2024.5.25
紅はうつろふものそ橡のなれにし衣になほ及かめやも 巻18-4109
歌人:大伴宿禰家持
右は、五月十五日に、守大伴宿祢家持作れり。
訓み:くれなゐはうつろふものそつるはみのなれにしきぬになほしかめやも
現代語訳:紅色は花やかだけれども、すぐ色あせるものよ。地味な橡色に染めた衣にどうして及ぶことがあろう。
大伴家持の部下の尾張少咋(おわりのおくい)という史生(ししょう・ヒラの事務官)は、都に妻がいながら左夫流児(さぶるこ)という名の遊行婦女(うかれめ・宴会場などにいる接待係の女性)に夢中になってしまいました。そこで家持が、少咋に注意して諭すために詠んだ歌です「紅(くれない)染め」はベニバナの花びら染めのこと。花やかな紅色に染まりますが、すぐに退色するので、浮気相手の女性にたとえています。
それに対して「橡(つるばみ・ドングリ)染め」は、黒や茶色の地味な色ですが変色しません。慣れ親しんだ妻は、橡染めの布のようなもの、絶対にかなわないよ、というのです。
結局は白飯が死ぬ前に食べたいっていうこと
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