へたれ電脳博物館

昔のAV機器・パソコン等の思い出話です。ただし思い違い、記憶違い多数あり

SHARP VZ-V3

2005-05-13 20:44:59 | Weblog
SHARPのレコード一体化レシーバー。1981年発売。世界初の両面レコード自動演奏機能を搭載している。その原理はふたの部分と裏面の部分の両方にリニアトラッキング方式のアームが内臓されているもので、音質はともかくプレーヤー部分のできはこの手の製品では良くできたほうだった。レコードターンテーブル部を縦にしているので奥行きはないが写真ではわかりにくいが体積はそうとうあるので普通のシスコンと設置面積は変わらなかった。当時のSHARPはオーディオ機器には「オプトニカ」名を使用していたが、Wデッキラジカセの“ザ・サーチャーW”の成功後SHARP名でオーディオ・ラジカセ等の商品展開を始めたころで15万円の値段のわりにはそれなりには売れた。80年代はNECのA-10の項でも述べたようにブランド名の力は相当なもので「オプトニカ」で売り出されたSHARPの製品はデザインの悪さが仇になったのか雑誌等では悪評プンプンだったが、操作部に積極的にマイコンを多用して操作性の向上を目指した結構よい中級クラスのシスコンを中心に商品展開をしていたのですが、時代はチューナー、アンプ、ターンテーブルなどを自分の好みでくみ上げる高級セパレートコンポ志向派とラジカセ、レシーバー、ミニコンポなどのライト感覚で音楽を楽しむ派との二極化が進む過程でSHARPもこのVZ-V3後はラジカセ、ミニコンポ等に特化する方向に向かいました。形状はレコード一体化レシーバーですが内部的には「オプトニカ」の中級クラスのシスコンの流れを汲むものでそれなりの音を出してくれます。15万円は少し高いですが気楽に音を楽しむというコンセプトはその後のSHARPのラジカセ、ミニコンポ路線の成功を見るとこの機種の意味合いは大きいと思います。ただ各部の耐久年数はそれほどではないので今日では完動品が少ないのは残念です。