田中良平 切り絵・切り紙制作所

Ryohei Tanaka`s Killer Cuts&Killing Shapes

妖怪切り絵似顔裏話

2021-05-25 21:58:44 | つぶやき
ワシは「妖怪切り絵似顔」という、変な似顔絵屋をやっている。
お客さんに妖怪の名前がずらりと並んだ「妖怪メニュー」の中から好きな妖怪を選んでいただいて、顔が似顔で、身体が妖怪になるのを切り絵でつくる。
例えば「ろくろ首」を選べば顔は似顔で首がにょろにょろと長い似顔を切り絵で制作する。
名刺大で5分くらいで出来上がる。「河童(かっぱ)」を選べば、頭に皿をのっけた似顔で手には水かきがついているという具合だ。

メニューには30種類くらいの妖怪が記載されている。
個人的にはそこそこ有名なのをのっけているつもりなのだが、このチョイスも難しい。
アンケートをとったわけでもないのだが、
日本人であれば「鬼」「河童」「天狗」は知っているだろう。

この三つは誰でも知っていると言ってもいいと思う。
どんな姿かも想像できる人も多い気がする。
ただ、ワシの似顔は鼻を省略するのでメニューは「カラス天狗」にしてある。
(リクエストがあれば鼻が高い天狗も切ります)
ろくろ首とのっぺらぼう(これこそ似顔のメニューにはないが)も次にくるくらい有名だと思う。
化け猫(猫又)や、狐もかわいくなりやすいので人気だ。

さて、この次あたりから知名度があやしくなってくる。
マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」のおかげで、いわゆる「鬼太郎ファミリー」としてぬりかべ、一反木綿、子泣き爺、砂かけ婆が有名になった。
砂かけ婆のビジュアルというのは似顔絵に使いにくい。
和服を着ている人ってだけになっちゃうのだ。そして切り絵で砂の表現はハードルが高い。
時間的に余裕がないと厳しい。なのでメニューから抜いてある。ほぼ、同様の理由で「雪女」もアウト。しかし、座敷童(ざしきわらし)は入っているという一貫性の無さw。
座敷童は神さまみたいなモノっていう説明がしやすいし、こどものオバケなので可愛くできる。
客商売なので「かわいい」というのは大事なのだ。
ぬりかべと一反木綿は水木しげるの用意した絵面がキャッチーなので、知っている人が多い。
ただ、以前普通に一反木綿を知らないという人に会ったことがあって、けっこう驚いた。

近年ぬりかべには犬のような造形のイメージがあるが、「自分は妖怪が好き」という気持ちを少しでも持っていないと知らないレベルだと思う。一般に浸透しているのはやはり水木の、そしてアニメ鬼太郎のイメージだと思う。木綿もぬりかべもその感じで切り絵似顔をやっていて、顔ハメパネルみたいなオモシロイ仕上がりになるので人気のメニューだ。
蓑を着ていて、杖を持ち、金太郎の前掛けをしている子泣き爺も同じ流れで意外とよくオーダーされる。「油すまし」というのがいて、アニメにも出てくるのだが説明が面倒くさい(知らないからお客さんにどんな妖怪か聞かれる)上に子泣きと恰好がかぶるのでメニューから外された。

メニューの中で個人的に切ってて楽しいのが「豆腐小僧」で豆腐をお盆に乗せている小僧というオバケで映画にもなったのだが、かなり知られていない。何にもしない妖怪という説明もウケるのでメニューからなくならない。

そろそろ、眠くなってきた。
続きはまた。
おやすみなさい。










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