いささか唐突ではあるが、ここ最近のラーメン店の進出状況やそれらの実力などを総合的に考えてみると、現在東京23区内では高田馬場が最も実力店が揃っている街だと思う。
我がラーメン課が歴史的な名店として推奨する10店舗のうち、3店舗(「べんてん」「渡なべ」「純連」)を擁し、さらに「俺の空」という超大型新人がその一翼に加わった。他にも、昔からコツコツと馬場の地で味噌ラーメンを作り続けてきた「えぞ菊」、早稲田生の胃袋を満たす「メルシー」などの地元密着型の店、さらには「天下一品」「一風堂」などのチェーン店までが乱立し、まさに百花繚乱の相を呈しているのである。他のエリアであれば、間違いなく実力上位店であろうと目される店が、この土地では単なる平凡なラーメン屋と見なされる。高田馬場の実力がどれほどのものなのか少しはお解りいただけただろうか。
「つけ麺やすべえ」はこのような超激戦区、高田馬場に昨年の4月に店舗を構え、コツコツと地道に固定客を増やし続ける真面目で実直な店である。
席数は、オールカウンターの24席。高田馬場に居を構える他の人気店と比較すれば格段に広い店内だ。24席という他店に比して豊富な席数と、昼・夜の通し営業という長時間営業のお陰で、基本的に行列に加わる苦痛を味わうことなくすんなりとラーメンを食べられる。私は、この店にこれまで4回通ったが、一度も行列を目撃したことはない。客の側に立ってみれば有難い限りなのであるが、ある意味有難味が薄れているような気がするのは、果たして私だけだろうか。
「つけ麺やすべえ」という店名の通り、ラインナップの中心は「つけ麺」であり、そのバリエーションも豊富だ。とりわけ「辛味」を冠する、激辛系つけ麺は「やすべえ」の自信作である。つけ麺にもオリジナルの醤油ベースのつけ麺と、味噌ベースのつけ麺の2種類が存在し、選択肢は幅広い。
この店での私のデフォルトは「つけチャーシュー麺、大のあつもり」である。この注文について少し補足しておこう。つけ麺とは、スープと麺とが別皿で供されるスタイルのラーメンであり、通常、スープは温かいが、麺は冷水で締められて提供される。簡単に言えば、冷たい麺を温かいスープに浸けて食べるのである。これはこれでメリットもあるのだが、麺の分量が多かった場合、冷たい麺に浸けていく内にスープが冷めてしまうという致命的な欠陥があり、私としてはあまり好みではない。実際にスープが冷めてしまうことを嫌う人間も多く、それを解決するために麺の方も温かいままで提供するスタイルが生まれた。それが「あつ」である。「つけ麺をあつで」と頼めば店側は麺を冷水で締めることなくそのまま出してくれる。
さて話を本題に戻そう。この店も最近のつけ麺店によくある、いわゆる「どか盛り系」の店であり、小(並)が220g、中が330g、大が440gと分量がかなり多めである。標準的な胃袋を持つ女性ならば「小」、男性ならば「中」で十分な満足が得られることだろう。
オリジナルのつけ麺は、かなり太めの加水率の高い麺を甘辛のスープに合わせて食する「東池袋大勝軒」系のスタイルを踏襲しているが、卓上に刻みタマネギが置かれており、それをスープに加えると、「大勝軒」とはまた違った独特の風味を楽しむことができる。
特に、麺とスープとタマネギが三位一体となって、口の中で混ざり合う瞬間は至福の境地。チャーシューは肉の軟らかい部位のみを使い、細かくブロック状に刻み込んだもの。これをトッピングするとコクが格段に増すので、是非「つけチャーシュー麺」の注文をお薦めしたい。
評価としては、(1)麺10点、(2)スープ16点、(3)具5点、(4)バランス9点、(5)将来性10点の50点を与えたい。麺の評価が10点と相対的に低めに出ているのは、同系列の他の超実力店と較べて、若干パンチが弱いかと思うからである。気になるほどの違いではないが。その他の項目に取りこぼしはない。
これ程の店で行列せずに食べられるということに感謝するとともに、高田馬場の実力がいかに高いのか改めて驚愕せざるを得ない。私はこの店を「べんてん」「渡なべ」に振られたときの貴重な押さえとして有効活用させてもらっている。「純連」とは甲乙付けがたく、あとは趣味・嗜好の問題であろう。
所在地:高田馬場
都内各地に支店あり
実食日:03年2月
