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Noblesse Oblige

「裕福な者には使命がある」

これからは、使命感をもって活きましょう。もっと、もっと、知りましょう。

戦略コンサル

2012年05月25日 14時30分03秒 | コンサル日記
戦略コンサルといえば、マッキンゼーやBCGを思い浮かべるかと思いますが、アクセンチュアやアビーム等の総合/IT系、PwCやデロイト等の会計系にだって戦略部門はあります。

ところが、戦略といってもその中身は全く違うもので、マッキンゼーやBCGがクライアント先に入り、ヒアリングを行い、仮説検証のプロセスを経てレポートを提供することを目的に活動する一方、それ以外の場合はレポートも作りますが、実際に行動に移します。

ただレポートを提供するだけでなく、言ったことを自ら実践し、実現する。これが戦略コンサルとそれ以外の違いです。


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というのは建前です。

実際は戦略コンサルが提案するような内容、作成するレポートと同等の質を持つレポートや提案はそれ以外のコンサルファームにはできません。
戦略コンサル以外が作成する戦略は、せいぜい実行計画止まりであり、事業計画の域には達しません。
もしそういう仕事がしたいのであれば断然戦略コンサルで働くべきです。

はっきり言ってしまえば、戦略コンサル以外のファームにいる戦略部門の方々は、

1)頭が足りなかったから戦略コンサルファームに行けなかった人
2)戦略コンサルファームにいたけど頭がついていかなかった人
3)戦略コンサルファームでうまくいったからちょっとおバカな子たちに戦略ぽいことを教えてあげようとする人

の3パターンです。

本当に頭の良い人、仕事のできる人なんてのは、本当にごく僅かのほんの一握りの人たちだけです。

プロジェクト日記1:民間企業へのSAP導入

2011年03月05日 12時17分04秒 | コンサル日記
コンサルティング企業は様々ありますが、私が勤務しているところはいわゆるIT系とか、総合系と呼ばれるコンサルティングファームです。故に、対象領域は業務的にも業界的にも非常に幅広く、多種多様な経験ができるわけです。

最近、就職活動をしている方や、コンサルって何?という人からの相談がきます。すでに多くの外資系コンサルファームが今年度の募集を締め切っているこの時期にどうなのかとも思いますが、これから全5回にわたって、これまでの経験を書き連ねたいと思います。視点はあくまで、働きながら感じること。こういうプロジェクトであればこういうことが身につくとか。果たして最後まで書けるかわかりませんが…。そして、文章は相変わらずあまり考えないで書くので汚いです。

~シリーズ~
1.民間企業へのSAP導入案件
2.公的機関の既存システム調査案件
3.BOPビジネスに係る海外調査案件
4.医療機関のシステムリプレイス案件
5.民間企業へのiPhone導入案件

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1.民間企業へのSAP導入案件
SAPとは、ERP(Enterprise Resource Planning)システムを提供する代表的な会社の1つです。ERPとは、「企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念、およびこれを実現するITシステムやソフトウェアのこと。」(IT用語辞典)です。

コンサルタントとして働くためには、会社の仕組や業務の流れを俯瞰的に把握する力が絶対に必要です。どの部門で何をやっていて、それが自部門にどう係るのか、しかもそれが会社全体でどう位置づけられるか。一般的に、こうした鳥の目(メタ視点・木を見て森を見ず)を持つ経営者や管理職の方は少ないです。だから、コンサルタントの仕事がある。

その意味で、ERPの導入とは会社全体の資源配分が適切に行われているかを俯瞰的にチェックするまたとない機会だと思います。

会社の業務を俯瞰する(森)⇒個別の業務プロセスを確認する(木)⇒既存のプロセスとERPを導入した場合のGAPを調べる(森)⇒GAPをどう埋めるかを考える(木)

森を見て木を見て、また森を見て木を見る。

個別の業務を理解することは当然として、その業務が他の何に繋がるのか。それは、ERPを導入する前と同じなのか、それとも違うのか。大きな視野を持ちながら、細かい作業の繰り返しです。

作業は実に地味です。毎日業務の担当者にヒアリングを行います。ERPを入れた場合、業務がどう変わるのか。それがどう影響するのか、あれこれ推測した上で、それでも考え忘れていることはないかを確認します。ここで確認し忘れていることがあると、システムが全て出来上がってから、ここは違うとか、あれば直すべきだというリクエストがきてしまいます。緊張感を持って、それでも何百、何千とある業務プロセスを標準化していくわけですから、急いでやる必要もあります。

SAPは一般的な企業の業務プロセスのベストプラクティスなので、基本的にどの会社に導入しても、そのままある程度は使えます。ですが、個別業務の確認をしていくうち、どうしても既存のこの業務プロセスは変えたくないというものが出てしまいます。その場合には、そのはみ出した部分を追加開発することになります。開発作業は通常、コンサルはやりません。開発業者に委託し、彼らが正しく開発しているかをチェックします。今度は開発者とのコミュニケーションが必要です。

SAP導入で身につく能力は多種多様ですが、やはり幅広い業務知識と業界知識、全体を見渡す力と個別を細かく見るちから。その相関関係を把握する力。そういった力が身についた気がします。