山王アニマルクリニック

日々の診療、いろんな本や音楽などについて思い巡らしながら、潤いと温もりのバランスを取ってゆこうと思います。

ペットショップ問題

2023-11-06 19:55:11 | 診療よもやま
ペットショップ「クーアンドリク」の客が怒りの告発 買ったばかりの子犬が瀕死で入院中なのに…店長は「治療費は払えない、交換ならできます」 | デイリー新潮

ペットショップ「クーアンドリク」の客が怒りの告発 買ったばかりの子犬が瀕死で入院中なのに…店長は「治療費は払えない、交換ならできます」 | デイリー新潮

全国に200店舗以上を展開するペットショップ大手「Coo&RIKU」(クーアンドリク)で、契約トラブルが続出している。…

デイリー新潮

 

ちょっと前に話題になったこの記事なんですが…ペットショップの問題は難しいですね(連載となっているので他の記事も読んでみて下さい。記事を読まないと意味不明の記述があります)。

そもそも犬の寄生虫であるジアルジアや糞線虫またはコクシジウムなどは、個別に隔離し寄生虫の卵などで汚染された糞便汚れをしっかり掃除できていれば、薬で駆除することは簡単なのです(猫のトリコモナス・フィータスは、ちとややこしい)。

 

しかし多頭飼育などで糞便汚れをクリーンにできない環境であったりすると、根絶することができません。

そのためかブリーダーやペットショップ(これはクーリクだけの問題ではありません)では、飼い主さんに引き渡す一週間前とかになってから薬を与えて誤魔化しているようなケースがけっこうあるように感じます。

飼い主さんの家へ行けば自動的に個別管理化するため再発リスクも減り、再発したとしても信頼できる動物病院へ行けば、大抵はそんな費用もかからず治ってしまうのです。

…そうなると負担も少ないことから、責任の所在があやふやにできてしまうのでしょう。

きちんと検便してターゲットを絞り、適切な薬を適切な用量で適切な期間与えれば治るのですが、子犬は体重が変動することもあってか、用量も期間も中途半端になっていたりするのではないでしょうか?

高用量や投薬期間が長いと副作用が出てしまう可能性があり、低用量や投薬期間が短いと効きも悪く、耐性を持つものが生まれてしまう可能性さえ出てきます。

それを防ぐには、信頼できる獣医師によるこまめな検便などのチェックが不可欠なのですが……

ブリーダーもペットショップも、しっかりチェックする口うるさい先生の病院へは足が向かわず、言われるがままテキトーに薬だけ出してくれる優しい先生の病院にばかり行ってしまうのでしょう。

しっかり管理していくには、それなりのコストと厳格さが必要なのです。

が…それと、世にはびこる安心半額プラン――あんまり変わらないか、逆に損してませんか?――などのような定期引き落とし術により、いつの間にか高度最先端などを装うだけと化すキラキラ病院のボッタク理論が混ざり合っていき…一般の方はもちろん、当人さえも判別不能となります。

そこに下痢など初期症状では区別がつきにくいパルボウイルスなどがからんでくるから更に複雑になっていきます(寄生虫感染で発熱することはあまりない)。

上述のような寄生虫感染だけでは、よほど長期間放置しない限り命にかかわることはなくても、パルボやジステンパーウイルス(初期の呼吸器症状は命にかかわることがないケンネルコフと同様でまぎらわしい)の感染では命にかかわるし、入院が必要なので費用も高額となってしまうのです。

混ざり合ってきてしまうことなのですが、ここをごちゃ混ぜにしないことが重要です。

 

パルボウイルスはアルコールが効かず、コロナウイルスより消毒剤への耐性が強いことで有名なウイルスです。しかも、感染すると46日くらい便の中にウイルスを排泄する可能性さえあるとのことです。

効果的な消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム0.37%なら15分、0.75%なら1分以上おく――0.18%だと30分以上?!)はあるのですが、環境中に有機物(土壌、糞便、血液、敷物、ゴミ)があると、本来なら効くはずの濃度でも効かなくなってしまうようです。

 

そんなわけで、とっても厄介なウイルスなのですが、それを面倒な清掃消毒や個別管理、確実なワクチン接種を免責する言い訳にし過ぎないことが大切です(糞便汚れをしっかりふき取り、濃い消毒液で時間をかけて消毒しましょう)。

