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赤坂味一

2005-06-19 09:47:40 | ラーメン店調査 (36~40点)
船橋市内にある魚介醤油系ラーメン店の老舗である。元々東京都は港区赤坂に店舗を構えていたのだが20年ほど前にこちらに店舗を移し、現在までに至っている。3年前の石神本には掲載されていた店なのだが「石神本2003~2004」からは落ちていたため味の低下が懸念されたものの、私の知人であるP女史がよく利用している店とのことだったので、機会を見つけて食べに行くつもりであった。

事前に入手したラーメンの写真やP婦人の実食報告などからテイストは「永福大勝軒」に近いんだろうとの当たりを付けていた。であれば煮干しが利いた魚介系の醤油スープの上にカメリアラード油が湛えられているはずである。

永福大勝軒」系のラーメンならばそれ程大外れはしないはずである、むしろ船橋随一の名店だったりするのではないか。と、意気込んで訪問したら最初から何と先客が0名、客は私だけという状況であり、度肝を抜かされたものである。

気を取り直してカウンター席の左端に陣取り、中華ソバとおにぎりをオーダーした。この店、何と中華ソバ1杯がたったの500円、一般的にラーメン屋においては最も高価格な贅沢品であるチャーシューメンでも値段はたったの650円と破格である。今時、チャーシューのオプションがたったの150円ぽっきりという店は珍しい。一方、メンマラーメンの価格は700円。決して高くはないが、チャーシューのトッピングよりもメンマのトッピングの方が高いとは一体、どういうことなのだろうか。

よほど粗悪なチャーシューを使用しているのだろうか。などと考えていたら中華ソバが完成したようだ。早速ビジュアルを数秒間観察してみる。やや大ぶりな丼にかなり多めの中細縮れ麺が泳ぐという「永福大勝軒」系ならではのスタイル。スープの表層をラード油が覆っているところまでそっくりだ。だが、具として載せられているチャーシューとメンマが麺の分量と比較するといかにも頼りなさげである。特にチャーシュー。見た目にもはっきりと品質が悪いだろうことを想起させるような出来映えであり、一目見た瞬間に、チャーシューを食べるのは後回しにしようと決意する。

何はともあれスープを一口味わってみることにした。ラード油の味わいが程良く利いた煮干しの風味が強いスープである。「永福大勝軒」と比較すればラード油の量が少なく、その分煮干しの苦みが前面に出ている嫌いはあるが悪くはない。と思いつつスープを飲み進めていく内にラード油がなくなってしまい、それとともに、煮干しの苦味だけが突出する飲みにくいスープに変貌してしまった。おそらく煮干しに頼りすぎるがあまりに軸となるべき醤油の味わいがどこかに飛んでしまっているのであろう。しっかりしたタレを用いていないのではないかと推察される。

中細縮れ麺のスープの持ち上げは良い。かなり大量のスープを絡め取るような工夫が凝らされているらしく、ラーメンづくりのマニュアルを着実に守っている痕跡を垣間見ることができるが、スープが苦いため、それはそれでなかなか辛いものがある。

具のチャーシューは上で述べたとおり論ずるに値しないような代物であり、たとえチャーシューメンが650円と破格の値段で食べることができたとしても私としてはそれをお勧めする気にはならない。

評価としては、麺:9点、スープ:11点、具:2点、バランス:7点、将来性:7点の合計36点といったところか。

このテの魚介系醤油ラーメンがそれほど普及していない千葉県においては貴重な存在であることに間違いはないが、特にスープと具のクオリティには改良の余地があるのではないかと感じた。更なる努力を促したい。


所在地:千葉県船橋市
実食日:2004年3月

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