goo blog サービス終了のお知らせ 

SENgoKU anD VISIon -乱世を追う-

戦国・江戸時代 武将 甲冑・刀剣・茶道具 博物館・美術館・城・茶室などを巡る拝見記。その他の雑記もあり。

2502 根津美術館 片桐石州の茶

2025-03-16 | 探訪
東京は青山

根津美術館

特別展 武家の正統 片桐石州の茶
期間:2月22 日(土)~3月30日(日)

共筒茶杓 銘 芳春大和尚拝上 片桐石州作
白竹で一本樋、節下側面を角削りとし切止めは一刀で断って断面を直角にする。
筒は贈筒で「芳春大和尚 拝上」「宗関」とあり石州より大徳寺塔頭・芳春院の開祖である玉室宗珀に進上されたもの。
玉室宗珀は石州の参禅の師であった。
共筒茶杓 桑山宗仙作
胡麻竹を用い櫂先は丸撓めで直腰。石州の替筒が添い「宗仙老作 石」と桑山宗仙作であると石州が極めている。
桑山宗仙こと桑山貞晴は武将茶人。千道安に茶を学び、片桐石州の茶の師であった。
唐物肩衝茶入 銘 師匠坊
大名物。銅が大きく張った唐物の肩衝茶入。大和の東大寺の塔頭・四聖坊に伝来した事からこの名で呼ばれた。
『天王寺屋会記』『松屋会記」などにその名が見え、天正年間の頃まで四聖坊にあった事が分かっている。
その後は大和を治めた豊臣秀長、小早川秀秋、徳川家康、山内一豊、徳川秀忠、藤堂高虎、徳川家光、酒井忠勝、徳川家綱、紀州徳川家2代光貞、徳川綱吉、加賀前田家5代綱紀と伝わり以降は加賀藩前田家に伝来した。
寛文5年(1665)11月8日に片桐石州が将軍・徳川家綱へ献茶したときに用いた。これにより茶人石州の名声は一層高まったとされる。
唐物文琳茶入 銘 宇治
胴の部分が丸く膨らんだ形から文琳(林檎)と呼ばれる茶入。ただし通常の文琳茶入より肩が張っているのが特徴。
片桐石州所持で、石州より肥前平戸藩4代・松浦鎮信へ700両で進上された。昭和9年の松浦家売立てにより近代茶人の松永耳庵が入手している。
松浦鎮信は片桐石州に茶を学び鎮信流を立てた。

この他、松平不昧・酒井宗雅、井伊宗観など石州流を学んだ大名茶人関連の道具も展示。
片桐石州(貞昌)は大和小泉藩2代藩主で、父・片桐貞隆は賤ヶ岳の七本槍に名を連ねる片桐且元の弟にあたる。
茶人としての名声は高く、名杓を数多く作り、慈光院の高林庵や當麻寺中之坊の丸窓席などの茶室が今も残る。


コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。