珈琲舎ロッセ コーヒーマニアックス

珈琲舎ロッセでのつれづれ

ハンドピック(選別の極意)

2012年04月23日 00時35分34秒 | つれづれ

ハンドピックの極意は...

ぼんやりと見つめることです

はぁ?って思うでしょうけど(笑)

機械にプログラミングしても絶対に出来ないのがハンドピックです

その基準を細かくすればどの豆も違ってしまうでしょうし

大きくしても、選ぶことは困難です

人間はそんな難しいことを経験を積む事で何気なくさらっとこなしてしまいます

凄いことなんですよ、本当は

自分がではなくって、人間の能力が(笑)

で、豆を見つめ過ぎてしまうと基準となるものが良くわからなくなってしまいます

色見にしたって、ふくらみ具合にしたって、ほかと違う豆にしたって...

ぼんやりと見つめることですぐにわかるんです

ぼんやりと眺めるのではダメなんですよ

集中力を持って全体を見つめるのです

一点集中じゃないっていうニュアンスでしょうか

そうすると、サササッと豆を動かしたりしていても

必ず目に留まるんですね

行き過ぎちゃったときにはちょっとバックしてもう一度

こんな感じでスムースにハンドピックが出来るんです

もちろん、ゴマ粒のような小石が混ざっている豆のハンドピックはいつもより時間がかかりますけどね

 

そうそう、大切なことをもう一つ

選別中には目を離さないことです。

ちょっと目を離しただけで、基準となる色見の基準が大きく変わって(無くなって)しまうのです。

人間の記憶力というのはかなりいい加減なものなので、すぐに忘れちゃうんですよ。

記憶は自分が思っているよりも、かなり不確かなものです。

特にそれが細かい情報なものならば細かいほど細部に関しては

だから、嫌なことがあったって忘れることができるですね

逆に、忘れる能力があるって言った方がいいかもしれない

そんなあやふやな部分があるので、途中で目を離してしまったら

はじめに戻ってもう一回

集中してチャッチャッとね!


ハンドピックについての考え方

2012年04月21日 04時06分06秒 | つれづれ

時々お客さんに聞かれることの一つにハンドピックについてがあります

 

どんな基準で?

 

と言えば

 

どうしてもピックアップしなくてはいけない豆

 

また、その影響がとても大きい豆(もし混入していた時にはその味、香りなどが大きく影響してしまう)

 

石などの異物

 

は、ピックアップしています。

 

それ以外については全ては取り除きません

 

それこそ経験に裏打ちされたバランス感覚で決めています

 

それは、ピックアップするにしても潰して香りや潰れ具合を確認します

 

潰れ具合によっては、硬い豆なのかどうか(よく焙煎できているのか)...

 

指で潰れないほど硬いのは煎れていない豆なのです

 

香りは他の豆と同じなのか...

 

その見た目と香り、潰れ方で良い豆かどうかの判断材料としています

 

また、人間と同じで色々有っての珈琲の味わいなのです

 

悪いところを全て取り除いてしまっては

 

あまりにのっぺりした味わいになってしまって

 

深みやおもしろみに欠けてしまいます

 

特に豆の大きさが不揃いな、マンデリンやモカ

 

これらの豆は良い豆だけでなくグレーゾーンの豆をどのくらい残すか

 

それによって(そこはロースターの腕の見せ所なのですが)味わいが大きく異なってしまいます

 

全て取り除いてしまった豆が本来の味ではない事が容易に想像できると思います

 

例えば、みかんを食べる時

 

傷んでしまった房は食べませんよね

 

これがピックアップする豆です

 

でも、不揃いだけど小さい子どものような房は食べますよね

 

ちょっと酸っぱくって若い味わいだけど捨てる事はしませんよね

 

それはそれでみかんの味の一つです

 

これはピックアップしない豆です

 

でも、あまりに未熟なものはピックアップしますけど...

 

そのバランスを経験で磨いていくのです

 

そうして出来上がった豆がロッセの珈琲となっています

 

巷ではダメな豆は全てピックアップ

 

でも、なにがダメな豆?と思ってしまいます

 

また、ピックアップした豆はゴミではありません

 

有機物ですので有機肥料の元になりますよ

 

ロッセでは捨てずに、家のコンポスト化容器に入れています

 

いつの日か土に戻って無駄にならないように

 

せっかく多くの人の手を経て海を渡ってやってきた貴重なコーヒー豆ですからね


焙煎具合

2012年04月08日 01時56分39秒 | お知らせ

今回はロッセのコーヒーの焙煎具合について、またそのコーヒーについて書いてみようと思います

 

よく焙煎具合は何ローストですかと聞かれます。

 

(実際にはシティーローストあたりかなって思っていますが、直火式の釜のシティーと熱風式の釜のシティーでは色味が違います)

 

そんな時、色の具合での焙煎はしていないんですよとお答えしています。

 

では、どういうところで焙煎しているのか、どんなコーヒーを目指しているのか

 

今思っているところを書いてみますね

 

シンプルに言えば

 

芯まで火がよく通ってふっくらと膨らんでいること

 

ここを目指しています

 

芯まで火が通る...

 

これは豆の芯に香りが出るところがあるので、そこに十分火が通るように焙煎します

 

ふっくらと膨らむ...

 

これはふっくらと膨らんだコーヒー豆がおいしいもの、そしてロッセらしい焙煎具合と思っています

 

ローストポリシー

 

豆ごとにそれぞれの焙煎をするのか

 

それともロースターの個性を出した焙煎をするのか

 

自分は後者でありたいと思っています

 

例えば、ハワイコナ

 

強い酸味を感じたいお客様もたくさんいらっしゃいます

 

が、ロッセでは(自分が焙煎するコーヒーについては)もう少しふっくらと膨らんだちょっとまろやかなハワイコナを焙煎したいと思っています

 

酸味を多く残して焙煎するにはやはりちょっと浅めに焙煎しなくてはなりません

 

そうなると今よりも少し硬い焙煎具合になり、味も少し硬めの味わいになります

 

これもおいしいと思いますが、自分はふっくらと膨らんだハワイコナがロッセのローストだと思っています

 

また、コーヒーの味わいについてお伝えしたいことがもう一つあります

 

それは、同じコーヒーでも味はいつも違っているということです

 

そして、それが自然な事なのです

 

コーヒー豆は農産物なのであって、工業製品ではありませんからね

 

また、産地によって

 

産地は同じでも農園によって

 

農園の中でも育った場所の条件によって(日当たりなど)

 

生豆のコンディションはそれぞれ違ってくるのです

 

同じ生豆でも収穫後経過した時間によっても違ってきます

 

(同じロットでしたらだいたい同じような焙煎具合に仕上がりますが全く同じということではありません)

 

人間の味覚でさえも季節や健康状態によっても大きく違ってきます

 

そんなことから、その豆その豆で焙煎の仕上がり具合が異なってきてもそれでいいのだと思って焙煎しています

 

それは、例えば理想のリンゴを育てたいと思って丹精込めて育てても

 

いろいろな条件によって、年毎に収穫できたリンゴが違ってくるのと同じことです

 

同じ事よりも、違う事のほうが

 

その年その年の味わいが、それぞれ味わえることが本当に素敵な事でしょ!

 

季節によって

 

また豆によって

 

その時その時の

 

ロッセらしい珈琲のおいしさを

 

お客様にお届けできるよう頑張って焙煎してまいります

 

だから、いつでも愛をこめて焙煎中!