一言、「ガクが曲がっているだろ！」

夜１０時、新入社員の俺が残業していると、
何やってるんだと、大先輩が覗き込んできた。

「明日の会議の資料作りです。
営業から、追加資料を頼まれました。」

「そうか。」といって、資料を見ているうちに、
見る見る顔色が変わってきた。

「あっキーン、いい加減にやってるのか。
このホチキス止めは何だ！」

「やり直し。」

一部だけ、ホチキスを外して、斜め４５度に再度止めたものを
作っていった。
そして、オフィスにもどり、カバンをとって、
「では、よろしくお願いします。」って言って、
帰っていった。

すっげーむかついた。
それから更に１時間以上残業して、
社員寮に帰って、ビール飲んで寝た。

次の朝、先輩女子社員に、昨日の夜のことを愚痴ってやった。

そしたら、
「そんなことは、秘書検２級レベルの話でしょ。
そんな事も知らないで、仕事してるの？
怒られるの当然でしょ。」ってさ。

げっ、ホチキス止めに根拠があって、
しかもそれに基づいて指摘を受けたのか。


またまた、数日後あの大先輩に会ってしまった。
何か言われそうと思いながら挨拶すると、
「ちょっと来い。」と言われ、オフィスへ、

「何か気がつくことないか。」

この質問の意図、原因、根拠、など混乱しながら、
「別にありません。」

一言、「ガクが曲がっているだろ！」

「あっ、ハイ」とほんの少し直しながら、
そんなの知るか、しかも自分のオフィスだろ、お前が直せ。
と思いながら、、、

数日後、現場の整理整頓の現状を見て、
こういうことか。と実感した。


でもでも、今思うと、絶対あの頃は、俺のことをからかってた。

俺が営業部長になった頃、飲み屋で思い出話をしている時に聞いてみた。

笑って、「あの頃、お前は可愛かったからな～」って言われた。

お銚子の最後は自分の杯に。。。
お互い笑いながら飲めるようになった。

習慣化するための学び方が日々のコミュニケーションを決定づけるかも