ある税理士のつぶやき(旧:とある明石の弁護士、つれづれ日記)

弁護士(りんどう法律事務所)を廃業し、現在、姫路市で税理士をやっています。折に触れ、生活情報等をつぶやきたいと思います。

詐欺メールにご注意ください。

2014-12-26 11:32:53 | 社会・経済
皆様のところに以下のようなメールが届いても、慌ててはいけません。
連絡してはいけません。
連絡すると、余計不安を煽って、お金を要求されます。

また、一度支払うと、再々要求してくることが多いです。
払ってしまってから、警察沙汰や裁判沙汰にしても、お金が戻ってくる可能性は少ないです。
無視するのが一番です。

IPアドレスに関する情報は、プロバイダーが厳重に管理しているので、自分で住所を書き込んだりしない限り、詐欺サイトにアクセスしても、住所や名前が詐欺の犯人に知られることは、まずありませんので、放置しておけば電話連絡や、郵便が来ること無いでしょう。
来ても、覚えが無ければ放置・無視、「警察に言うぞ」で構いません。

ただし、裁判所から、「訴状」という書き留め郵便、支払督促という書き留め郵便が届いたら放置していては駄目です。
決められた期限内に、「裁判所」に書面を回答しないと、判決等を取られてしまうことがあるのでご注意下さい。
この場合も、返事をするのは、あくまで「裁判所」に対してで、直接業者にする必要はありません。
「裁判所から」を名乗って、裁判所でないところに連絡させようとする詐欺集団もいますのでご注意下さい。
裁判所が、訴状や支払督促を、「とにかく一度電話連絡してください。」というような書面と一緒に送付することはありません。
それは裁判所からではありません。
ご注意下さい。

実際の詐欺メール
↓↓
ご連絡失礼致します。
何度かお客様へご連絡をさせて頂いておりますが、 御連絡がないまま放置をされている状況が続いております。
今回お客様がご利用の
インターネットコンテンツ会社様より当社に調査依頼がありました ので御連絡させて頂いた次第でございます。
(株) メイクピースと申します。
委託先の運営会社様が裁判による法的手続きの訴訟準備期間に入り ました事をお知らせ致します。
このままご連絡がつかない場合や、 お支払の意思表示が無い場合等、すみやかに身辺調査、 後に管轄裁判所への訴訟申し入れという形になりますのでご注意く ださいますようよろしくお願い致します。
尚、本日が弊社委託期限の最終日となります。
弊社と致しましては、 法的手続きではなく双方お話し合いでの解決が望ましいと考えてお りますので本日弊社営業時間中に必ずご連絡、 ご対応の程よろしくお願い致します。
また、 先日弊社の社用PCからメールをお送りさせて頂いたところ、 ご連絡が無かった為ドメイン指定を考慮した上で社用携帯電話から この度再送信させて頂いております。
会社名: (株)メイクピース
担当者: 上条
電話 : 03-6895-2471
営業時間:10:00-19:00
※ メール等でのお問い合わせ等は一切お答え致しかねますのでご了承 願います。







レオパレス訴訟和解のご報告及びサブリース契約をしようと思っている方へ

2013-08-06 03:17:31 | 社会・経済
 なかなかブログが更新できずに済みません。
 コメントでもリクエストのありましたレオパレスとの訴訟が和解となりましたのでご報告いたします。

 まず、訴訟に至った事実関係を簡単に説明しておきます。

 物件は、平成7年にレオパレスが、一括借り上げを前提として建築した木造アパートです。
 アパートの建築時の説明は、建築したアパートは30年一括借り上げをするというものでしたが、築16年目の平成23年11月30日、レオパレスから一方的に解除されたものです。
 レオパレスから平成22年12月に家賃減額の要請があったのでこれに応じた後、1年もたたない平成23年8月にレオパレスの社員が解除を言いに来たものです。
 当初の30年一括借り上げは口約束でしたが、「レオパレス共済会」に加入した際、平成32年3月まで借り上げをするという「約定書」を締結しています。
 そこで、オーナー側は「解除はできないはず。」として、合意解除に応じなかったところ、2か月後の10月に一括借り上げが終了するとの内容証明がオーナーのもとに届き、10月末までに住居者は全退去となり、11月から家賃は振り込まれなくなりました。
 オーナー側は、3000万円超のローンが残った状態でした。
 そこで、オーナー側が、平成23年10月25日、神戸地方裁判所姫路支部に訴訟提起したものです。
 訴訟での当方及びレオパレス側の主張については、
 当ブログの http://rindou-lawoffice.blogzine.jp/blog/2012/08/post_ec3e.html をご覧下さい。


