北朝鮮がミサイルを発射したとこによって、日本ではかつてないほどに外交が注目されている、かつ評価されているように思う。発射から数時間後に制裁の一部を発動するなど、「及び腰」と揶揄されていた判断の鈍さが、今回は感じられなかった。このように評価する意見が大勢のよう。
友達のブログにもあったが、メディアの反応は一過性の性分がまたも露骨に表れた。TV報道は、発射の当日には賑わいをみせたものの、その後は小康状態。一方、新聞では連日、細かい記事を書いているけれども、それでも紙面の割合は徐々に狭くなっている。
この事件にまつわる論点というのは結構ある。「なぜミサイルを発射したのか」「テポドン2号は失敗したのか」「新たな発射はあるのか」「軍の独走か」「日本の対応は甘いか」「中国とロシアは北朝鮮に甘いのか」などなど、きりが無い。
僕が今最も注目する点は、果たしてこの問題がこれほど注目を集めるべき問題なのかという点。韓国の総理府のHPでは、日本はこの問題ついて騒ぎすぎだという批判がされていたという。韓国政府としては、たいした問題ではないのだと。ロシアにしても、沿海州沖にミサイルが落ちたにも関わらず、一通りの批判しかしていない。
国がミサイルを発射するという行為は、北朝鮮が言うのように、確かに「主権的行為の一部分」であり、これを規制する条約は存在しない。何より、他国は頻繁にミサイル発射(実験)をしているわけだ。だから、北朝鮮も同じようにやっているのだから問題はないじゃないかという。
それにも関わらず北朝鮮のミサイル発射が注目される理由は、まさに北朝鮮という国がやった行為だからである。ミサイルの発射実験などは、基本的に周辺国にその旨を事前通知した上で行う。TVなどで、中国やら米国やらの軍事演習のニュースが流れているときに、ミサイルが発射される様子をよく観るはずであろう。こうした事前通知が少なくとも周辺国である日本にはなかった。そして、日本が第一に主張するのは、平壌宣言に北朝鮮のミサイル発射実験の凍結が載っているにもかかわらず、北朝鮮がこの約束を反故にしたという点にある。北朝鮮は約束を破ったということだ。
このような状況が、安定している地域ならば、それはまだ重大問題には発展しないだろう。しかし、事が北東アジアで発生している問題だから重大なのだろう。北東アジアは北朝鮮の問題だけで不安定なわけではない。竹島、黄沙諸島などの領域問題に加え、中台問題を抱えているわけだ。穿った見方をすれば、北朝鮮のミサイル発射を許容すれば、中国の台湾に対する、台湾の中国に対する、威嚇としてのミサイル実験の応酬にだってつながりかねない。
事を大きくしないこと。それによって、この地域の安定が脆いなりにも維持されてきた。日本は、安保理で北朝鮮制裁決議案の採決を目指している。中国に拒否権を恐れずに日本は強行にいくべきだと思う。中国の拒否権行使に伴う政治的損失の大きさは彼の国自身が最も良くわかっているはず。中国にとっての北朝鮮は米国にとってのイスラエルとは違う。ともあれ、安保理の行方に注視したい。
友達のブログにもあったが、メディアの反応は一過性の性分がまたも露骨に表れた。TV報道は、発射の当日には賑わいをみせたものの、その後は小康状態。一方、新聞では連日、細かい記事を書いているけれども、それでも紙面の割合は徐々に狭くなっている。
この事件にまつわる論点というのは結構ある。「なぜミサイルを発射したのか」「テポドン2号は失敗したのか」「新たな発射はあるのか」「軍の独走か」「日本の対応は甘いか」「中国とロシアは北朝鮮に甘いのか」などなど、きりが無い。
僕が今最も注目する点は、果たしてこの問題がこれほど注目を集めるべき問題なのかという点。韓国の総理府のHPでは、日本はこの問題ついて騒ぎすぎだという批判がされていたという。韓国政府としては、たいした問題ではないのだと。ロシアにしても、沿海州沖にミサイルが落ちたにも関わらず、一通りの批判しかしていない。
国がミサイルを発射するという行為は、北朝鮮が言うのように、確かに「主権的行為の一部分」であり、これを規制する条約は存在しない。何より、他国は頻繁にミサイル発射(実験)をしているわけだ。だから、北朝鮮も同じようにやっているのだから問題はないじゃないかという。
それにも関わらず北朝鮮のミサイル発射が注目される理由は、まさに北朝鮮という国がやった行為だからである。ミサイルの発射実験などは、基本的に周辺国にその旨を事前通知した上で行う。TVなどで、中国やら米国やらの軍事演習のニュースが流れているときに、ミサイルが発射される様子をよく観るはずであろう。こうした事前通知が少なくとも周辺国である日本にはなかった。そして、日本が第一に主張するのは、平壌宣言に北朝鮮のミサイル発射実験の凍結が載っているにもかかわらず、北朝鮮がこの約束を反故にしたという点にある。北朝鮮は約束を破ったということだ。
このような状況が、安定している地域ならば、それはまだ重大問題には発展しないだろう。しかし、事が北東アジアで発生している問題だから重大なのだろう。北東アジアは北朝鮮の問題だけで不安定なわけではない。竹島、黄沙諸島などの領域問題に加え、中台問題を抱えているわけだ。穿った見方をすれば、北朝鮮のミサイル発射を許容すれば、中国の台湾に対する、台湾の中国に対する、威嚇としてのミサイル実験の応酬にだってつながりかねない。
事を大きくしないこと。それによって、この地域の安定が脆いなりにも維持されてきた。日本は、安保理で北朝鮮制裁決議案の採決を目指している。中国に拒否権を恐れずに日本は強行にいくべきだと思う。中国の拒否権行使に伴う政治的損失の大きさは彼の国自身が最も良くわかっているはず。中国にとっての北朝鮮は米国にとってのイスラエルとは違う。ともあれ、安保理の行方に注視したい。