失格者

仕事がんばろう
続けよう
って思えたのはあの人のおかげで
もういやだ辞めたい
って思うのもあの人がきっかけで。
エリアマネージャーなんて大層な役職付いてても
ただの情けない小娘です。
部下に見せらんない顔ばっかりです。

蟻地獄

あそぼーってメールに
勝手に二人きりだと思いこんで
急いでお出かけしたもんだから
仲良しなあの子をすごく邪魔に思って
きらいだとすら思ってしまった。
あの人を好きでいる限り、
嫉妬に狂い続けて
あたしはどんどん嫌なやつになっていく。

くすり

あんたのもんばっかり
この狭い部屋に増えていってさ
ついには歯ブラシまで置いてさ
ぴったり横にお布団敷いてさ。
でも彼女にしてくれない。
全く手を出してくれない。
そんなにあたしに魅力ないですか。
あたしはいつだって触りたいのに。
二人きりなのに来てくれたから楽しくて幸せで
仕事のストレスから出てた手荒れが
ひっこんだから自分でもびっくりだった。
こんなに必要としてしまってるなんてね。

ラブレター

なんかオススメの本貸して

って言われる度、
とてもはしゃいでしまう。
私の選ぶものを
ある程度好いてくれているのだと、
それは私の感性を認めてくれているのだと、
そんな風に思ってとてもはしゃぐ。
じっくりじっくり本を選ぶ。
その間はあなたを想うことを許されている気がするから。

そしてあなたを重ねて読んだ本は
決して選ばない。
伝えるときは私の言葉を使うから。

微動

ほらその絶妙なタイミング。
また尻尾を振ってしまう。

二人でもいいよ。
二人がいいよ。

そう言ったらこの関係は壊れるんだろうか。
もう微笑んではくれなくなるのだろうか。