 

ペットショップでこのようなトラブルが起こってしまったとしても、従わざるを得ない立場の店員さんに怒りをぶつけるのはやめましょう。

下に押し付け逃げ回ることも多いので難しいかもしれませんが、なるべく上の立場の方となるべく冷静に瑕疵担保責任(契約不適合責任)について交渉するしかありません。

想定外のことが起こって怒りが込み上げてくることもあるでしょう…数十万以上払って犬や猫を受け入れたのに……。

でも、そうなってしまった時点では、一番大切なのは批判ではなく、その子ができるだけ健康に生きていけること…そして負担も最低限であることを目指しましょう(病院選びによっては更なる悲劇!)。

 

た考えてほしいのは、可愛さや小ささなど表面的なことばかりに目を奪われる人が多いから、そういう子ばかりが交配され血が濃くなり、先天的に弱かったり、膝蓋骨脱臼などの遺伝疾患を持つようになってしまうであろうことです。

そういう所に弱いのが人間ですから仕方ないことなのですが、見た目がいまいちだったりしても、特別な何かを持ち、かけがえのないものを感じさせてくれる子がいます(一緒に暮らして愛情のキャッチボールができていれば必然的にそうなっていくとも言えますね)。

犬種による性格の傾向なども調べ、自分のライフスタイルと合うかどうか考慮することも必要ですが、最終的には、その子の気質――見た目だけでない何かを少しでも観察してほしい!と思います。

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肢間の炎症?

2023-07-19 19:33:13 | 診療よもやま

暑いですね…高温多湿の環境が続くと、ワンちゃんは肢の間や裏などが赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。

体質や居住環境にもよりますが、梅雨から夏は特に蒸れやすい場所を中心に細菌やマラセチアなどが増殖しやすいので困ったものです。

電気代が高くなって大変ですが、ワンちゃんのためにしっかりクーラーをつけましょう!)

チカラシバ(→犬の耳や肢間に注意!)の記事でも触れましたが、小さなトゲや種子などが刺さっても同じような症状となることがあってまぎらわしいこともあります(トゲなどの時は一つの肢の限定されることが多い)。

上の写真のケースでは、まず肢間の炎症を疑い抗菌薬を処方したのですが、一週間経っても改善せず、逆に悪化したようにも見えました。

少し毛の長い子だったので、よく見えなかったのですが、毛を剃ってみると何かが刺さっていました。

鉗子で引っ張ってみると、こんなものが……

こういうノギなどは刺さっているものが大きいほど、内科的治療だけでは治らないのですが、このケースではこれだけ大きかったため、一週間経て一部自壊し、取り出すことができました。

多くは内科的治療で何とかなることが多いのですが、内科的治療で引っ張るか?外科的に切開するしかないのか?悩ましいケースも時にあります)

このイネ科のノギは、長さからするとカラスムギの一種のでしょうか?

カラスムギの仲間はオートミールとなったり、いわゆる猫草としても使われているようなのですが、雑草としてそこら中に生えてるんですね。

 

二ヶ所の穴が確認できますが、大きい穴がカラスムギ?が刺さり、小さい穴には何故か自らの毛のかたまりが刺さっていました。

 

 

刺さっている異物が取れさえすれば、一週間でこんなにすっきり治ります。

 

この子は何と16歳!!中型犬の中では大きく肢の長いワンちゃんなのです。

加齢により足腰が不安定になってしまったので、バランスを取る中、勢い余って刺さってしまったことが考えられます。

大きなワンちゃんだと特に介護していくのは大変ですが、飼い主さんの愛情と共に、おだやかな歩みは続いています。

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犬のニキビダニ症2

2023-04-05 20:02:47 | 診療よもやま

以前にも書きました(→犬のニキビダニ症)が、ニキビダニがからんだ皮膚病の場合、上の写真のように若い年齢(18ヵ月以下)で一部(顔や前肢が多い)だけの小さな病変として発症するケースがあります。

このような例では「病変も小さいし、たいしたことないだろう…」と、まずシンプルな薬だけを処方されることも多いかもしれません。

皮膚を詳しく検査すればニキビダニを発見できることが多いのですが、「軽症だし、あまり負担をかけるような検査をしたくないなぁ…」という思いから見逃してしまうこともあるでしょう(検査にはちょっとしたコツがあります)。

