
箴言七カ条
先日葬儀を出された方のご遺族さまから、遺品の額を見せていただきました。
85歳で亡くなられたこの方は早くから料理の道を志し、多くの先生方のもとで研鑽を積んだのだそうです。長く料理学校の先生もされた方でした。
忙しい中にあっても、ボランティアでケーキを作って施設にとどけたり、近所の若い方々を対象に自宅で料理教室開いたりと精力的に活動された方だったそうです。
旦那さんの一周忌にあわせて生前戒名をつけさせていただくことになり、いろいろとお話を伺いましたが、「愛子」というお名前の通り、誰に対しても愛情深く接する方のように思われたことでした。
「箴言七カ条」と書き記されたこの額、料理研究家・田村魚菜さんが書かれたものです。
田村魚菜さんのもとでも、しっかりと勉強をなされたのでしょう。箴言七カ条という額を付与されたのも、その証なのかもしれません。
箴言七カ条
一、家庭料理の本質は 気を配ることである
一、おいしい料理ほど すべてが自然である
一、正しい姿勢から よい料理が生まれる
一、調理のきめ手は 塩かげんにつきる
一、火かげんも 味のうちである
一、盛り付けは 色彩とアイデアが秘訣である
一、食卓の演出も 料理である
料理研究家、田村魚菜が昭和24年、自由が丘に『自由が丘お料理塾』を開設。
昭和30年9月、現在地に学校法人 魚菜学園『自由が丘お料理学校』を設立。
NHKの放送開始当初からテレビのお料理番組に出演しました他に、テレビ朝日の『桂小金治のアフタヌーンショー』などを通して、食生活の向上につとめ、現在の料理番組の先駆者となりました。
60年間で卒業生は、延べ16万人以上の伝統と実績のあるお料理学校です。
創立者の理念である『美味しい料理は愛情から』をモットーに、日本・西洋・中国料理の基礎と、現在見直されている家庭料理の大切さを丁寧に指導しております。(以上、ホームページから)
住職も子供のころ、テレビで見たことがあるような気がします。「奥様!」とブラウン管の中から呼びかけながら料理を作っていたような・・・・・
土井勝さんとか、江上トミさんなどと並んで、テレビを通じて日本の家庭料理の充実に努めたかたのひとりでありましょう。
箴言七カ条は、その永い料理人生から自然に体得された言葉なのでしょう。
一つのことを極めた方の言葉は、万事に通用するとはよく言われることですが、精進料理の世界にもそのままで通用するところですし、
この七カ条にある「料理」などの部分を他の言葉に変えれば、さらにさまざまな事柄に通じますね。
たとえば、上長として部下を指導する立場にいる方には
一、指導者として最も大事なことは気を配ることである
一、素晴らしい指導者ほどすべてが自然である
一、仕事に向かう正しい姿勢からよい指導が生まれる
一、指導の決め手は怒り加減につきる
など・・
みなさんも下の@のところに、自分のいまの状況を当てはめてみてはいかがでしょうか。
教えられることのたくさんある言葉と思います。
一、@@@@の本質は気を配ることである
一、すばらしい@@@@ほどすべてが自然である
一、正しい姿勢からよい@@@@が生まれる
一、@@@@のきめ手は@@かげんにつきる
一、@@かげんも@@@@のうちである
一、@@@@は@@@@が秘訣である
一、@@の演出も@@@@である
今日はここまで。