WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

ペンタゴン・ペーパーズ

2018-04-01 | Movie
ベトナム戦争の無意味さを表現した映画は、
今まで山ほど観てきた。
そういう年代だ。

「地獄の黙示録」「ディア・ハンター」「タクシー・ドライバー」
「フルメタル・ジャケット」「プラトーン」
「7月4日に生まれて」「天と地」・・・

そんな映画たちの全てが語るのは、
いつも泥沼化していくベトナム戦争をする意義があったのかということ。

この「ペンタゴン・ペーパーズ」を
観て初めて分かった。

政府がその意義のなさを隠していたのだということ。
歴代の大統領が、アメリカの覇権を誇示するために、
行われてきた帝国主義の一環だということ。
とっくに政府はこの戦争が意味のないもので、
勝てるとは思っていなかった。

しかし、戦場に何十万人もの兵士を送り込む。
無駄死にと分かってやっていたのだ。

監督がスピルバーグで、
トム・ハンクスとメリル・ストリープが主演。
これで、面白くなかったらあかんでしょうという、
正直、ちょっと食傷気味の配役。

それでもやっぱり…
巧い役者は巧い。

二人ともさすがという演技を魅せてくれる。

特にワシントン・ポストの社主であるメリルの、
仕入れた極秘文書ペンタゴン・ペーパーズの
記事を掲載するかどうか決断する時の表情が良い。

もし、私がもっと若い時にこの映画を見ていたら、
ジャーナリストに憧れていたかもしれないと
思わせるほどワシントン・ポスト紙の記者は熱い。

このあとワシントン・ポスト紙はニクソンから敵視される。

そして…
ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードが
カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードという記者を好演した
「大統領の陰謀」で描かれたウォーターゲート事件へと続いていく。

私にとっての、ベトナム戦争に対する
ミッシングリングがこの映画で、
繋がったような快感を受ける。

記事をタイプして、校閲者が点検して、
写植を打って、印刷に回る
時間との戦い…

この時代の新聞印刷は大変だった。
ここまで大それた仕事はしていないが、
私も何年か編集という印刷に携わる仕事をしていただけに、
そこに感動したことを蛇足ながら付け加えておきたい。

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