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中華そば一龍

2005-05-07 10:34:04 | ラーメン店調査 (36~40点)
学生の街として名高い下北沢の一角に20年もの長きにわたって店舗を構える古豪。2004年現在においては、必ずしも名声が内外に轟き渡るといった感じではないが、それでも私が上京してきた10年余り前から、下北沢のラーメン屋と言えば「中華そば一龍」というのが半ば常識と化していたし、現在でもそのような状況が変わることはない。つまり私が知る限りにおいても、少なくとも10年以上は下北沢の顔として親しまれ続けてきたわけであり、栄枯盛衰が激しいラーメン屋の世界において、この実力はただ者ではない。

鶏ガラと豚骨をじっくりと煮込んで作ったスープは、愚直であると言っても過言ではないくらい穏やかかつ優しい味であり、特に鶏ガラから分泌される成分から醸成される口当たりは、昨今のラーメンブームのひとつである「鶏ベースのスープ」を彷彿とさせるものがある。もちろん「一龍」のスープがこのようなブームに便乗したものでないことは言うまでもなかろう。この店は20年にもわたって変わらない味を提供し続けているのだから。

中華そばの大盛りを注文したが、麺もスープの持ち上げが良いものを使用しており安定感がある。具はあらかじめ少量の紅生姜が載せられているのがユニークで面白い。通常ならばスープの味が変わってしまう紅生姜を直接デフォルトで具として選択することなど有り得ないのだが、「一龍」の場合に限っては、この冒険とも言えるような選択がスープの個性を引き立たせることに成功しており、悪くはない。ただしチャーシューは昔ながらの硬い豚肉を使っているらしく不満が残る。モヤシもスープの味を薄めてしまう可能性があるため、分量を減らしてはどうだろうか。

採点は、麺:10点、スープ:14点、具:2点、バランス:7点、将来性:7点の合計40点。

20年前から営業しているラーメン屋としてはよく健闘しているといえよう。最近オープンした実力店と比較すれば、お世辞にも「「一龍」の方が旨い」とは言えないが、そもそも旨いラーメン屋そのものが少ない下北沢界隈において「一龍」の実力の高さは貴重なものがあるだろう。


所在地:下北沢
実食日:04年1月

採点方法について
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