そもそもニキビダニとは、ほぼ100%いるはずなのに大抵は発症せず、発症していても、それなりにしっかりした検査で発見できないことがある不可思議な存在なのです。

そして、かゆがっているから…と免疫抑制系のステロイドやシクロスポリン、オクラシチニブなどを次々に使われ皮膚病変が全身的に拡大してしまうケースも時にあります。

若くて免疫機能が未成熟であるか、年齢を重ね併発疾患などにより免疫機能が衰えると局所的に大発生するという病態なので、免疫抑制系の薬は基本的に…×)

 

10歳ほどのシーズーの症例写真を載せていたのですが、後にご家族が掲載反対とのことで違うニキビダニ症例の写真に変えています。

その子は他院にて治療していたのですが、2ヵ月以上経っても一向に改善しなかったとのことです。

シーズーは日本の高温多湿な気候が合わないようで(平均海抜4000m以上と富士山より高いチベット高原の犬種ラサ・アプソがルーツ)、アトピーやマラセチアによる皮膚炎・外耳炎が多い皮膚病の王様のような犬種です。

そのため時々このような状態に類する子はいますが…それにしてもひどい症例でした。

聞くところによると、テレビCMでお馴染みの高価な美味しいダニ予防薬?だけでなく、なぜか高価な分子標的薬――オクラシチニブ(アポキル)も処方されていたということです。

どちらも比較的新しい薬ですが…何かやつれて元気もなさそうでした(いくら最先端の薬を使っていても、組み合わせなどが悪ければダメなのです)。

新薬の真価は10年以上経たないとわからないということもありますし…当院は最先端とやらにこだわって本末転倒となることはしたくないため、より安全である古典的な飲み薬を使用することにしました。

すると2週間後には体重も増え、ニキビダニも死体だけしか確認できなくなりました。

そして同じ薬を3週間処方したのですが、その後は病院に来なくなってしまったのです。

「転院してきた例であるし、あれだけひどい症状だっだからそんなに簡単には改善しないよね…あまり効果がなかったのかなぁ?」…と思っていました。

 

…ところがその10ヵ月後、突然その子が来院しました。

今回も同じ皮膚病での来院だったのですが、全体的には見違えるように毛が生えています。

ニキビダニが原因の皮膚炎は、アトピー性皮膚炎などよりもこのように劇的に改善することが多いのです。

 

頚下や後肢、尾を中心に炎症と脱毛が再発していますが、それまでは改善していたから来院しなかったんですね。

皮膚の検査をしてみると、やはり活発に動くニキビダニがたくさんいました。

ニキビダニは、ダニ駆除薬をしっかりと投与しても完全にはいなくならず、内分泌疾患などもからんで発症することがあるため、定期的に再発してしまうことがあります。

ただでさえ、そういう皮膚病なので、しっかりした検査で陰性となってからも、一カ月くらいはダニ駆除薬を続けた方がいいので気をつけましょう!!

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治らない傷

2022-11-27 07:52:52 | 診療よもやま

 

さて、この猫ちゃんなんですが、見ての通りかなり臆病で…

 

写真を撮ろうとしても、逃げようとして動きまくり、このようにブレブレとなってしまうのです。

(上の2つの写真は問題が解決し、少し落ち着いた後の写真です)

この子は、なんと一年も前からこの大きな傷が治らず、当院に来院されました。

皮膚のたるみもそれなりにあり、縫合手術もしやすい部位と思われたのですが、この気質なので色々とやりにくかったことが想像されます。

体重が7.6kgもあったし……

このケースでも傷が白ボケており、かいたりしているせいか?服を着せられていました(ここまで治らないということは、ステロイド内服?)。

これも取りあえず精神安定作用のある漢方とクラシックな抗菌薬を出してみました。

 

10日で傷口が清潔になり、すっきりしてきたので、このまま内科治療を継続することになりました。

 

 

その結果、1カ月弱で、ここまで傷が小さくなってきました!

 

その2週間後には、更に傷は小さくなってきました!

