WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

変わりゆく西梅田

2007-10-13 | Diary
昨夜、何年かぶりに大阪梅田の北新地で飲んだ。
前の職場の先輩、同僚、懇意にしていた印刷会社の人。

毎日西宮市内で職場と家の往復をしている私にとって、
梅田に出るのは本当に久しぶり。
でも4,5年前はここに毎日通っていた。
その人の多さには相変わらず辟易する。
そして全く変わってしまった西梅田界隈の様子に、
浦島太郎のような気になる。
昔と全く変わっていない中華料理屋が残っていなければ、
どこか分からない土地に来たようだった。

ギャレのモンベル(ここもギャレウエストに移転した)で、
サイクリング関係のちょっとした小物を買って、予約してある店に向かう。

景気はやっぱり良いのだろうか。
駅前第一ビルの閑散としていたところに、
立ち飲みのすし屋や焼肉屋がオープンしている。
新地に入ると恐らく接待かなんかなんだろう。
「あそこの店です」とかなんとか言いながら、
ビシッとスーツで決めた若手サラリーマンが偉そうな一団を案内している。
ああ、こんな世界がまだあるのだ
と、妙に異界に来てしまったような感覚を持ってしまう。
私もかつてそういう世界にいたと言うわけでないが、
そんなのを見ただけでものすごい徒労感を感じてしまう。
はっきり言ってくだらない。

さて、久々に集った仲間とは昔の話で盛り上がる。
渉さんはとても昔のことを鮮明に語ってくれて、
「そんなこともあったなぁ」と酒と日々のしがらみで、
蜘蛛の巣のはった記憶を呼び起こしてくれる。
印刷会社のSさんは初めてあった時は新入社員だったのに、
今は立派な肩書きもついて充実した仕事をしているようだ。
同僚だったMMさんは独立してデザイナーになってワインと人生を謳歌している。
先輩の杭州さんは若いのの面倒を見ながら、
日々の業務に忙殺されている。

昔、まだまだMacのデータ入稿なんていう以前、
電算写植で写植を打っていた世代。
(印刷業界を知らない方にとっては意味不明だと思いますが、
ここ10数年ほどの印刷業界のイノベーションは凄いのです)

印画紙の文字をカッターで切り貼りして、急場を凌いだりして、
何とか締め切りに間にあわせるために、東京に新幹線でフィルムを送った。
不便であったけれどその不便さの上に、
それなりに段取りをつけてなんとかしていた。
ある意味、仕事をしているという実感があった。
今はメールで送ったりして今と考えられないほど、便利になったが、
そこで立ち止まり、ぶつかり合い、そして仕事が終わった達成感を味わった。
それはそれで良い時代だったのかもしれない。

そんな話をしながらあっという間に時は過ぎ終電になる。
時代を経ても苦労を分かち合った仲間との思い出は大切にしたい。
そんなことを感じさせてくれた夜であった。

たとえ過ごした街の様子はがらっと変わってしまったとしても・・・

6 コメント

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Unknown (オードリー)
2007-10-14 14:48:40
ホントですね。印刷業界の事はよく分かりませんが。。。
確かに、PCの普及で自宅で簡単なカードやハガキ、写真。。。今ではレポート提出までがPCでなんでも!
携帯電話の10年を振返っても分かるように。。。
時代は変わっていますよね。
私も、浦島太郎になった想いをした事が有りますよ。カルチャーショックにも近かったです。。。
便利に、楽に、そうなる事は有難いことなんですが。。。
確実に何かと引き換えにしているような気がしてなりませんね。。。
変わらずにいること。そのことが一番難しくて、大切なんでしょうね。
とはいえ。。。しばしの楽しい時間に乾杯
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オードリーさんへ (森の音)
2007-10-14 21:37:41
印刷業界は10数年前まで、
活版印刷に毛の生えたような世界だったのです。
そこでは写植やレタッチという
ものすごい職人技が、
光り輝いていたのです。
そんな人々の労苦の上に成り立っていたのです。
私達の作る本は時間と言う、
待ったなしの闘いに勝つか負けるかの、
過酷な世界でした。
もちろん新聞や週刊誌なんかの比ではないですが・・・
古き良き時代と言ってしまったら終わりですが、
そんな不自由との苦しい闘いを共有した、
戦友は私にとっては財産で、
今も大切な友達であるということを、
再認識させてくれたとっても楽しい時間でした。
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写植・・・懐かしい。 (107)
2007-10-16 18:56:02
デザイン事務所に勤めていた頃、写植屋さんに日に二度三度行ってました。方眼紙にロットリング。0.1ミリの線をきれいに引くには3年かかる、とかね。通信回線は1MB 1時間。ハードディスク持って走った方が早い!とか(笑
そんな時代に、下積みでジタバタもがいてました。あれから10数年経ちます。
若き日の充実した思い出は特別な色を持っているようです。
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107さんへ (森の音)
2007-10-16 22:23:37
107さんにもそんな下積みの時代があったのですね。
写植とレタッチの時代。懐かしいでしょ。
ちょっと昔のことなのに・・・

今はなんかすぐデータで送ったりして、
即納しないと仕事になりませんよね。
ウエブ中心になって印刷物の色校もいい加減に、
なっていると昔の仲間から聞きました。
得たものも多いですが、
失ったものも多いような・・・
そんな気がします。
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森の音さんへ (タケルノビッチ)
2007-10-21 11:01:22
印刷営業Sことタケルノビッチです。
先週このブログを読んでから、落ち着いて書き込みしようと思っていたら、あっという間に一週間もたってしまいました。
風邪ながら参加した杭州さんも、イタリア帰りのgioba21さんも、今回の会合を主催してくれたsaqqara0902さん(幹事役をしていただきありがとうございました)も、見た目の変化があまりなかったのが印象的です。
gioba21さんらしい「200万枚取れるデジカメ」など、なつかしく笑える話がたくさんあり、たのしかったです。
久々にお会いして思ったのは、新入社員当時の僕は、「ガイド」の仕事に必死に喰らいつくだけだったのですが、そのことは今の僕にとって欠かせない貴重な財産だということです。
自分自身が、後輩を指導する立場になり、もっと自分を磨こうと思った一夜でした!
※フットサルのお誘いお待ちしております。
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タケルノビッチさんへ (森の音)
2007-10-23 21:15:27
書き込みありがとうございます。
本当に楽しいひと時でしたね。
タケルノビッチさんも変わってないですよ。
昔ながらにモチベーションも高いし、
顔つきが凛々しくなられたことをのぞいては。

私もアンカーとしての仕事で、
いろいろなことを学びました。
いかに自分のして欲しいことを相手に伝えるか、
相手を動かすには、誠意と感謝を持って仕事を頼むこと。
写植屋さんと、製版屋さんの
頑張りナシには成し遂げられない仕事でした。
協力してもらって仕事が成り立ったことを、
今も感謝しています。

タケルノビッチさんなら大丈夫!
自信を持って後進の指導にあたってください。
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