 長い訴訟の結果、平成25年7月17日、レオパレス側と和解が成立しました。
 和解が成立したということで、
 当方は、レオパレスの解除を認める、レオパレス側は一定の解決金を支払う、ということになりました。
 なお、解決金の額は、和解の約束で、公開することはできません。
 これは、当事務所に個別に電話を掛けてこられても同じです。ご了承下さい。

 当職の裁判の感想としては、レオパレスが解決金を支払ってくれたことで、同社の一定の誠意は見られたと思います。
 しかし、オーナー側に何ら債務不履行がないのに、サブリース業者側から一方的に解除できるということについては、やはり不当、いや違法な行為という思いはぬぐえません。
 それを明確にできなかったことは、この裁判が難しかったことを物語っています。
 ただ、最初は、当職一人で行っていた訴訟ですが、途中で他の先生の助力を求め、弁護団という形で対処し、一定の成果を出せたこと、また本件でサブリースに関する法律的問題点や訴訟における問題点が明らかになったことは、サブリース問題に対処する上で、一つの財産になったと思います。

 本件は、「業者からの一方的解除」というかなりドラスティックな問題でしたが、サブリースには、家賃減額問題、保守契約の一方的変更の問題、またアパート請負契約時の問題、アパートの品質問題等、まだまだ様々な問題があります。
  そして、それはレオパレスだけでなく、大東建託、その他のサブリース業者にも存在します。
  そのような問題が生じる根本は、現在の法律では、サブリース、特にアパート建築請負・賃借一体型のものは、単に請負契約と賃貸借契約の問題として扱われ、しかも賃貸借場面では、業者が法律で保護される賃借人として扱われるという、実態に合わない形でしか、法律が適用できないということにあります。
  ですので、現在のところ、オーナー、またはオーナーになろうとする方が、契約に入る前に自己防衛をする必要があります。
  そのためには、業者に十分に説明させることです。以下の視点が必要だと思います。
 
  1.請負契約は途中解除できるのか。
  2.途中解除した場合に違約金等あるのか。手付けはどうなるのか。
  3.一括借上は解除されることがあるのか。あるとしたらどのような場合のなのか。
  4.解除した後の居住者との関係はどうなるのか。
  5.解除になった時のアパート内の付属物はどうなるのか。
  6.家賃保証何年なのか。
  7.家賃保証期間中に減額されることはあるのか。減額されるとしたらどんなときなのか。減額率の上限はあるのか。
  8.建物の保守(修繕等)はどなるのか。保守契約の見通しは大丈夫なのか。変更があることはあるのか。
  9.オーナーに新たな負担が発生することはないのか。どんな負担が予想されるのか。
 10.新たな負担が必要になった時に、それを承諾しなかったらどうなるのか。
  
  できれば、上記の説明を書面でしてもらうべきだと思います。
  また、サブリースの物件は、建築後直ぐに業者(=建築者)に賃貸されてしまうので、建物に瑕疵があったとしても所有者たるオーナには分かりません。
  分かるのは、サブリースが終了して、建物を返還された時、という事にもなりかねません。
  そこで、できれば、アパート建築後、オーナーが検査できる期間を設けてもらうべきです。
  しかし、建物の瑕疵は、ある程度住み続けた時に、居住者が気づく事が多いので、短期間の検査では全ての瑕疵が明らかになるとは限りません。
  そこで、居住者から、建物に関する苦情があった場合は、オーナーに通知してもらうことを約束してもらうことが必要だと思います。
  賃貸借に関する苦情は、オーナー自身、一括借上で業者任せでしょう。
  そもそもそういうふれ込みでサブリース契約しているので、自分で賃貸業を営んでいる意識は希薄と思います。
  ですから、「業者と居住者のトラブルをいちいち報告してもらう必要はない」と思われるかも知れませんが、こと建物に関する苦情は、自分の所有物に関することです。情報提供してもらう方がよいと思います。
  そうでないと、建物の瑕疵で、居住者の生命身体財産が損害を被った場合、最悪、業者だけでなく、オーナーも賠償責任を負う可能性があります(民法717条)。ご自分の建物には、十分に注意を配られて下さい。



  

  




 


ブログ更新できなくてすみません

2013-06-06 06:16:57 | 社会・経済
長らくブログを更新できておりませんで、すみません。

ただ、HPでなく、ブログとしているので、義務的ではなく、自分の出来る時に更新させてください。
ブログ自体が仕事になってしまうと、負担が大きすぎるのです。
みなさんが弁護士の仕事をどのようにお考えか分かりませんが、全然優雅ではなく、かなり時間的に余裕のない仕事だと思います。私の場合、民事法律扶助や国選弁護が多いので、特にそうなってしまうのかも知れませんが(私を知っている弁護士からは、「仕事が遅いだけだろ!!」という突っ込みが入るかも知れません・・・。)、他の弁護士もみなさんとても忙しくされています。

