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 藪中さんも一つ忘れてないか?

米国はウクライナ戦争を止めたいのか続けたいのか、元外務次官が首を傾げるブリンケン国務長官の外交センス

 外交って別に国務長官だけで決めているわけでは無い。むしろブリンケンだけでなくバイデンとの関係がどうなのか?という問題もあるはずだ。その辺の齟齬が外交にどう反映されているのか?という問題もあるはずだ。もっといえばロシアが勝てない事を知っていて戦争を長引かせている可能性も少なからずあるはずだ。ロシア経済は本来なら既に破綻していたはずだ。ロシアの中央銀行総裁が天才的な金融政策で辛うじて崩壊を食い止めただけ。ただし一過的である。ロシアの軍事力が思った以上に機能しないという現実が白日の下に曝された(アメリカ製のドローンもイマイチである事がバレてしまったが)。ロシアに対するブリンケンの対応が酷かったのはその方がロシアにとって強気に出る事ができるという判断だったんじゃなかろうか?失敗だったが。アメリカの方が国力が上でそれがウクライナを支援するかもしれない脅威を抱えながらロシアが戦争を仕掛けるわけが無い、という勘違いがあったかもしれない。クリミアと違って短時間で終わる戦争にはならないと予想して実際にそうなったがロシアはそうは思っていなかった。電撃戦でキエフまで占領するという作戦を立てていた。まさか膠着するとは思っていなかったのが他ならぬロシア側の見立てである。アメリカは最初から短期決戦は無理で割に合わないから止めるだろうという意識とロシアは短期決戦で勝てるという意識のズレがそのまま外交に反映されてゼロ回答という判断を持ってロシアにはクリミア侵攻の制裁解除の糸口を与えない、というのがブリンケンの立場だったのだろう。ロシアを相手にしなかったのは外交の防衛ラインがクリミア併合の後始末でありロシアがクリミア半島を手放さない限りロシアと制裁に関する交渉をしない、という大前提でならブリンケンの外交判断は十分ありえたはずだ。フェイズが変わってしまってその前提が完全に忘れ去られた今になってそこの対応を今の感覚で語るのは違うのではないか?アメリカの対応はあくまで「クリミア併合に対するロシアとの外交」という前提でしかなかった。検証の前提が違うような気がする。



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