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雑記

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測地系とか座標系とか(6)~投影法~

2012-05-31 20:36:40 | QGIS_その他
CRSとか測地系とか座標系について勉強し始めると、大抵の本で最初に出てくるのは
投影点と投影面の話のような気がしますが、
ここではその辺の話はざっくり切り捨てています。
なぜかというと「日本国内の地図を扱うときにあまり関係してこない」からです。

日本国内で使う地図については、座標系は
たいてい「緯度経度」か「UTM座標系」か「平面直角座標系」です。
緯度経度系は地表に原点を持ちませんので、どうやっても独自路線になりますが
「UTM座標系」と「平面直角座標系」は、どちらも横メルカトル図法の一種です。
「地図は原点から遠くなると歪みが大きくなる」という話はすでにしましたが、
ものすごく乱暴な言い方をしてしまえば
横メルカトル図法の原点を、歪みが許容範囲に収まるように点々と動かしていったのが
UTM座標系や平面直角座標系なのです。
(原点から遠くなったところの処理とかが違うのですが)


ここからはちょっとややこしい話になるので読み飛ばしていただいてもかまいません。

QGISで作成したshapeファイルには、shpファイル、dbfファイル、shxファイルという基本の3つのファイルのほかに
prjファイルとqpjファイルという2種類のファイルがついています。
これはどちらもCRS等を指定したファイルですが、
prjファイルはshapeファイルを使い始めたArcGISを作っているESRI社の独自形式で、
投影変換ライブラリであるprj.4に準拠していないものもあるので、
prj.4に準拠した書き方をしているものをqpjファイルとして別に保存しているわけです。

このprjファイルやqpjファイルは、拡張子はそれぞれですが
中身はテキストファイルですので、テキストエディタで開けられます。
ためしに平面直角座標VIII系のqpjファイルをテキストエディタで開けてみると、こんな感じになっています。
-------------------------------------------
PROJCS["JGD2000 / Japan Plane Rectangular CS VIII",GEOGCS["JGD2000",DATUM["Japanese_Geodetic_Datum_2000",SPHEROID["GRS 1980",6378137,298.257222101,AUTHORITY["EPSG","7019"]], TOWGS84[0,0,0,0,0,0,0],AUTHORITY["EPSG","6612"]], PRIMEM["Greenwich",0,AUTHORITY["EPSG","8901"]], UNIT["degree",0.0174532925199433,AUTHORITY["EPSG","9122"]],AUTHORITY["EPSG","4612"]],
PROJECTION["Transverse_Mercator"],PARAMETER["latitude_of_origin",36],PARAMETER["central_meridian",138.5], PARAMETER["scale_factor",0.9999],PARAMETER["false_easting",0], PARAMETER["false_northing",0],UNIT["metre",1,AUTHORITY["EPSG","9001"]],
AXIS["X",NORTH],AXIS["Y",EAST],AUTHORITY["EPSG","2450"]]
-------------------------------------------
「うわー…」と思うかもしれませんが、とりあえず赤字にしたところ(だけ)に注目してください。
「Transverse_Mercator」というのは「横メルカトル図法」のことです。
「PARAMETER["latitude_of_origin",36],PARAMETER["central_meridian",138.5]」で、
原点が北緯36度、東経138.5度であることを指定しています。
よく見ると測地系がJGD2000だと指定してあるらしいことが分かります。


ということで、大雑把にいえば地図の作り方は同じで、
真ん中をどこにするかを点々と動かしているだけなので(実際にはいろいろと違いますが)
日本国内のデータを扱うだけなら投影点とか投影面とかはあまり関わり合いにはなりません。
海外のデータを扱うとかで、必要になったら頑張って勉強するしかないでしょうが
これが分からないからといってGISが使えないということはありません。


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