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少し前の中国を知るには・・・

2011年03月24日 | 世界史

先日、行きつけの本屋さんである本を発見しました。

「社会主義への挑戦」という本。

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実はこれ、ボクが大学のときお世話になった指導教官(久保 亨 教授)が書かれた本です。

久保先生は、中国現代史を専門にされてる方で、とくに1945年~49年の中華民国期の経済史を研究されています。

ボクは学生時代、人文系の学部で東洋史を専攻していました。当時、経済史を学ぶのはちょっと難しかったけど、どうして国民党(蒋介石)政権が急速に民衆から支持を失って、共産党(毛沢東)軍への支持が高まったのかを当時の経済状況・中国が置かれた政治的状況を踏まえながら講義されたおかげで、とてもわかりやすかったし、とても興味深かった。

2年次からゼミにも参加しました。
ほぼ毎月1度は回ってくる史料講読はホント大変だった。。。
ただでさえ、中国語が苦手だったボクにとって、原文を日本語訳するのは大変な労力と時間を要したし、訳する時の苦労(訳の違いで微妙にニュアンスが変わるし、意味をとりちがえてしまう)を痛感しました。

史料講読では、45~49年に発刊されていた経済紙「週報」「経済報」を日本語訳して当時の財界人や一般市民が経済状況の悪化をどう認識し、日々の暮らしを送っていたか「生の声」を通して中国像を描き出していった。

中国語が苦手なボクにとって『忍耐力』を必要としたゼミだった。けれども、ほうり出さずに卒業まで取り組んだおかげで、当時の中国の状況を深く理解できたのではないかと感じているし、今の仕事でも少しはその知識が役立つときがあります。


本書「社会主義への挑戦」は、『シリーズ中国近現代史≪全6巻≫』の第4巻にあたる。

1巻 「清朝と近代世界 19世紀」
2巻 「近代国家への模索 1894-1925」
3巻 「革命とナショナリズム 1925-1945」
4巻 「社会主義への挑戦 1945-1971」

現在、5巻・6巻は未巻である。

こうして並べてみるとわかるように、19世紀~1970年代そして現代中国までの通史をあつかったものだ。しかし単に通史というわけではない。新書にもかかわらず、蒋介石・毛沢東・林彪・劉少奇など歴代の指導者のエピソード、共産党内部の対立や個人的なエピソードなどがわずかな紙面のなかにふんだんに盛り込まれている。だからスラスラ読めるし、わかりやすい筆致で書かれているから理解もすすむ。

45~71年という時代は、中国にとって激動の時代といえよう。
国共内戦、五カ年計画の実施、その成果としての「大躍進」の失敗、毛沢東の失脚、プロレタリア文化大革命(文革)による大混乱。

まさしく激動に次ぐ激動。
めまぐるしいまでに中国は動いてきた。しかも影響はけっして小さいものでなかったし、現代まで影響が引き継がれているものもある。

本書のなかで、とくに目を惹くのが「大躍進」の経過と成果であろう。
人民公社(農民の職住一致の社会集団といえようか)の設立によって、農業・工業を集団化させた(多くの労働者が働けばより生産性が高まる、という発想)けれども、けっきょくは膨大な資源と労働力を浪費したに過ぎない。
党中央から指示される過大な生産目標は生産量の実態を反映したものでもなんでもなく、「絵に描いた餅・実現不可能な数値」でしかないという状況は唖然とさせられる。
末端現場では、目標を達成できなければその地方の責任者は処分される。処分を恐れて、党中央には「虚偽」の実績報告がされる。「虚偽」の実績報告に基づいて、次の年の生産目標が決まられる。そして、地方にその達成が指示される。この繰り返しなのである。

末端の人民公社、地方の実情はムリな生産と資源の浪費から生産量の激減、そして天候不順が追い打ちをかけたせいで、大量の餓死者が出たといわれている。「大躍進」のころには、中国全土で1000万人の餓死者が出た・・・。

すさまじい数である。


中国はスケールの大きな国だ。

その怒涛の歴史を知るには、絶好の本だと思う。

















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