ということで、以前更新を請求されていたオーナー様、別に訴訟の進行に合わせて、ブログを更新しているわけではないので、他の人がどう批判しようと構いませんし、最近他のサイトは拝見していません。以前は、参考になる情報もあったので、皆さんが既に知っていると思われるブログやコメントを見たことはありましたが、途中から憶測に基づく批判中傷合戦みたいになりましたので、そこからは拝見しておりません。

そして、訴訟に関しましては、和解になろうと判決になろうと、有利であろうと、不利であろうと、一応ご報告したいとは思っております。しかし、それでみなさんが一喜一憂するのは本意ではないし、弁護士のブログだから絶対ということはなく、勝敗の情報が全てだと思わないで欲しいのです。
以前身の申しましたように、判決の場合、最高裁判決まで行けば、その判決は、法律と同じ程度の効力を持ちますので、そこでサブリースに関して判決がでれば、それを基準に考えざるを得なくなります。しかし、それ以外の下級審裁判例は、参考情報だと思って頂きたいのです。
まぁ、負けた時の言い訳と思われる方はそう思って頂いて結構です。

ということで、ロン様、資料があれば是非頂きたいです。着払いでいいですので、送って頂ければ助かります。
もちろん、原本はお返しします。
よろしくお願いいたします。

最近、一番多いのが、家賃の減額交渉の相談ですが、これも以前申し上げたように、解除条項がなければ(「いずれかが一方的な解約の申入れは出来ないものとする」という契約です。)、対等な当事者という気構えで、交渉されてください。
レオパレスが一方的に条件を決めることは出来ないのです。
家賃以外でも、メンテナンス、家具架電、ネット等、レオパレスが一方的に内容を変更してきたはずです。オーナーの方々は、それでも一括借上が継続されるなら・・・と思って、従われてきたはずです。
家賃は、アパート建築及び一括借上契約に踏み切った「核」の部分です。
ローンを抱えておられるオーナーが殆どなのですから、納得できなければ、レオパレスととことん協議してください。
精神的、肉体的に大変だとは思いますが、今後の10年、20年に関わる問題です。
納得できてから、契約を交わして下さい。
繰返しになりますが、今のところ、それが一番確実な方法です。


最後に、レオパレスに限らず、サブリースは本当に問題の多い契約です。
やはり立法は必要だと思います。
そのためには、皆さんの声が必要です。
そして、それぞれのオーナーの方は、具体的に動き出されています。
下記のサイトは、衆議院予算委員会の分科会でサブリース問題、特にレオパレス問題が取り上げられたときの様子です。
「説明・質疑者等(発言順): 」の箇所の一番最後、宮本岳志議員の質疑とそれに対する森まさこ大臣等の応答の部分です。
一歩一歩ではありますが、サブリースの適正な契約・運用のために、みんなで頑張りたいと思います。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42657&media_type=hb








レオパレス問題-家賃保証期間中の減額交渉

2012-09-30 16:44:03 | 社会・経済

今回は、家賃保証期間中の減額について述べたいと思います。

 といいますのは、最近何件か、10年未満であるのに大幅な家賃減額を言われたという話しを伺ったからです。

 家賃減額に応じる前に、「本当にそれが、自分にとってベストの選択か。」を十分に検討されて下さい。

 家賃減額は一度ではありません。特に家賃保証期間が終わったら、どのくらい期間で、どのくらいの賃料減額を言われるのか分かりません。イニシアチブは、ローンを人質に取っている業者側にあるのは明らかです。10年未満で家賃減額に応じるなら、そのことを将来の減額の時に最大限考慮してもらえるようにしておかなければなりません。

