三島由紀夫『春の雪』読み終わりました。

2005-04-21 18:35:22 | 読書
なかなか読む時間が無かったのですが、ここ一週間ほど体調が悪いのを機に横になっている間に読んじゃいました(笑)いやー素晴らしい。三島文学ここに極まれりですね。心理描写も風景描写も、この人の筆にかかればこうも深く美しく表現できるのかと感嘆されられます。このお話は分かりやすく書けば「悲恋」。大正時代の華族文化や貴族社会のデカダンスに彩られ、激情と運命に駆られる若者が儚く・美しく描かれています。現在、妻夫木聡くんと竹内結子さんで映画の撮影が行われていて、その情報を得るために検索をしてきた方の為にストーリーの詳細は書かないでおきますね(笑)
しかし侯爵家の御曹司・清さまの心の移り変わり・・・冷ややかで支配されるのが嫌いだったのに女性に翻弄され情熱的に激しく求めるようになる様、そしてその後の姿をあの妻夫木くんがどう演じるかとても楽しみです。正直、容姿は全然イメージに合わないなと思ったのですが、彼の役者としての器がそのギャップを越えられるのではないかと思います。(外見的には柏原崇が合いそう。三島文学の「いい男」は色白でギリシャ彫刻のような美形が多いけど、単に三島由紀夫の好みなのかと(笑))竹内結子演じる聡子は、どこまで突っ込んで演じてくれるかが楽しみですね。海でのラブシーンとか、京都で○○するシーン(自粛)とか。そのラブシーンなのですが、ちょっと間違ったら滑稽になりそうな描写をものの見事に純文学の域まで高める三島はやっぱり偉い。官能的なシーンをこれでもかと言うほど美しく丁寧に、技巧を尽くして描写してくれています。そして私が最も震撼した、聡子付きの老女中・蓼科・・・女って怖いと思いました^^;映画では誰が演じるのでしょう?映画賞で助演女優賞とるくらいの怪演を期待します。
ともあれ、この作品は「豊饒の海」シリーズの第1話。あと3話あるのでそのうちまた読みたいですが・・・時間が・・・^^;

春の雪

新潮社

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