S&R shudo's life

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真冬の狂想曲2-4

2006-07-07 09:33:19 | 真冬の狂想曲
2-4
 行橋駅の構内の時計を見ると13:32になっていた。視線をずらし、電光掲示板を見る。
13:46の博多行き特急ソニックが次の上り列車だ。これに乗れば小倉に2時前に着く事が出来る。俺はみどりの窓口で切符を買い、そのソニックに乗った。

 10分程で小倉駅に着いた。一旦改札を抜け新幹線乗り場のほうに歩いて行く。
みどりの窓口の前のベンチにノブが座っていた。紺のスーツに黒のハーフコートといったいでたちだ。
「松は?」
「今用意してるんで、もう来ると思います。」
俺に2時までに来いと言っておきながらこれだ!まーいつもの事だが。
「明彦は?」
ノブはあきれた顔で溜息をついた。
「明彦君は用事で来れんそうです…。」
「なんで松の舎弟の明彦が来んで、幼馴染と社員がヤバイ橋渡らないけんの?なーノブ。」
「そうですよ、俺達、もーヤクザじゃないんですよ!」
そうだ、俺達はいまや只の一般市民でちゃんとした仕事も家庭もある。しかし俺もノブも、なかなかアッチの世界を綺麗に抜け出せないようだ。
「まーパクられるときは、ノブ頼むぞ。」
俺は笑いながら言った。
「嫌ですよ!そん時は俺逃げますよ!」
ノブも笑いながらそう言った。
「お前、松ん所の社員やんか!お前は逃げられんよ。しっかりパクられちょけ!」
「首藤さんこそ幼馴染やないですか!」
俺達はなんやかんや言いながらもこの状況を楽しんでいた。人間はなかなか変われないって事に気付き、諦めた。

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