四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

※※※ 日曜の朝の一服の清涼剤にと… ※※※

2007年07月22日 | Weblog
「第二部 108寺歩き遍路の総括(番外『鶴と亀』)」

副題:「土佐入りの復習の前に…知ってますかぁ~?『鶴と亀!?』」

歩き遍路2回の「通」であるKoyamaさん!知ってますか?「鶴と亀」!

歩き遍路の方は、実は、ご存知な方は意外に少ないのでは?と思うので、
ここでご紹介しておこう。(確かまだ紹介してなかったと…)

20番「鶴林寺」の朱印は、名前の由来の通りか「鶴」である。
そして39番「延光寺」は「赤亀山 延光寺」であり、「亀」である。

足摺岬からの打戻りの途中、早朝久百々を出発し、時折豪雨・雷雨に
見舞われる中、偶然に三原村から同行したSさんと一緒に歩いていた
九州の高野山真言宗の寺の跡取り僧侶の方(26歳)と、
3人で歩いていた時の事だ。

若い僧侶の彼が…
「ようやく延光寺ですね。「鶴亀」を仕上げなければ!」
と話し始めた

「んっ?何のことですか?」と、聞いてみると、

「ご存知なかったですか?」と…意味深げに…
「勝ち誇ったように言うなよぉ~」って…
(実際は、彼はそんなに嫌味ではなかった!)

「白衣の~背中の「南無大師遍照金剛」の左右に、鶴林寺と延光寺の
2つの寺だけ、つまり、右側に鶴林寺の「鶴」を打ってもらい、
今日これから行く延光寺の「亀」を、左側に打ってもらう
(押してもらう)と。「鶴亀」完成なんですよ~」

「そうすると縁起の良い『鶴亀』の仕上げって感じで、ちょっとお洒落~!
だったりして。よく知らないですが、流行っているらしいんです」って
笑っていた。

苦しいそして寂しい、歩き遍路の「小さな楽しみ」であるのだろうか。
まあ「鶴亀」は、確かに「縁起が良い」と言うことなのだと…

普通は、白衣を版衣として、全部に押してもらうのが一般的だが、これは、
死ぬ時にお棺の中に入れるとか、様々な風習のようなものがあるとは思うが…

こんな風習(鶴亀)など昔からあったのだろうか?と思ったが…

そうではなく普通に「お参りする時用の白衣」の背中に、
ゴテゴテ(失礼!)多くの朱印を背中に押したものを着て歩くのではなく、
確かに、スマートな印象も感じる。

誰が始めたのは知らないが、一種の「洒落」「流行」なのかも知れないが、
普段のお参り用の白衣に、2つだけ「シンプル」に「鶴と亀」を押したもの
を着るためだと言う。

そう言えば、これまでの寺で、バスの団体さんのお婆さんに会った時、
彼女達の白衣の背中に、何故か、南無大師遍照金剛の左右に1つずつ
「何の印かは判らなかったが」押してあるのを見かけた気がする。

「何で、2つだけしか押してないのだろうか?」と不思議な気持ちで見て
いたのだ…

そう話すと…

「そうなんですよぉ~その後、何度かバスの団体のお婆さん達を見かけた時、
なんとなく見たら、結構『鶴亀』多いんですね~ちょっと、お婆さん達の
『流行』かと思うと「ちょっと、がっかりしたりだったりして…」って」
と、彼も苦笑していた。

しかし、それでも彼は、お坊さんらしく、立派なお参り(素晴らしい声で
のお経)の直後、延光寺でしっかりと!現代の若者に戻り!(笑)
「鶴亀」を(納経所で依頼して)仕上げ、満足そうに雨の中、ザックに
仕舞っていた。

「最初、僕も、鶴林寺に登る時に一緒に歩いていた人に聞いたので、
慌てて、その時着ていた汗まみれの白衣を脱いで、納経所で、
『これに押してもらえますか?』って聞いたら、
『乾くまで今日は着れないよ』って言われたんですが、
その後、毎日来て、毎日洗濯しても、消えないんですね!これ!」

って、彼もまんざらではなさそうだった。

私も、ちょっと悔しかったが…
今更「鶴林寺」に戻る事は出来なかったし、真面目に、じゃあ!私は
「鶴」は駄目でも「亀」を南無大師遍照金剛の左右に2つ打って貰うかな?
なんて意味の無い事を瞬間考えたが、アホらしくなって止めた!

そうは言っても、これから回られる方は、「鶴亀」を是非!
お洒落かも~

でも、歩いている時は、重たいザックで、ほとんど見えないのです。
ツアーのお婆さん達は、ザックなんか持ってないからOKなのでしょう!