ここまで小さくなったのなら…と外科的ではなく内科的治療を継続することになりました。

 

そして、その後1カ月くらいで傷はなくなりました。

 

しかし転院してきた症例を侮るなかれ……

 

治ったと思った2日後、再び傷がパックリ開いてしまいました。

(精神安定作用のある漢方薬もやめたせいで、激しく動くようになったからか?)

このようなケースでは、内科的治療のみの場合、瘢痕収縮しながら傷が治っていきます。

それは大きな傷であるほど、縮んでいった部分に緊張が残ってしまうことを意味するのです(時間もかかる)。

やはり常法に従って、外科的にテンションがかからない縫合をするべきなのか?

でも、この子はびっくりするほど治療に対して非協力的な子だから…入院もストレスが……

…というわけで相談の結果、再び精神安定作用のある漢方を含めた内科的治療となり、2週間後にはここまで傷が小さくなりました。

そして傷が完全に癒合してからも油断せず、精神安定作用のある漢方だけは継続してみると、再発しませんでした。

 

この子の例はかなり特殊ですが、経済的なことも含め、神経質だったり、凶暴だったりするために教科書通りにできないケースが臨床現場では多々あります。

そのギャップの狭間に生まれるのは、科学的に正しいこと以外は切り捨てる治療なのか?科学的には矛盾するが現場としては仕方のない治療なのか?

正義や優しさをまとった欲望が、それらの中に微妙に混ざり合い、せめぎ合っているので、なかなか難しいですね。

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善意の落とし穴

2022-09-02 20:06:42 | 医療の波打ち際

今回は、現代にありがちな少々考えさせられるケースを紹介してみます。

家の外にも自由に出ているとっても元気な去勢していない男の子のケースです。

頬付近に大きな傷ができ、その周囲を強くかきこわすとのこと。他院にて3ヵ月ほど治療していたのですが、一向に治る気配がないため来院されました。

 

飼い主さんは年配の女性で、とても愛情深い方でした。診察する前から、心配でしょうがない気持ちが伝わってきます。

ワラにもすがるような表情で「かゆがって、かゆがってかわいそうで、とても見ていられないのでなんとかしてください!」と強く私に訴えてきました。

かきこわして出血するほどなのでエリザベス・カラーをつけたようです。

病変部を見るためにエリザベス・カラーを外してみると……

あれ?外ネコちゃんによくあるケンカ傷の治りかけみたいだけど、今までに見たことがない感じで傷全体が白ボケているなぁ?…と感じました。

私「どんな薬を使っているのですか?」

飼い主さん「軟膏と飲み薬を出されているんですけど……」

確かに大きな皮膚の欠損の周囲にひっかいたような傷もあるため、かゆいと言えばかゆいのかもしれないけれど…この状態で3ヵ月も改善が見られないということは…?

 

私は、内服のクラシックな抗菌薬と念のため精神的安定作用を持つ漢方のみを処方し、エリザベス・カラーを外すことを提案しました(高価なウェット・ドレッシングもなし)。

すると飼い主さんは「かゆがってかきこわしちゃうのは大丈夫なんですか?」と相変わらずとても心配そうな顔で聞いてきます。

「あまりにひどかったらまたカラーをつけてもいいと思いますがカラーをつけると首の周囲は逆に蒸れやすく、外ネコちゃんだと視野が遮られることによるリスクやストレスも多いと思いますよ」と私は答えました。

飼い主さんは半信半疑でしぶしぶと私の提案を受け入れたようでした。

 そして1週間後……

最初の写真はもっとひどかったのですが、少し傷が小さくなっているのが私にはわかりました。

飼い主さんは「大丈夫なんですかねぇ?…」とかゆがるのを心配して、エリザベス・カラーをあまり外していないようでした。

「おそらく大丈夫だと思います。以前より確実に良くなっていますから…カラーも完全に外した方がいいと思いますよ…」と私は言いました。

でも飼い主さんは、やはり、ひっかいていることばかりが気になりイマイチ良くなっている実感がわいていない様子でした。

「では…少し精神安定作用のあるお薬を増やしてみましょう。そして、ご心配のようですから、写真を撮っておいて1週間後に比較してみましょう」と言って上の写真を撮りました。

  

 そして上の写真から1週間後…… 

 確かに周囲に後足でひっかいたであろう傷が増えましたが、だいぶ小さくなってきています。

飼い主さんも心配そうな顔が安堵の笑顔に変わってきました。 

そして同じ薬を2週間分処方しました……すると、その飼い主さんはしばらく来院されませんでした。 

 

