goo blog サービス終了のお知らせ 

新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 オドリバエ

2019-04-13 08:14:23 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第9弾


4月4日にマンションの廊下を歩いて見つけた虫の続きです。マンションの仕事でばたばたしているうちにもう9日も経ってしまいました。この日はオドリバエの仲間が多くて、片端から撮ったのですが、後で見ても違いがよく分からず、整理に時間がかかってしまいました。でも、とりあえず、この日撮ったオドリバエをセダカバエ科1種とオドリバエ科Rhamphomyia属7種(♂と♀はとりあえず別種としています)に分けてみました。合っているかどうかはさっぱり分かりませんが・・・。






まず最初はこのオドリバエです。弱っているのか、こんな格好でじっとしていたので採集しました。かなり大きな個体で、体長は7.7mm、前翅長は6.4mmでした。





これは横から見た写真と翅脈です。非常に特徴的な翅脈をしています。dmと書いた中室から2本しか翅脈がでていません。また、cuaと書いた肛室がかなり大きいのも特徴です。こんなところを気をつけながら、いつもお世話になっている、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」という三枝豊平氏の科研費の報告書(この題目で検索するとpdfがダウンロードできます)に載っている検索表で調べてみました。その結果、Ocydromia属になったのですが、この名前で検索をすると、「一寸のハエにも五分の大和魂・改」で同じ質問をされている方がおられました(いつも私がお世話になっている方です)。どうやら、Ocydromia属ではなく、Syneches属のようです。どこで間違えたかというと、口吻が前方を向き、一般に長いか、口吻が下方を向き常に短いかというところです。私は横から見た写真から後者を選んだのですが、この口吻の向きと長さはいつも間違えてしまいます。後者はHybosなどを含み、はるかに短い口吻だそうで、ここでは前者を選ぶべきだったようです。「日本昆虫目録第8巻」によると、Syneches属は現在はセダカバエ科に入っていて、日本産は9種、そのうち、本州産は3種。このうち、grandisとrufitibiaの2種については「新訂原色昆虫大図鑑III」に検索表が載っています。残りのmaculatusはヨーロッパからアジアにかけて広く分布するmuscariusと同一だろうということで、これはネットで情報を得ることができます。この種は翅に斑紋のある種なので、明らかに違いそうです。ということで、現在は検索の結果到達したrufitibia(スネアカオオヒロバセダカバエ)ではないかと思っています。「大図鑑」には再記載されているので比較すると、M1+2脈の長さが中室の長さの1.5倍というのが実測では1.2倍になるところが違いましたが、後はだいたい合っているようです。おそらくこれだと思われます。ただし、日本産セダカバエ科の解明度は20%だと言われているので未記載種かもしれませんが・・・。この個体については後日詳しく書きます。



次からは小型のオドリバエです。翅脈からいずれもRhamphomyia属だろうと推定されます。採集していないので、細かいところはよく分からないのですが、何となく外形的な違いから7種に分けてみました。ただし、♂と♀で外形が違うので別種としています。まずこの写真の個体は透明の翅を持つ種です。離眼的なので♀かなと思っています。これをとりあえずAとしておきます。









次は翅が褐色の個体です。前2枚と後ろ2枚は別個体です。これはBです。



これは腹部末端が大きく曲がっているので、♂だと思われます。これがCです。



次は腹部末端が単純ですが、合眼的なので♂です。これはDにしていますが、個人的にはAの♂かなと思っています。



この種は翅脈がちょっと変わっています。



M脈のところがちょっと変で、中室が閉じていません。なおかつ♀です。♀がこういう変わった脈を示すのはMegacyttarus亜属だったのでひょっとしてそれかなと思っています。これがEです。





次はこれです。このオドリバエは前・中脚の跗節第1節と第2節がやけに太くなっています。それでこれをFとします。





最後はこのオドリバエです。頭部の後半と胸がともかく変な感じです。それで一応、採集しました。



その変な部分を拡大して見てみると、こんな羽状毛でした。こんなタイプの毛はオドリバエの♀でよく見かけます。ただ、♀にしては腹部末端がかなり変わっています。



これは翅脈です。CuA+CuPが翅縁まで届いているのか、途中で折り目になっているのかよく分かりませんが、それを除くと翅脈は正常な感じです。これをGとしておきます。これについても後日詳細を載せます。

という具合で何の気なしに見ているオドリバエですが、実は、いろいろな種が混じっているようです。Rhamphomyiaの亜属の検索表があるといいのですけど・・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。