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白河中華そば一番・胤暢番

2005-05-07 11:15:27 | ラーメン店調査 (36~40点)
小田急線梅ヶ丘駅前の中華料理屋として30年間にわたって地元の人たちから愛されてきたいわゆる「愛すべき街の料理屋さん」がこの度、白河ラーメンを食べさせるラーメン屋として華麗なる転身を遂げた。

福島県白河で食べた「とら食堂」のラーメンの味に感動し、感化された2代目店主が一念発起の末、白河ラーメンの作り方をマスターし、ここに「白河中華そば一番・胤暢番」が誕生したわけである。首都圏において白河ラーメンを食することができる数少ない店のひとつである。

ただ、私が訪れた時には、その2代目店主は厨房にはおらず、先代と思しき好々爺とその奥さんと思われるお婆さんの2人だけが厨房で料理を作っていた。メニューは、らーめん、わんたん麺、焼豚麺、焼豚わんたん麺、つけめんに「梅ヶ丘たんめん」という、どうしてこの品にだけ「梅ヶ丘」の名称を冠しているのか不思議で仕方がないラーメンと餃子、ライス。それ以外のメニューは存在しないはずなのに、なぜか私の隣の昔からの常連と思しき客は野菜炒めを食べていた。中華料理屋だった時代の名残だろうか。

ラーメン本を頼りに食べ歩きをしていると、時にこのような地元密着型の店に出くわすことがある。大抵は地元の昔からの常連と思しき客が店の人と談笑しており、いささか肩身が狭い思いをするものであるが、この店はまさに地元密着型店舗の極致。店の人間と客がお互いに名前まで知っているような状況が当然といった雰囲気であり、食べ歩きでフラリと店を訪れた一見客にとってはかなり厳しいシチュエーションが容赦なく展開される。

ちなみに私が入店した時には先客が5名ほどいたが、彼らは全員常連。「お爺ちゃん、今日の営業は何時までなの」「8時にしようかと思ってる」「そっか、もうすぐ○○ちゃんも来ると思うから、それまでは店開けといてよ」「じゃあ、餃子でも作っとこうか。あいつは餃子が好きだからな」などという会話が飛び交う店内だ。

私のオーダー「焼豚わんたん麺」の方が奇妙に見えるような雰囲気だ。正規のメニューに従ったオーダーをしているのは私の方なのに。これは早く食べて引き上げなければ。そう決意して供された「焼き豚わんたん麺」を啜り上げた。スープは悪くない。鶏と豚でコツコツ煮込んだスープはこれといった華やかさはないが、しみじみと情緒深い。旨いという表現は当てはまらないが、案外グイグイと飲めてしまう。麺はスープとの絡みを最大限に活かした平太縮れ麺であり、本場の白河ラーメンそのもののテイストを遺憾なく継承している。具のチャーシューとワンタン、特にワンタンはなかなか旨かった。

麺:11点、スープ:11点、具:3点、バランス:7点、将来性:6点の計38点。

といったところ。2代目店主不在時における実食だったため、この評価が正当なものであるか否かは不明だが、白河ラーメンそのもののグレードがいくら頑張っても40点前後といったところかなという部分は否めない。一度食べてみるのも悪くはないが、小田急線の梅ヶ丘付近にはもっと旨い店がたくさんあるので、私としてはそちらをチョイスすることをお薦めしたい。


所在地:梅が丘
実食日:04年1月

採点方法について
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