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羅漢さんの托鉢日記

私の勤める、葬儀社羅漢では、お客様お一人お一人を訪問する、営業方法をとっています。これを托鉢と称します。  

棺の後ろにあるのに「棺前」ですか?

2009-12-19 20:33:11 | ちょっとためになる話

自宅葬の白木祭壇



祭壇」は誰もが知っていると思います。
御本尊がある祭壇の一番上の部分を「棺前(かんまえ)」といいます。
「それは知らんよ」と言われそうですが・・・

まだ新人だった頃、
棺の後ろに飾るのに、何故「棺前」っていうんだ?
しばらくは疑問を抱いたまま仕事を続けていた。

やがて、葬祭ディレクターの資格を取るための勉強をはじめた頃、
その疑問が解けた。

かつて葬儀は、自宅での法要と、葬列を組んで葬場あるいは菩提寺に行っての法要という
「二段構え」でした。この二つの法要が合体し、特に葬場あるいは寺院での葬儀の飾りが
現在の祭壇の原型になったと思われます。

葬列があった当時の飾りは、棺の前に小机を置き、白布で覆い、
その上に線香立て、ロウソク立て、花立て、位牌、供物などを置き、
後ろには葬列で用いた幡、天蓋などの野道具を並べるといったものでした。
やがて、小机が大きくなり仏壇や盆棚のように段になり、二段、三段と増えていきました。

棺は白木の輿(こし)に載せた形で安置されましたが、
その輿が飾り物となり、「棺前」と言われるものになりました。
また、輿の中、あるいは棺前の後ろに置かれていた棺は、
移動に便利なようにと次第に祭壇の前部に置かれるように変化していきました。

私が長崎県の葬儀社で仕事をしていた十年程前、
自宅葬での出館時、まだ葬列がある地域も残っており、
四本幡、天蓋などの切り紙も葬儀社側で準備していました。

さらに、寺院葬をするある地域では、
内陣でお経があがり、本堂に棺が置かれ、
さらにその後ろの本堂の入り口付近に小さな祭壇を設け、
参列者は外からお参りするというものでした。
まさに「棺前」の後ろに棺が置かれていたのです。

知ったからといっても、
さほど“ためになる話”ではありませんでした。

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