→採点方法について
我がラーメン課が歴史的な名店として推奨する10店舗のうち、3店舗(「べんてん」「渡なべ」「純連」)を擁し、さらに「俺の空」という超大型新人がその一翼に加わった。他にも、昔からコツコツと馬場の地で味噌ラーメンを作り続けてきた「えぞ菊」、早稲田生の胃袋を満たす「メルシー」などの地元密着型の店、さらには「天下一品」「一風堂」などのチェーン店までが乱立し、まさに百花繚乱の相を呈しているのである。他のエリアであれば、間違いなく実力上位店であろうと目される店が、この土地では単なる平凡なラーメン屋と見なされる。高田馬場の実力がどれほどのものなのか少しはお解りいただけただろうか。
「つけ麺やすべえ」はこのような超激戦区、高田馬場に昨年の4月に店舗を構え、コツコツと地道に固定客を増やし続ける真面目で実直な店である。
席数は、オールカウンターの24席。高田馬場に居を構える他の人気店と比較すれば格段に広い店内だ。24席という他店に比して豊富な席数と、昼・夜の通し営業という長時間営業のお陰で、基本的に行列に加わる苦痛を味わうことなくすんなりとラーメンを食べられる。私は、この店にこれまで4回通ったが、一度も行列を目撃したことはない。客の側に立ってみれば有難い限りなのであるが、ある意味有難味が薄れているような気がするのは、果たして私だけだろうか。
「つけ麺やすべえ」という店名の通り、ラインナップの中心は「つけ麺」であり、そのバリエーションも豊富だ。とりわけ「辛味」を冠する、激辛系つけ麺は「やすべえ」の自信作である。つけ麺にもオリジナルの醤油ベースのつけ麺と、味噌ベースのつけ麺の2種類が存在し、選択肢は幅広い。
この店での私のデフォルトは「つけチャーシュー麺、大のあつもり」である。この注文について少し補足しておこう。つけ麺とは、スープと麺とが別皿で供されるスタイルのラーメンであり、通常、スープは温かいが、麺は冷水で締められて提供される。簡単に言えば、冷たい麺を温かいスープに浸けて食べるのである。これはこれでメリットもあるのだが、麺の分量が多かった場合、冷たい麺に浸けていく内にスープが冷めてしまうという致命的な欠陥があり、私としてはあまり好みではない。実際にスープが冷めてしまうことを嫌う人間も多く、それを解決するために麺の方も温かいままで提供するスタイルが生まれた。それが「あつ」である。「つけ麺をあつで」と頼めば店側は麺を冷水で締めることなくそのまま出してくれる。
さて話を本題に戻そう。この店も最近のつけ麺店によくある、いわゆる「どか盛り系」の店であり、小(並)が220g、中が330g、大が440gと分量がかなり多めである。標準的な胃袋を持つ女性ならば「小」、男性ならば「中」で十分な満足が得られることだろう。
オリジナルのつけ麺は、かなり太めの加水率の高い麺を甘辛のスープに合わせて食する「東池袋大勝軒」系のスタイルを踏襲しているが、卓上に刻みタマネギが置かれており、それをスープに加えると、「大勝軒」とはまた違った独特の風味を楽しむことができる。
特に、麺とスープとタマネギが三位一体となって、口の中で混ざり合う瞬間は至福の境地。チャーシューは肉の軟らかい部位のみを使い、細かくブロック状に刻み込んだもの。これをトッピングするとコクが格段に増すので、是非「つけチャーシュー麺」の注文をお薦めしたい。
評価としては、(1)麺10点、(2)スープ16点、(3)具5点、(4)バランス9点、(5)将来性10点の50点を与えたい。麺の評価が10点と相対的に低めに出ているのは、同系列の他の超実力店と較べて、若干パンチが弱いかと思うからである。気になるほどの違いではないが。その他の項目に取りこぼしはない。
これ程の店で行列せずに食べられるということに感謝するとともに、高田馬場の実力がいかに高いのか改めて驚愕せざるを得ない。私はこの店を「べんてん」「渡なべ」に振られたときの貴重な押さえとして有効活用させてもらっている。「純連」とは甲乙付けがたく、あとは趣味・嗜好の問題であろう。
所在地:高田馬場
都内各地に支店あり
実食日:03年2月
→採点方法について
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