 さて、このブログを見ておられる方は、賃料減額問題について、最高裁が家賃の減額は可能であるとの判決を続けて出したことをご存じの方が多いと思います。

 そして、レオパレスの社員も、上記判例を引用して、「裁判になっても減額になりますよ」と迫ってきているようです。

 しかし、それは正確ではありません。既に何回か述べたように、最高裁は「ただし、賃料減額請求の当否や相当賃料額を判断するに当たっては、賃貸借契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情を総合考慮すべきであり、特に本件契約においては、上記の賃料保証特約の存在や保証賃料額が決定された事情をも考慮すべきである。」といっており、これを受けた差戻し審(東京高等裁判所平成16年12月22日)は、「本件が,不動産賃貸業等を営む会社である控訴人が,土地所有者である被控訴人の建築したビルにおいて転貸事業を行うことを目的とし,被控訴人に対し一定期間の賃料保証を約し,被控訴人においてこの賃料保証等を前提とする収支予測の下に多額の銀行融資を受けてビルを建築した上で締結されたサブリース契約であることからすれば,上記鑑定額をもって直ちに本件の相当賃料額であるということはできない。本件における相当賃料額を決定するに当たっては,賃貸借契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情を総合考慮すべきであり,特に本件においては,上記の賃料保証特約の存在や保証賃料額が決定された事情を考慮しなければならず,とりわけ,被控訴人が本件の事業を行うに当たって考慮した予想収支,それに基づく建築資金の返済計画をできるだけ損なわないよう配慮して相当賃料額を決定しなければならないというべきである。」としています。

 ここで重要なのは、「(相場家賃が確定できたとしても)オーナーが、(サブリース契約をするにあたって)予想した収支、それに基づく建築資金の返済契約を、できるだけ損なわないように配慮して、相当賃料を決定しなければならない。」ということです。

 レオパレスの場合(他のサブリースも多くは)、レオパレス自身が収支予測を持ってきて、「だからローンの支払は大丈夫ですよ。」と熱心に勧誘したのですから、単なる家賃保証だけでなく、売上も保証しているといえます。

 そもそも、レオパレスは、「オーナー様のアパートを丸ごと借上げ、その手を煩わせることなく管理・運営」します。「入居者のあるなしかからず、一定の借上げ家賃をお支払いします。」といっているのですから、オーナーは、本来、入居率など気にする必要がありません。上記の収支予測は、業者自らのためにもあるものなのです。

 ですから、家賃保証期間のレオパレス減額請求は、「請求」ではなく、「お願い」なのです。「自分達の予想が大甘でした。レオパレスのために何とかお願いします。」というスタンスなのです。しかも、「大甘」な予想は、社会情勢等ではなく、まったくのレオパレスの責任です。

 理由は以下です。

 1.バブル時期ならともかく、本来住居用の小規模住宅の家賃は安定しているはずである。

   参考:http://www.cs.reitaku-u.ac.jp/sm/shimizu/Essay/A/20101113.pdf

   上記のように、本来、オフィス投資と異なり、住居用、しかも小規模になればなるほど、家賃の改訂は小幅にとどまる・・・というのが、ある専門家の見解です。

   実際、最高裁の事例・・・上記差戻し審の事例ですが、貸しビルというオフィス投資の事案ですし、家賃を決定したのが平成5年3月ですから、バブル終焉の時期とはいえ、まだバブルがはじけての大不況にはなっていなかった時期に家賃決定してしまったのだと思います。ですから、業者も、事情変更とまではいかないまでも、予測困難な状況で決定してしまった値を修正する必要が生じたのだと思います。

   しかし、現在、バブル時期のような社会情勢の変化があったでしょうか?

   不景気なのは、ずっと前からです。リーマンショック等があったとしても、居住用の賃料に影響を与えるほどの社会的影響が、しかも長期にわたってありましたか?他のサブリース業者が同様に、家賃減額や解除にあくせくしているでしょうか?

  とすれば、レオパレスが、そもそも無理な家賃に基づいて収支予測を立てていたのではないでしょうか?

 2.家賃減額までの期間が短すぎる。

   上記1.を前提にして考えると、4~5年で大幅な減額をしなければならない要素などありません。中には、2年ほどで大幅減額をされてしまった例があるようです。

   上記からすれば、家賃減額を正当化するのは経年劣化ぐらいです。4~5年でそのような事情があるはずがありません。あれば、建物自体の性能が問題です。

   しかも、経年劣化という事情も、レオパレスは30年借上げを約束し、メンテナンスを一括して引受けているわけですから、本来減額を正当化する理由にはならないはずです。

 

   以上のような理由から、レオパレスの減額請求が認められるとは思えないのです。
  とすれば、レオパレスから家賃減額を迫られた場合、減額に応じるか否か、応じる場合にどのくらいの幅で応じるかは、オーナーが一方的に決めても構わないのです。つまりレオパレスとの協力関係に対するオーナーの考え方次第だと思います。

 一方的に蹴った場合でも、「協議をしなかった」ことにはならないと思います。たとえ、一括借上げでも、オーナーが入居率や売上を気にしなければならない・・・との見解に立ったとしても、「無茶なお願い」を検討しなければならない義務は無く、そのような「お願い」の申込は、「協議」の申込み等ではありません。

