りょーこのマネージャーな日々

ブログタイトル仮変更。子供達のマネージャー状態な日々をダラダラ書いてます。

グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本

2013-03-05 21:06:25 | れっつすたでぃ
読書感想文です。

嫌韓保守派になり、政治・経済・歴史をいろいろ勉強するようになりましたが、それで名前を知ったのが、この本の著者、三橋貴明氏。
中小企業診断士、経済評論家、作家、オフィシャルブログはコチラ
経済にはまるっきり疎い私ですが、最近三橋氏にはいろいろ勉強させていただいております。
この本は最初市の図書館で借りようと思っていたところ、なんと80人以上予約待ちをしておりまして、いつになるか分からない状態だったんですが、たまたまブック●フで見つけたので買って読むことに。

経済に疎い私なので、ところどころ分からない用語などもありましたが、それでも一気に読んでしまう内容でした。
というか…とりあえずひと言で感想を言うならば、「恐怖を感じた」。
さすが、ショッキングな題名なだけはあります。
読まずにはいられないというか。
ちなみに本書は2012年6月30日発行。

日本のマスコミは、韓国の経済発展を賞賛し、日本も見習うべきだと、報道しています。
私もごくごく最近まで、韓国の発展ってすごいんだなって、単純に思っていました。
無知って、本当に、恐ろしいですね…。

引用したい部分が多すぎるのですが…とりあえず、ご存知の方も多いかとは思いますが、韓国の現状をご存知ない方へ、本書から引用させていただきながらまとめてみます。

韓国の李明博大統領(当時)が2011年、アメリカとの自由貿易協定、いわゆる「米韓FTA」の批准同意案に署名。
これにより韓国は、コメを除くほとんどの品目(サービスを含む)で関税を完全に撤廃することが決まった。
この米韓FTAは、簡単に言ってしまうと、2国間のTPP…のようなものですよね?
つまり、韓国がこの米韓FTAでどのような状況になったかを見ていけば、もし日本がTPPに参加した場合どうなるかということが見えてくるわけです。

米韓FTAによる自由貿易で、韓国国内にどのような変化が起こりうるか。
具体的に見ていくと、まず、たとえば、韓国の農協や漁協の共済、郵便局が提供する保険(簡保)は、米韓FTAによって廃止(民営化)されることが決まった。
また、医療分野では、薬価制限にも手が入ることになる…つまり、薬の価格に上限がなくなり、アメリカの医療メーカーが韓国の薬価に対して「これは安すぎる」などと文句をつける可能性が出てくるということ。
また、弁護士業も狙われていて、すでに韓国にはアメリカの法律事務所が多数進出している…これがどういうことかというと、韓国にはすでにアメリカ企業が数多く進出しているうえ、韓国は知的財産をまったく守らない国であるから、韓国企業を片っ端から知的財産権違反で訴えまくれば、莫大な賠償金をとれる。
特にサムスン電子はすでに世界じゅうの企業から訴えられており、2009年時点で訴訟の数は3800件以上にのぼっているので、これからどうなるかは想像に難くない。
つまり、今日本では「TPP=農業問題」というような矮小化された報道がさかんになされているわけだが、実際はそれだけでなく、これだけ国家の主権にすら関わる事象が発生しうるというわけだ。
私もかつてはなにも知らなかったので、TPP、なんか利点があるならいいんじゃないの?くらいの考えでいたのですが、こうしていろいろな側面を提示されると、本当に恐ろしいなと…。

さらに韓国の現状を見てみると、サムスン電子とその関連企業の付加価値だけで、なんと韓国の全GDPの22%を占めている。
韓国の3大輸出企業であるサムスン電子、現代自動車、ボスコの売上規模を合計すると、たった3社で韓国のGDPの30%を占めている。
ちなみにトヨタは日本のGDPの4%にすぎない。
さらには、サムスン電子は54%、現代自動車とボスコの株主も50%弱が外国人という現状。
銀行もかなりの割合を外資が占めている。
韓国はすでに、グローバル資本の植民地と化しているというわけだ。

つまりどういうことかというと、韓国国内において、貧富の格差がどんどん拡大しているということ。
大手企業がことごとく実質の外資系企業になってしまっている現状で、その外国人投資家達は、韓国国内で売上をあげようとは思っていない。
韓国の国内市場では、電機メーカーといえばサムスン電子とLG電子、自動車なら現代自動車というように、ほんの数社の大企業による寡占状態にある。
寡占状態にあれば、韓国国内では競争による値下げ圧力が生まれないので、韓国国民は高い買い物をさせられている。
さらに、国内市場が寡占状態にあるわけだから、労働者の賃金も大企業が主体的に決めることができる、つまり労働者の実質賃金はどんどん下がっていく。
国内の労働者の賃金が下がることによって、寡占企業の商品は国際市場における価格競争力が高まり、それを武器にグローバル市場を開拓していくことができ、最終的に儲かるのは一部の企業経営者と株主だけ、というわけである。
そして大企業は政府と癒着し、政府は大企業を優遇する措置を講じていく(通貨安政策、法人税引き下げなど)ので、ますます国民の生活状況は悪化していく。
それでも韓国国民は見栄で燃費の悪い高級車を買ったり、不動産も買うわけで、家計の負担が増えていくわけだ。
このような状況で、韓国国民が幸せであるはずがない。
自殺者も増え、若者は大学を出ても職がなく将来に夢も持てない。

他にも筆者は、韓国の問題点を多々あげていて、韓流ブームや歴史問題、漢江の奇跡などについても辛辣な意見を述べている。
そもそも韓国は先進国などではなく(知的財産権を守らない以上、韓国は先進国ではありえない)、本来ならば、韓国は「先進国クラブ」であるOECDに入ってはいけない、など。
また、日本の強み(世界一の使いこなし民族)や、また現在の日本に必要なのはなによりもまずデフレ脱却であるということ(デフレを放置していることが企業から体力を失わせている最大の原因)、デフレ脱却のためにすべきこととしてはいけないこと(執筆当時の野田政権はインフレ対策ばかりで、デフレ期にするべき政策ではない)、日本の未来のためにすべきこと(技術やスキル、ノウハウが若い世代に継承されなければ、将来ビルが建てられない、高速道路が作れないといったことが起こりうるし、現に治療を受けようとしても医者がいないといったことは起こっている)などを、具体的に、数値も多数あげながら、述べている。

無知な私には、最初から最後まですべて勉強になったのですが、特にTPPの恐ろしさは身にしみました。
三橋氏は本書の中で、「次期総選挙で自民党が過半数をとるか、もしくは第1党となった場合、日本におけるTPPは終焉を迎える」と書いているのですが、残念ながらそうはいかない流れになってしまっているのが、正直本当に怖い。
昨日TVタックルに三橋さんや自民党参議院議員西田昌司先生が出演していらして、TPP反対派として賛成派を打ちのめしていましたが(某サイトでアップされていた動画を拝見しました)、三橋さんや西田先生が論客として素晴らしいのはもちろんではあるものの、そもそもTPPには賛成できるメリットがないということなんですよね、だからどうやったって賛成派が反対派を論破するなんてできない。
どうか、日本がおかしな方向に進んでいきませんように…。

三橋さんの本は今回初めて読みましたが、動画は今までいくつか拝見していて、どれを見ても理論的、分かりやすく明快、かつおもしろい。
今後もいろいろ勉強させていただきたいなと思います。

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