スケッチしとこ

世界の巨匠の作品や動画をじ~っくり眺めてインスパイアさせていただき
自分のモノになったら、これって最高~

#怖い話10 フロントガラスが突然、真っ白に

2015-06-12 16:17:57 | 怖話

絵の姑息な小ワザ披露から飛んできていただいた方

怖い話ファンの方ですね

いつもありがとうございます

 

怖い話苦手な方はこちら↓へ

『かかと踏みつぶして歩けるなら、やってごらん』をお楽しみください

( ↑ そんなタイトルではない)

 

では、始まります

 (ちょっと笑える怖い話)

 

皆さまは、突然

運転中のトンネル内で

フロントガラスが、

一瞬にして真っ白になったことはあるだろうか。

 

 

死ぬ!

 

そう思った瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごぉ~い~」

 

後部座席から、Sの声がしたのだ。

 

 

 

話は数日前に遡る

 

俺は小さい頃から霊感が強く

いわゆる 『感じる人』 だ。

 

幸か不幸か、視えない。

 

某日

お墓移転ということで、

親戚が一通り集まり

墓堀りを行った。

 

分家なので、

墓といっても

明治時代からの比較的新しいものだ。

 

業者がユンボを使い、丁寧に作業してくれ

土葬されていたものも、一体一体拾い集める。

 

役場へ申請に行き、

翌日は

火葬されているものも含め、再度火葬。

 

拾い集め、それぞれの骨壺へ。

取り敢えず、分家の床の間へ連れ帰ったことがあった。

 

遠くからこのために来た者もいたので

 

俺は、

 

空港まで送っていくことにしたんだ。

 

 

夕暮れのちょうど魔の刻っていうの?

 

逢魔時(おうまがとき)っていうのかな。

 

そんな言葉の意味を考えることがあるなんて。

 

 

空港で身内を見送りして

車のエンジンをかけた時は、小雨が降り始めていた。

 

ぼやぁっと、もやがかかっていて

水の中に

いるみたいだな・・って

なんとなく思ったんだ。

 

空港駐車場から出て

右折すると、

 

すぐにトンネルに入る。

 

対向車のライトを見て

日曜日だけど、夕方だし

車の量が増えてるなぁ・・

なんて、考えたりして。

 

ここ数日、色々忙しかったけど

片付いて良かった。

 

ちょっと、疲れが出てきたかな・・・

 

そう、思った瞬間だった。

 

フロントガラスが、全面 真っ白に!!

 

え?

ナニこれ!

 

ちょ、

死ぬ!

え?

俺、このまま死ぬの!?

 

前が見えん!

ナニコレ!

 

まだ、トンネル中ほどだ。

まずいまずいまずい

まずい!まずい!コレは絶対にマズい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごぉ~い~」

 

後部座席の身内Sの声に

ハッと我に返る。

(身内S = Sとする) 

 

 

Sを振り返って見たいが

今 俺の全神経は

200%前方へ集中しているので

ムリだ!

 

Sの声が

 

嬉しそうに聞こえたのだ。

 

 

そういえば、この女

 

ご先祖様のお墓をスケッチしていたし

墓堀りの時は、あろうことか

一部始終をムービー撮っていた。

 

ご先祖様を

それぞれ保管していた袋は

Sの車で運んでいたし

 

墓→分家→火葬場→分家

など

ご先祖様の移動は、すべて

Sの車、

そう

 

 

 

 

 

 

 

 

この車だー!!!!

 

 

 

 

急ブレーキをかけて

追突されても困るし、

後方車に、迷惑かけることも避けたい

 

徐々に速度を落としながら

窓全開!

冷房MAX!

 

 

にもかかわらず

フロントガラスは相変わらず真っ白だ。

 

視えないが、『感じる』

 

なんといっても、

後部座席のSの(楽しそうな)あの声。

 

 

霊・・

霊の仕業かー!

 

中央線に注意しながら

壁に激突しないよう気を付けながら

 

俺は思った!

 

お前ら(霊)、覚えとけよ!

俺がもしも、事故って死ぬときは

同じステージに立つってことだ!

 

お前ら(霊)と同じ、

不死身のカラダを手に入れたってことだ!

 

逃げられると思うなよ!

昇天する前に、

お前ら(霊)を見つけ出し

この世の終わりまで

 

いたぶり続けてやる!

 

 

俺のビジョンを確認したら

お前ら(霊)、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泣いて喜べ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いた時は

フロントガラスは

曇りがすっかり消えて

トンネルを抜けた景色が広がっていた。

(おわり)


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