その2か月後、再びケンカによる外傷で、今度は後肢を咬まれ来院しました。                

でも前回の傷はその後2週間で完治し、きちんと毛も生えてきています。

この結果、「かゆがっている」という主訴にどうにか応えようと、ただのケンカ傷にステロイド入り軟膏(抗菌薬も含有)を使用していたため治癒に至らなかったケースと思われました(ステロイド――副腎皮質ホルモン――は免疫機能を抑制するため、傷が治りにくくなります)。

確かに外傷の治癒過程では少々かゆい時もありますよね。

小学校時代に膝をすりむいてできたカサブタ周囲がかゆくてかゆくて、ついいじってちょっとずつはがしたりしたことを思い出します。

去勢していないネコちゃんが傷周囲をパワフルにかきこわしていたこと、そして飼い主さんが愛情深い方であり、その症状を早くなんとかしてほしいと強く懇願していたことが相まってこのような結果に…?

もちろん、飼い主さんの主訴をまず受け止めることは大切です。よく気持ちを汲んでくれるような先生は、治療成果の如何にかかわらず人気がありますよね。

しかしその中でも、本当にいい人過ぎて何でも言いなりみたいになってしまう先生もいれば、どれくらい意図的なのかは別にして、表面的ニーズに寄り添う優しさや正義を説くことが、いい商売になるから?と感じさせるケースもあるのです。

こういう微妙な隙間から虚像が生まれて混乱し、多くの人が両極端な対応へと向かってしまうのでしょう。

 

言いなりになっていた方が…治らなくても、表面的ニーズに応える薬を出す方が…儲かる!?

(デーヴ・スペクターさんが統一教会問題が報道されるようになってから――信じると者を書くと「信者」になりますが、合わせると「儲かる」になる――とツイートしてバズってましたね!)

 

今回みたいなケースは「そんなドヤ顔で言うレベルのことじゃないだろ!俺は絶対そんなことせんわ!」という先生も多いと思います。

しかしながら同業者と話したり、ネット上の記述を見たりすると、「そんなことも知らないの!?」と驚くことも、おそらく驚かれていることもあるように感じるのです。

なにせ動物医療は内科や外科、眼科から歯科、動物の種類の差をも幅広く網羅しなければならず、体全体の流れを感じられるメリットがある反面、苦手分野も出てきてしまうのです。

自省を込めて書きますが、プロのプライドなどと言いながら人の失敗には笑い、気づかぬまま表面的な言葉に振り回され、大同小異のことをしている臨床家がほとんどなのではないでしょうか。

多くの人にはご理解頂けると思いますが、ギャンブルで勝った時だけ鬼の首でも獲ったかのごとく自慢し、負けてる時はギャンブルしてること自体を隠すような方々も多いですからね。

訳知り顔でこんなことを書いている奴に限って「表面的な言葉に惑わされないぞ」という思いが強すぎ、大切な主訴を軽視し、逆方向の失敗しているのに気づいてなかったりもするのでしょう。

このような難しい問題への思考から、私は動物には優しいけれど、飼い主にはそっけない、または厳しいと評されることがあります――「申し訳ありません」と言うしかありませんが、おそらくこの問題がからんだケースほどそういう傾向が強くなってしまうものと思われます。そのため伝わりにくいこともありますが、代わりに上述の例のような表面的ニーズをソフトに満たす精神安定作用のある漢方などを処方しています)

まあ、このケースはそんなに複雑ではないのですが、根本的には同じような形で、現代社会の理想としてあがめられているある種の配慮によって、シンプルであったはずの問題が複雑になってしまっている例が実の所けっこう多いのではないか?と感じるのです。

(人の医療上のあれこれも…しかしこの話はプロでもピンと来る人と来ない人の差が激しいと思われ、具体例を出すと炎上するくらいこんがらがっています)

そのような混乱を生む原因はいったい何なのか?

数々の修羅場をくぐりぬけてきたであろうこの黒白ネコちゃん♂の写真を見ながら、みなさんにも考えてみてほしいのです。

実際これを上回るケースが遠方からやってくることに……(→治らない傷

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