🌸徒然日記🌸

日々の出来事を綴ります

悪夢ー1

2023-05-25 00:41:15 | 日記
平成17年3月6日(日)

今思い出しても、胸が深くえぐられる

ような恐怖の一日だった。

前日の夜はいつものように

『エンタの神様』と『美しき日々』を見て

「笑ったらお腹が痛いよね」と言いながら

二人でお腹を押さえて笑いをこらえていた。

確かに体の痛みはある。

しかし心は落ち着いていた。

テレビを見終わったのは夜の十二時だった。

この頃かずはトイレに頻繁に

行くようになっていた。

今思えば、それはそのあとに訪れる

悪夢の前兆だったのかもしれない。

トイレに行きたくなるたびに

看護師さんを呼びベッドの横にある

ポータブルトイレに座る。

あまりにも何度も呼ぶので

私は気になってHに言った。

「ちょっとかずを見てきて」

移植ー41

2023-05-24 00:50:47 | 日記
「かず、すごいね」

「そうかねぇ」

「お母さん、ついて行けんかったよ、大丈夫?」

「全然。お母さんは遅いんよ」

しだいに私もさっきまでの不安はどこへやら

このことを友人や知人に報告しまくった。

「かずが、もう歩いたんよ」

「よかったね、早いね」

ほとんどの人がそんな言葉を返すなか

ひとりだけ「もう歩いたの?普通の手術と

違うんだから用心した方がいいんじゃないの」

と言った人がいた。

私は「看護師さんがいいって言ったから

いいんじゃないの」と返答し

かずの元気な顔を確認しながら

自分自身に「大丈夫」と言い聞かせていた。

しかし・・・かずの体に変化が生じたのは

その日の夜だった。

移植ー40

2023-05-23 00:21:58 | 日記
「ま、まって」

「お母さん、遅いよ」

ーそんなに急いで大丈夫なの・・・

体重計はナースセンターの前にあり

病室からは10メートルほど離れていたが

かずはその距離を歩き切った。

そしてゴールインしたかずは

看護師さんたちの歓声で迎えられた。

「かずくん、もう歩けるの。さすが若いね~」

「大人だったらウンウンうなってる時期よ」

拍手を浴びてかずは完全に有頂天になっていた。

そしてそのままUターンすると

休む間もなく今度は歩いて病室まで戻った。

電動

2023-05-22 00:19:09 | 日記
昨日、電動草刈り機を借りてきて

庭の草取りをしました

草刈り機は夫が取り扱い

私はこまごまとした草を刈っていました

電動草刈り機を庭で使うのは

始めてだったけど

サクサクと切れて気持ちがよいです

先日ユーチューブで土地は大事に

しないといけないて言ってたのを思い出し

少しだけ晴れ晴れとした気持ちになりました

移植ー39

2023-05-22 00:05:01 | 日記
「かずくん立てる?だったら

廊下の体重計のところまで行ってみよう。

お母さんも後からついてきて下さいね」

かずはよろけながらも点滴にもたれ

看護師さんに支えられて

一歩一歩前に進んでいった。

私はかずの後ろをついて歩いていたが

数歩進んだだけでへとへとになってしまった。

歩けど歩けど体重計は見えてこない。

私は前かがみになってお腹を押さえながら

点滴を支えに一歩ずつ前進した。

かずのことが気になって様子を

観察したいと思うが

その後ろ姿がどんどん遠のいていくばかり

かろうじて私の目のずいぶん先に

かずがぐいぐいと足を前に

差し出しているのが見える。