WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

グリーンブック

2019-03-27 | Movie
おそらく今年ベスト3に入る映画を観た。

「グリーンブック」

黒人の天才ピアニストドクター・シャーリーと
雇われ運転手のトニー・ディップ。

トニーはイタリア系の移民で白人ではあるが、
黒人に対しては飲んだコップを捨てるほどの差別主義者。

イタリア系移民といえば、自然とゴッドファーザーの、
ロバート・デ・ニーロやマーロン・ブランドを思い出すがその系列。

ドクターは敢えて黒人差別の強い南部へのコンサートツアーに出かける。
そのために選んだ運転手。

ドクターは上品で、トニーは下世話。
しかしドクはトニーに命ずる。
毎晩カティサークを一本用意すること。

そんなに飲むの?
と思ってしまうが、それが彼の唯一のストレス発散法だったのかもしれない。

各所でコンサートして演奏は絶賛を浴びるが、
黒人に対する差別は凄い。

一緒にレストランでは食べていけないとか、
トイレは庭の納屋のようなものを使えとか…

運転手兼ボディガードのトニーはやがて
それに対して反発を感じるようになっていく。

そして、最後には黒人に対してニガーという言葉を遣った親戚に対して
その言葉は遣うなとまで言わしめてしまう。


差別というものは元来組織対組織、あるいは組織対個人の
関係で起こるものである。

もし、一対一の人間同士になったら
それは起こりえないものではないか?

つまり
白人対黒人
男性対女性
学校内優越者対学校内弱者

これが人間対人間になると途端に弱まっていく。

そんなことをこの映画は言いたかったのではないかと思う。

人間が生存する限り派閥を作るのは習性である。
なぜなら人は一人では生きていけないからである。

そして派閥を作れば当然そこからはみ出るものが生まれてくる。

それを差別するという構図はおそらく変えられない。

しかし、この映画のように個人対個人として、
おたがいにコミュ二ケーションをとれば差別なんてしなくなる。

そんな当たり前のことをこの映画は婉曲に教えてくれた。
実話に基づくからこそ、そんなメッセージが強く訴えかける。

良い映画を観させていただきました。

余談ですが、トニーの好きなケンタッキー・フライド・チキンが、
とても食べたくなります。

これってサブリミナル効果?



コメントを投稿