設的対話を「継続」し、核兵器に頼らない安全保障体制の構築に向け、全力を尽くしていただきたい。

 日本政府には、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たすためにも、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いを誠実に受け止めて同条約の締約国になり、唯一の戦争被爆国として、世界中の人々が被爆地ヒロシマの心に共感し「連帯」するよう訴えていただきたい。また、平均年齢が83歳を超えた被爆者を始め、心身に悪影響を及ぼす放射線により生活面で様々な苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、その支援策を充実するとともに、「黒い雨降雨地域」の拡大に向けた政治判断を、改めて強く求めます。

 本日、被爆75周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。

令和2年(2020年)8月6日

広島市長 松井一實

 

広島市ホームページhttps://www.city.hiroshima.lg.jp/site/atomicbomb-peace/179784.html


沖縄戦の証言について

2020-08-01 00:10:45 | 54 沖縄戦の証言・男子学徒隊

沖縄戦の証言について

以下の点について、ご理解・ご了承くださるようお願いいたします。

カテゴリー・『沖縄戦の証言・男子学徒隊』は、学徒兵として各部隊に配属され、従軍した男子学生の沖縄戦体験の証言を中心に掲載します。

ここのブログで掲載する、沖縄戦証言・男子学徒隊に関して、いくつか留意する点があります。

一、沖縄戦の体験者の証言について、

証言は、沖縄戦体験者が戦争終結して長い年月が経って語ったものです。そのため、あいまいなところや記憶違いが含まれている可能性があります。また証言の中には、現在において、適切ではない言葉・表現が含まれている場合もありますが、そのまま掲載しています。

二、その他ついて、

その他の事は、『沖縄戦の証言・住民』https://blog.goo.ne.jp/ryukyu/e/0e13dbed9662d50b4ca388a3d7a08c64
に準じます。


沖縄戦の証言について

2020-08-01 00:07:26 | 55 沖縄戦の証言・女子学徒隊

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証言は、沖縄戦体験者が戦争終結して長い年月が経って語ったものです。そのため、あいまいなところや記憶違いが含まれている可能性があります。また証言の中には、現在において、適切ではない言葉・表現が含まれている場合もありますが、そのまま掲載しています。

二、その他ついて、

その他の事は、『沖縄戦の証言・住民』https://blog.goo.ne.jp/ryukyu/e/0e13dbed9662d50b4ca388a3d7a08c64
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沖縄戦の証言について

2020-07-31 23:50:33 | 52 沖縄戦の証言・軍人

沖縄戦の証言について

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カテゴリー・『沖縄戦の証言・軍人』は、沖縄に派遣された軍人の沖縄戦体験の証言を中心に掲載します。また現地で招集された兵士及び他国出身者の軍人の証言も含みます。

ここのブログで掲載する、沖縄戦証言・軍人に関して、いくつか留意する点があります。

1、沖縄戦の体験者の証言について、

一、証言は、沖縄戦体験者が戦争終結して長い年月が経って語ったものです。そのため、あいまいなところや記憶違いが含まれている可能性があります。また証言の中には、現在において、適切ではない言葉・表現が含まれている場合もありますが、そのまま掲載しています。

二、証言は、長い話やまた断片的に語ったものもあります。文字にして数行程度のものもそのまま掲載しています。

2、沖縄戦の体験者の証言収集について、

一、私が戦争体験者から、直接に伺った話。

ゆっくりと時間をかけて、戦争中の出来事を話して頂いたものや、又その何気ない話の中で、時折戦争の事を語ったもの、ちょっとした待ち時間などで、話して下さったものなど、様々な場面で聴いた話です。

二、体験者の遺族や、関係者から間接に伺った話。

戦争体験した方は高齢者となっています。病気などで直接話する事が出来ない方もいます。また又既に亡くなられた方も多数います。その戦争体験の話を、両親や祖父母から受け継いだ家族や関係者から、間接的に聴いた話です。

三、出版物やネットなどで公開されている証言の収集。

沖縄戦を体験した方から、聞き取りなどで証言を集めた証言集。個人的に出版した書籍。各自治体が発表した証言。公共団体などがインターネット上で公開している証言など(無許可掲載も数多くあるm(__)m)。

3、証言者の氏名や体験場所などについて、

一、証言者の氏名の扱いなど。

ここのブログでは証言者の氏名などは、出来る限り実名で掲載しますが、匿名の場合もあります。見知らぬ人と、袖が触れ合う程度のちょっとした出会いのなかで、相手の名前も知らない方からの話で、氏名は不明と言うこともあります。また氏名を公表したくない方もいますし、無許可掲載もある為に匿名の場合もあります。或いは氏名を公表しても所属や部隊名を公表したくないという方もいます。

二、証言者の体験場所の扱いなど。

体験場所や現在の地名が分かる事で、証言者の現住所や個人情報等が特定される恐れがある場合は伏せて掲載します。また、不慣れな土地で激戦に巻き込まれて詳細な場所は知らないという方もいます。

4、その他の注意事項。

ここのブログに掲載する、沖縄戦の証言について、政治的意図や補償問題など、全く関係ありません。又、イデオロギー論争や歴史認識の問題、左右分かれての不毛の論争、当ブログは全くする気は有りません。沖縄地上戦経験者の貴重な話に対して、誹謗中傷や嫌がらせ、当ブログに対しての誹謗中傷、荒らしなどの迷惑行為はしないで下さい。