 もちろん、これは私の見解です。人それぞれの価値判断によって、話合いに応じる義務があるという見解も十分に考えられます。

 もし、そのような考え方のオーナーで、「でも、さすがにレオパレスのいう減額には応じられない。」という場合は、公の場、具体的には、調停・あっせん等を利用して協議されることをお勧めします。そして、今後の家賃減額では、10年未満で家賃減額に応じたことを最大限評価して、むやみに減額を言ってこないことを約束させ(条項の中何入れる。)、できれば何年間は絶対減額をいわないことを約束させる(これも条項に入れる。)方がいいと思います。

 オーナーがイニシアチブを取れるのは、建物の新しいこの時期でだけです。交渉の経緯、結果を公の記録に残し、将来、減額を言われた時、借地借家法32条に対抗する手段を確保しておくべきです。

 

 なお、兵庫県姫路市で家賃減額に対して裁判が提起されたと、姫路市の弁護士から伺いました。同じ姫路の事件なのですが、私はまったく知らない事案です。何故姫路ばかりが・・・という思いがありますが、是非、事件を担当されている先生から話しを伺ってみたいと思います。


消費税アップでサブリース不当勧誘激化の心配(一括借上げ、アパート建築、マンション購入)

2012-08-14 22:03:03 | 社会・経済

 消費税が平成26年4月1日に8%に上がることが一応決まりましたが、不動産のような高価な買い物は、その前の駆け込み需要が予想されます。

 そして、アパート建築もマンション購入も高額なため、「消費税が上がる前に、相続対策で是非…。」等と勧誘されてサブリース契約も増えることが予想されます。

 もちろん、サブリース契約自体がすべて不当だとは言いませんが、現状は、リスクの高い商品でありながら、勧誘の態様、契約の形態に何ら規制がありません。したがって一般法によって対処するしかない状態です。

 同じくリスクの高い金融商品が、「不招請勧誘の禁止」(金融商品取引法38条4号)をはじめとする勧誘の態様に関して規制を受けるのと違い(同法38条各号)、行き過ぎた営業活動によって、思いもよらないリスクを負ってしまう方が増えるのではないかが心配です。

 しかも、アパート建築をする、賃貸業を営むためにマンションを購入すると決めて取引をはじめた段階で、消費者契約法にいう「消費者」(同法2条1項)で無くなると一般に考えられていますので、情報量や交渉力に格段の差があるにもかからず、消費者取引の一般法である同法の保護も受けることができなくなる可能性が高いのです。

 特に請負契約の場合、いったん契約を交わし、工事着工段階になって、将来リスクに気づいて契約を撤回しようとすると、業者から違約金等として高額の金員を請求されることが通常です。

 また、いったん建物を建てた場合、その後になってサブリース契約の内容を知って、話しが違うとなっても、実際上建築行為を取消すことはできません。その建物を受け入れるしかないのです。

 したがって、「30年一括借上げ」、「管理はすべてお任せ」、「10年間賃料保証」等の甘言に惑わされず、ご自分でサブリース契約に関する知識を付け、当該企業に関する情報も十分に収集なさって、契約を締結するか否かを判断なさって下さい。サブリースは、昔のように、業者が運用すれば賃貸業は一応成り立って行くという時代でなくなったと思います。

 サブリースがリスクが高いと思うのは、繰返しになりますが、

  • 上記述べたように高額の出資(負債を負うもの)であること
  • ご自分の土地・建物等価値の高い自己資産を他人の運用に任せるものであること
  • 情報量、交渉力は圧倒的に業者が有利であること
  • しかし、今のところ何ら規制はないこと
  • むしろ業者の方が賃借人として保護される傾向にあること
  • よって、請負・賃貸借契約を締結する段階で業者は、説明義務を負うわけで無く、法定書面の交付も要求されず(宅建物取引業法35条、37条)、契約内容が不透明になりやすいこと

 等からです。

  ご自分でネットから情報収集できる方はいろいろな意見を参考にできるのでいいのですが、田舎にご両親がおられる、親戚がいるというような方は、安易に契約しないよう注意することを忠告された方がよいと思います。地方の高齢者を狙ってくる営業は、まず怪しいと思った方がよいと思います。

  また、契約書をもらったら、その場で直ぐに署名押印してしまわず、契約書を持って、無料の法律相談や消費者センターに行きみてもらった方がよいですし、消費者センターではその企業についての情報も尋ねる等した方がよいと思います。

  電話での相談もできますが、お年寄りにはやはり使いにくいかなと思われます。

  http://www.kokusen.go.jp/map/index.html