ジェットのサッカ-blog 

浦和レッズとサッカ-情報を中心にニュ-スや日記など書いてます。コメントもお願いします。 We are reds !

日本サッカー界に激震…オシム監督が急性脳梗塞で緊急入院

2007-11-17 12:10:26 | Weblog
http://www.sanspo.com/soccer/top/st200711/st2007111709.html

2007年11月17日 更新

日本サッカー界に激震…オシム監督が急性脳梗塞で緊急入院


 サッカー日本代表のイビチャ・オシム監督(66)が16日午前2時ごろ、千葉県浦安市の自宅で急性脳梗塞(こうそく)で倒れ、同市の順天堂大浦安病院に緊急入院した。日本協会の川淵三郎キャプテン(70)は、同監督が集中治療室(ICU)で治療を受けていることを明かした上で「命を取り留めてほしい」と涙ながらに話し、病状の深刻さをうかがわせた。





 オシムが倒れた。2010年南アフリカW杯へ向けて日本代表を指揮する名将が、急性脳梗塞を発症して緊急入院。強い寒気が日本列島を襲ったこの日、日本サッカー界を震え上がらせる衝撃の報が飛び込んだ。

 「命を取り留めてほしい…と願っております」

 日本協会内で緊急記者会見を行った川淵キャプテンの言葉が、事態の深刻さを物語る。「かなり厳しい状況です」。会見では何度も声を詰まらせ、瞳を潤ませた。

 病院を訪れた田嶋幸三専務理事ら日本協会関係者によると、オシム監督は15日深夜、自宅のテレビで日課としている欧州サッカー観戦をした後、16日午前2時ごろに就寝しようと2階へ上がった直後に倒れたという。夫人のアシマさんが異変に気づき、同居する長男でJ1千葉監督のアマル氏がすぐに対応。自宅近くの病院へと搬送された。

 緊急事態を受け、16日午後5時前に記者会見した川淵キャプテンは「急性脳梗塞で、現在は集中治療室で治療を行っています」と明かし、「急性期のため症状は不安定です。長期的な展望については、現時点でお話しする段階ではありません。医療チームが治療と全身管理を行い、最善の治療をしています」と涙ながらに説明した。脳神経内科・脳神経外科医師団の田中茂樹教授を中心としたチームが治療にあたっているが、予断を許さない状況だという。

 66歳と高齢で、体重90キロ以上の巨漢。心臓に持病を抱え、その健康状態は昨年7月の就任当初から不安視はされていた。就任以来、日本協会との約束および協力で、東京・文京区の順天堂病院で毎月健康診断を実施。心臓や糖尿病、血圧などの検査を欠かしていなかった。7月に猛暑の東南アジアで行われたアジア杯指揮も乗り越えるなど、最近は大きな不安を見せず、検査数値は逆によくなっていた。2日前の14日は浦和のアジアCL決勝(埼玉ス)、前日15日も古巣・千葉の練習試合(秋津)を、会場まで足を運んで視察していた。

 W杯アジア3次予選は来年2月に迫っている。川淵キャプテンの願いが通じて命を取り留めたとしても、手足の運動障害や言語障害などの症状が残る可能性はある。04年3月にはアテネ五輪野球日本代表監督の長嶋茂雄氏がオシム監督と同じ脳梗塞で倒れ、8月の本番では中畑清氏が代役として指揮を執っている。日本協会としては後任監督の人選も必要となってくるが、川淵キャプテンは悲痛な表情で口にした。

 「今は代表どうこうよりも、オシム監督に治ってほしい」

 97年11月16日にマレーシア・ジョホールバルで日本代表がイランを延長3-2で下し、初のW杯出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」からちょうど10年目に、日本サッカーの未来を揺るがしかねない悪夢が襲いかかった。難解な試合をいくつも乗り越えてきた世界的知将、オシム監督。しかし今はただ、医療と天命に身を任せるしかない。


■イビチャ・オシム
 1941年5月6日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(旧ユーゴスラビア)・サラエボ生まれ、66歳。現役時代のポジションはFW。59年に地元のFCゼレツカニール・サラエボでプロデビュー。以後、主にフランスリーグでプレーし、現役を引退した78年から指導者として活躍。86年にユーゴスラビア代表監督に就任し、90年イタリアW杯8強に導く。03年に市原(現千葉)監督に就任、05年にナビスコ杯優勝に導いた。06年7月に千葉監督を退任し、日本代表監督に就任した。



■オシムジャパン歴戦アラカルト
 ★キリン杯優勝 07年6月。第1戦でモンテネグロに2-0で快勝。続くコロンビア戦では引き分けに終わったものの、得失点差で優勝した
 ★アジア杯4強 同7月。3連覇を目指し、1次リーグを2勝1分けで首位通過。準々決勝で豪州にPK勝ちしたが、準決勝ではサウジアラビアに2-3で敗れた。3位決定戦では韓国にPK負けを喫した
 ★3大陸トーナメント優勝 同9月。第1戦でオーストリアにPK負け。第2戦のスイス戦では前半2失点したが、逆転で4-3勝利。得失点差で優勝した



■脳梗塞
 脳の血管に血栓が詰まって血流が滞り、酸素や栄養素の供給を受けている周辺の脳細胞が死んでしまう病気。半身まひや言語障害などの後遺症がでることが多く、その重症度は起きた場所や規模で決まる。できるだけ早く血流を再開させることが大切で、発症3時間以内なら、05年10月に承認された治療薬「tPA」で血栓を溶かす治療が有効とされる。それを過ぎても他の「血栓治療薬」やカテーテルを使った血管内治療があるが、早期の治療開始が重要になる。危険因子としては高血圧や高脂血症、喫煙、飲酒、肥満などが挙げられる