琳派墨絵保存倶楽部・部誌 「なてし子」

江戸琳派の祖、酒井抱一家に伝来する本格的な琳派の画法を継承している「琳派墨絵保存倶楽部」の活動日誌ブログです。

せたがや国際メッセ 墨絵体験コーナー

2017年11月15日 | 教室案内
平成29年(2017年)11月3日文化の日
「せたがや国際メッセ」に於いて、
”墨絵体験コーナー”を開催させていただきました。

この「せたがや国際メッセ」は、世田谷区区制85周年を記念したもので、
成城ホールで開催されました。



国際的なイベントである為に、会場では近隣の大使館の出店がありました。
催し物も、日本の伝統的な踊りや、英語によるマジックショーや落語など
多彩なものでした。そして、その中に琳派墨絵クラブの”墨絵体験コーナー”も、
参加させて頂けたのです。

まさに、伝統文化は国際的なもの、という解釈でしょうか。






”墨絵体験コーナー”といっても、小さなものではありません。

ブースの最大収容人数の32名を上回る、
お申し込みを頂いて、一部は抽選をし、一部は当日受付けに
させて頂きましたが、
墨絵を体験したいという方は後を引きませんでした。

当日は、7歳の子供から70歳代のおとなまで、
皆さんと一緒に筆を持ち、「竹」や「もみじ」を描きました。

13:00から、たった1時間の講座だったのですが、
最後は「色紙」にお清書していただきました。

世田谷区からは、アンケートでも”墨絵体験コーナー”が楽しかったという
お声をいただいたと、後にご連絡を受け取りました。

世田谷区役所のご厚意とご協力なしにはとても開催出来ませんでしたので、
素晴らしい体験をさせて頂き、今回は感謝の気持ちでいっぱいです。








海外の方も来られるように、英文のテキストもご用意していたのですが、
墨絵に限らず、このイベントの参加者は日本人ばかりとなりました。


あとで、私はお教室で皆さんの前で言いました。

「私が心残りだったのは、海外からお越しの方と一緒に、
水墨画をするよい機会だと思ったのが、果たせなかった事です。

海外の方は、日本文化に対して、当然ですが別の視点を持っています。

私達日本人は、水墨画は「むずかしい」といい聞かされて育つので、
いざ水墨画をする時に、相当難しいものだと思って始めます。
しかし、海外からお越しの方は、そんな事を聞かされていないので、
ただただやりたいという気持ちのままに、筆を持ちます。
そして、日本人が描けるとは思わないような、
水墨画を、いともあっさりと描いてしまうのです。

私達日本人は、日本文化を一番よく理解していると
思い込んでいるけれど、実はそうでもありません。

水墨画、またその芸術のよさ、という事は
本当にはまだまだこれからも新しく発見されるものであるし、
新しく展開して行くものでもあるのです。」


こうした考え方は、もっと多くの方がより多くの機会をもたなければ、
なかなか浸透しないかもしれません。
しかし、日本人が理解している日本文化というのは、
海外から輸入されて、日本で培われたものです。

「その先」、「その発展型」、というものがあり、
流動的であり、伸びていく余地があるのです。

たとえ「日本人が理解している日本文化」に限界があったとしても、
芸術そのものは大きいのです。
そして、筆を手に取り、我がものにしてみようという方は、
国外にどんどん増えて、
芸術の世界を豊かにしていく事でしょう。







琳派墨絵クラブ











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