鳴くクマゼミ、羽化するアブラゼミ

今朝、クマゼミが「シャイシャイシャイ・・・・」と、
気ぜわしく鳴き始めていた。
つい一昨日までは雨で姿もまばらだったのに、
この天候の変化に敏感に反応する姿には驚く。
梅雨明け宣言はまだだけど、この声を聞くともう夏だなと思う。
朝から暑さを増長させる。
日中も外に出るとモアァと湿った空気が体を包み、息を吸うのも苦しいくらいだ。

夜になって・・・暑さは全くやわらがない。

恐らく一匹くらいはいるだろうなと思い、
庭に出てみると、やっぱりいたいた。

アブラゼミが幼虫から羽化したてでまだ白い状態。
これから色素が定着してだんだん茶色になっていくまで、
ほんのりと白いセミは可憐で美しい。
カメラのフラッシュを焚くとハレーションを起こして、
この薄透明の羽の感じはなかなか伝えがたい。

羽化は英語でhatchという。
川釣りでは、その時最も多くハッチしている水生昆虫に、
魚が食いついていることが多い。
この状況を観察してハッチしている昆虫に合わせて、
フライを選択して戦略を練る。
このことを「Match The Hatch」と言う。
ライズ(水面をわって魚が昆虫を捕食すること)を前に、
ああでもないこうでもないとフライをとっかえひっかえしている時が、
フライフィッシャーにとっては血沸き肉踊る瞬間である。

おっとセミの話だった。
ずっと観察していたい衝動に駆られるが、
ちょっとの間写真を撮っているだけで、
薮蚊に10箇所くらいかまれた。
この痒みもまた、紛れもなく夏の到来の証である。