WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

2015年4月の読書まとめ

2015-04-30 | Books
2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2087ページ
ナイス数:49ナイス

本音の沖縄問題 (講談社現代新書)本音の沖縄問題 (講談社現代新書)感想
基地の中に沖縄がある。よく聞く言葉だがその本当の意味が分かった。日本の政治家の駆け引きに翻弄されてきた歴史。翁長知事と官邸の確執が伝えられているが、その縮図はいまだ変わらない。安倍首相の親米政策が、また普天間県外移設の可能性を少なくしている。日本で民族独立といえば、へぇーと思うかもしれないが、基地問題を機に沖縄独立ということもひょっとしたらありうるかもしれないと感じた。
読了日:4月29日 著者:仲村清司
拉致と決断 (新潮文庫)拉致と決断 (新潮文庫)感想
想像はしていたけれど、北朝鮮の食糧事情がこんなに貧困だとは思わなかった。また、監視されている身とはいえ、一般人よりも優遇されていた蓮池さんたちに、向けられる妬みのまなざしはすさまじいものがあったでしょう。早晩こんな国は破たんすると思いたいが、先日の飛行機パイロット自殺のように、道連れで日本に危害が加えられる可能性は十分にある。圧政下に虐げられている国民は本当に気の毒だと思う。
読了日:4月27日 著者:蓮池薫
恋するソマリア恋するソマリア感想
現地の人々と会話して、同じものを食べる。高野秀行の旅の真髄はここにある。前作ではできなかった体験が、今回のソマリアへの旅は念願かなった。しかも戦渦に巻き込まれるおまけまでついて。秘境は秘境だが、これはもう戦場、かなりアブナイ地域に入り込んでいる。しかし独特の軽いタッチは相変わらずで、笑いが散りばめられている。美貌の豪腕姫ハムディが魅力的で会ってみたい。北部と南部の違いは埋められるのか。南部に平和はやって来るのか。ソマリアの今後を見守っていきたい。
読了日:4月24日 著者:高野秀行
謎の独立国家ソマリランド謎の独立国家ソマリランド感想
高野先生はやはりすごい!ほとんど情報のない国もソマリランド、プントランド、ソマリアを突撃取材。もはや世界には、地理的に辺境はなく、政治や戦争などの理由で、辺境となっている地域しかない。彼の探検願望はそこに向かっている。人類学的な視点も踏まえて、ソマリ人に対する考察も興味深い。カート中毒になったり、戦渦に巻き込まれたり、ハチャメチャなところもあるが、現地人に対するリスペクトが常に感じられるところが著者の偉大なところ。氏族の話はかなり複雑なので、もう一度じっくり読み直したい。続編「恋するソマリア」が楽しみ!
読了日:4月18日 著者:高野秀行
ナグネ――中国朝鮮族の友と日本 (岩波新書)ナグネ――中国朝鮮族の友と日本 (岩波新書)感想
中国のこと、韓国のこと、私はほとんど知らないといっても良い。海を挟んだ隣の国なのに、あまり知ろうともしていない。マスコミによるイメージだけが独り歩きして、ステレオタイプを造っている。一人の中国朝鮮族の娘を通して見た日中韓の関係、その間に横たわる安価な労働力や、差別意識、キリスト教徒の現状。著者自身も初めて知った内容が描かれている。現在、多くのアジア人が日本に訪れていると思うが、それぞれがいろいろな人生を背負って生きているのだなと思う。最相氏のドキュメントとしてはかなり主観が入ったものとなっていて面白い。
読了日:4月6日 著者:最相葉月
はかぼんさん: 空蝉風土記 (新潮文庫)はかぼんさん: 空蝉風土記 (新潮文庫)感想
京都、安曇野、青森、四国、長崎と、それぞれの土地にまつわる綺譚。民俗学と風土記のような体裁で、実際にあるような話の数々。嘘か真かそんなことはどうでもよく、一瞬にして読者を遠い世界に連れて行ってくれる筆力には脱帽する。楽曲だけでなく小説においても、ストーリーテラーとしての実力を持つさだまさしは、本当に素晴らしい。夜中、酒肴を持ち寄って、杯を酌み交わしながら、それぞれがとっておきの物語を語る。そんなワクワク感が感じられる本。特に「鬼宿」がリアルな現実感を持つ。「人魚の恋」は儚くてほろりとした。
読了日:4月5日 著者:さだまさし

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