でも、歩き遍路も、寺に着いたらみんなザックを降ろすので、
お参りする時に、チラッと…

そしたら、「お兄ちゃん!私と一緒!」って…
お婆さん達に、モテるかも…(爆笑)

香川に入り、実家に泊まった時に、そっとこの話「噂」を母に聞いてみた。
『「鶴亀」って知ってる?』って…
母は知らなかった…
実は、小豆島88箇所というミニ遍路があるらしく、
3泊4日の日程で、毎年バスツアー10回以上参加の母は、
高齢者の先達の誰かに推薦され、最近小豆島遍路のためのものかは不明だが、
あの「先達」の免状を持っていた…その事の方が、私には驚きだった…

「鶴亀」は、意外に「通」な情報かも知れない。
出発前、私が、事前に調べたインターネットでも、遍路関連の本でも、
見た記憶は無かったのだ。

私が!事前に知っていれば、間違いなく「鶴亀」はやっていただろう!(笑)

だからちょっと悔しい…

今日はこの辺で。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (歩かない遍路 らいた)
2007-07-22 10:40:34
 鶴亀いいですね。少欲知足。小さな楽しみなら、すぐかないます。88箇所の長い道のりの中でそう言うのを見つけた人が偉い!
 私は白衣(おいずる)に全部押してもらいました。納経帳は300円かかるので200円でいいやと、おいずるにしました。寺の印を彫っているのも、次ぎ回るとき自分で押せると考えたからです。納経したことに対する領収印なのだから、向こうが払えよとさえ考えている次第です。
  
返信する
こんにちは。歩き遍路を (KOYAMA)
2007-07-22 16:14:17
確かに2回しましたけど、全然”通”なんか
ではありませんヨ。まだまだ知らないことが
一杯ありますし、未経験のことがまだまだ
あります。

ところで、鶴亀の話ですが、知っていました。
少なくてもネットでの情報ではなく、何処か
の書籍でチラッと見かけた程度です。だから、
本屋での立ち読みだったかも知れません。

歩き遍路で私なりに考えて実行したのは、
以下の3点でした。
1.自家製(180cm、直径3cmの棒に一工夫)の
 金剛杖を作り、それを使ったこと。
2.本当に写経を”納経”したこと。
3.歩きに拘りすぎないようにして、車の
 お接待も有難く頂戴したこと。

歩く時に嵩張って、かつ神経も使わないと
いけない掛軸や白衣は最初から考えません
でした。偶然かも知れませんが、白衣に
朱印をいただいている方を殆ど見かけません
でした、掛軸の方はたまにいましたけど。

鶴林寺の鶴と延光寺の亀は、遍路の途中に
設けられている小さな”ご褒美”と考える
のは無理やりでしょうか?焼山寺を無事に
お参りしたあと、太龍寺の前で”阿波も
もう少しで終わるよ、頑張って!”であり、
菩提の伊予に入る前に、”土佐は長かった
ネ、お疲れ様でした。”なのではないで
しょうか?

番外のいいコラム?でした。
返信する
おいずる (スーパー健脚(自称それも元))
2007-07-22 23:00:41
白衣(びゃくえ)について、「おいずる」という表現は、実は今日初めて聞きました。ウィキペディア(インターネット上のフリーの百科事典のようなもの)でさえも、なかなか見つからない表現なのですね。
やはり、とても奥が深いと…この世界は。
返信する
苦渋を背負っての人生になるかも・・・ (横浜天恢)
2007-07-22 23:06:59
鶴と亀のお話は、朝の一服の清涼剤となりました。私の場合は年金生活者ですからサンデー毎日なので、日曜の有難さが身に沁みません。縁起が良い話ですね。私の短い阿波一国参りの遍路の記録中、阿波にはやたらに「楽」の付く寺が多いなと思ったのです。確かに人間は苦より楽したいですよね。それで縁起の良い文字を持つ寺名を探しました。「楽」が五寺(2番極楽寺、6番安楽寺、7番十楽寺、14番常楽寺、30番善楽寺)、「金」が四寺(3番金泉寺、26番金剛頂寺、38番金剛福寺、76番金倉寺)で、5+4=9寺で奇数になるので、「延命」(64番延命寺)、これで≪五楽四金延命≫と名付けました。
まぁ、左に5寺、右に5寺の10寺は多すぎる批判も出るかも知れないので、命を延ばして(64番延命寺)、金倉建てて(76番金倉寺)、常に楽して(14番常楽寺)、遊ぼう(58番仙遊寺)で、名付けて≪延金楽遊≫で、これぞ究極の縁起モノです。

そんなことを一生懸命考えていたら、ふとおのれ自身の浅ましさ、不遜、欲張りを感じざるを得ませんでした。八十八ヵ所参りで至福の功徳やご利益が得られたはずなのに、さらにそれ以上のモノをねだるとなると、衛門三郎さんじゃないけど、お大師さまから少し修業してこいと裸にされて追い出されるかも知れません。命は天命、人生は長生きすることじゃありません。如何に生きたかが常に問われるのです。
それに「亀」が付くお寺は3番亀光山金泉寺があります。鶴亀なので、20番鶴の後の39番の赤亀さんが選ばれたのでしょうか? 鶴さんと二匹の亀の三角関係なんて洒落にもなりません。鶴亀は、たかが縁起話ということになると八十八ヶ所に二ヶ所をくわえれば90(くじゅう)、90が苦渋や苦汁となって、それを背負っての人生になることも考えられ、果たしてそういう『流行』は、お勧め出来るかどうかは本人次第となるでしょう。









返信する

コメントを投稿