琳派墨絵保存倶楽部・部誌 「なてし子」

江戸琳派の祖、酒井抱一家に伝来する本格的な琳派の画法を継承している「琳派墨絵保存倶楽部」の活動日誌ブログです。

古典の勉強(1)

2018年06月19日 | 琳派、日本画、酒井抱一

 

ずっと思っていた事が あります。

 

「本当にいい時代だなぁ」と。

 

今は、古典を勉強してもいいし、

自分だけの絵画を創作してもいい時代です。

 

でも、この2つの間に、 

不必要な 隔たりを感じています。

 

古典を勉強すると、

自分の個性が失われてしまい、

「絵」ではなくなるという話。とか、

「ああ描きなさい、こう描きなさい。」

と言われて描くものが、本当だとは思えない。

とか。

 

それは、イメージの持ち方であって、

本来の絵の勉強のすべてを

的確に表現した言葉ではないと、

私は思っています。

 

実際に、古典絵画は

一人の頭の中からでは 到底出てこないような、

知恵の宝庫なのです。

ですから、模写などをしながら、

謙虚に学んで 私達は当然です。

たとえば物を見てデッサンをする内に

「この花、こんな風に出来ていたんだな。」と感動するでしょう。

その様にして、この絵はこのような考えのもとに、

構成されていたんだな、と感銘を受けるのは、とても素直で とてもいい事です。

 

要するに、古典を学んだ後に、

愛を失わなければいいのです。

 

古典の勉強が、「規則とルールに縛られる元(もと)」という様では、そもそもいけません。

このようなイメージをお持ちの方が、案外多いのです。

自分の中の信念や愛を、片時も失わずに

偉大な古典絵画から勉強し続けることは、

謙虚でなければいけないし、

そして 精神力のいる事かも知れません。

 

しかしながら、

愛を失わなずに勉強する、というイメージこそは

心の支えになりますし、

後世に伝統を伝えていく 大切なキーワードにもなると思います。

 

(続く)

 

 

琳派墨絵クラブ

 


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