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凛花の足跡

流れ行く時の中で、ふと止まってもらえたら光栄です。

こころのうた

2007-04-25 00:39:11 | ブログで奏でる詩
降り出した雨の中を
下を向き歩む君に
何ができるというのだろう

傘の代わりになることも
濡れてゆく重みを無くすことも
何も・・・
何もできることはない

力の無い自分がはがゆく
悔しくて胸のうちでもがく

思い出の写真が色褪せるように
過去も距離と共に薄らぐのだろうか

そう挫けそうになるけれど
こころのうたに君の名前が
今もしっかりと刻まれているから

せめて傍にいさせてよ
せめて隣にいさせてよ

あの日の過去は今も続いているのだから


その先にあるものは

2007-03-31 01:57:58 | ブログで奏でる詩
黒い革のローヒールで
毎日通ったあの頃は
悪戯な風に降り落ちてゆく
一片ばかりが気になって
締め付けられる切なさに
精一杯の自分がいた

見上げても見上げても
幹ばかりが留まって
その先にあるものに気付けず
光は花の飾りのように思っていた


桜の樹から覗く空は
いつもより遠くて
眩しいほど澄んでいて
そしてどこか懐かしい


そう思えるようになったのは
いつからだっただろうか
あの頃の私より
少しは優しくなれたかな

咲く花もそよぐ風も
光も遮る雲も
あなたも私も
すべて・・・




三つ葉のシロツメクサ

2007-03-15 00:50:53 | ブログで奏でる詩
幸せを探すあなたの手が
私をとらえることはないけれど
今日も明日もこうしてここで
あなたを想い佇んでいます


集団の中で埋もれてしまう私
これと言って取り柄のない私
それでも心は清く真っ白に
蝶のように羽を広げ
いつかはこの想いあなたに届けと
やわらかい光が満ちる日に願うのです


でもどうしても叶わぬなら
せめて私を忘れないで
一瞬の残像だけでいい
どうか私を忘れないで

幕を閉じるときに

2007-03-07 02:14:32 | ブログで奏でる詩
身体が滅んで
魂が召されるときに

家族や友と呼ぶ人たちが
駆け付けて雫を流してくれたなら

それだけで
幸せな人生だったと
そう思えることだろう


遠く離れていても
息づく処が変わって
溶けぬものを感じてしまっても

触れ合って優しく混ぜれば
懐かしい香りが満ちるから
心地よい音色が響くから


私も私のまま
信じて進もうと思う
幸せな幕を閉じるために

せめて今夜は傍にいて

2007-01-29 01:07:16 | ブログで奏でる詩
本当の孤独を知らなかった頃は
ただ一途に駆け抜けて
周りを傷付けたり
自分も転んだりしながら
それでも突っ走ることができたのに


貴方に出会って
貴方の声に触れて
貴方を瞳に沈ませてしまったら
苦しみや淋しさが
臆病な鎖になって私に巻き付く


その先一歩踏み出せば
漆黒の闇に包まれて
自分すら見失い融けゆくかもしれない
けれどその苦しみの中にしか
愛が見出だせないのなら…


どこまでも落ちてゆこうか
それとも
孤独に身を寄せようか


貴方がいる明日も
貴方のいない明日も
まだ選ぶことはできないから
せめて今夜は傍にいて

見えないサンタ

2006-12-26 02:30:33 | ブログで奏でる詩
真夜中のクリスマス
枕元にサンタが置いていったものは
小さな小さな幸せ

ふわふわと軽く
ほっとりと温かく
思わず笑顔になる
目に見えないプレゼント

当たり前のことが
かけがえのない無二のものだと
教えてくれたサンタクロース

喜びを忘れずに
See you again...
一年先でまた会いましょう今宵は素敵なクリスマス

ゾウとアリ

2006-12-22 12:13:01 | ブログで奏でる詩
ゾウの友達のアリは
いつも忙しそうだ
自分の体より大きいものも
あきらめないで運んでいる
ゾウは手伝ってあげたいけれど何もできない

それでもゾウとアリは友達だ


アリの友達のゾウは
いつもおなかをすかせている
長い鼻で上手に木の実を食べても
ちょっぴり足りないようだ
アリは手伝ってあげたいけれど何もできない

それでもアリとゾウは友達だ


ゾウは自慢の鼻にアリを乗せて
見たことのない土の中の世界の話を
散歩しながらアリから聞くのが大好きだ

アリはゾウの鼻に乗りながら
一人では辿り着けない湖や森や草原を
体中に風を感じながら見るのが大好きだ


互いになんにも手伝えないけれど
傍にいてくれればそれでいい
ゾウとアリは友達だから
かけがえのない友達だから

あの日の恋人

2006-12-13 00:46:14 | ブログで奏でる詩
そうあの日
僕たちはあの銀杏の木の下で
温もりを分かちながら
寄り添っていた


悪戯な風に
君の髪と木の葉がたなびき
二人笑う声に
響き合っていた


確かにそう
二人はそこにいた
あの日までは


あの時僕は君だけを見つめていた
けれど君は時々空を見上げていた
夢のなかにいるような君の手を
きゅっと包んで離したくはなかった


冬の季節が来る前に
さよならを告げて舞うのは
銀杏だけでよかったのに


黄金色の落ち葉と共に
想い出も散りゆく
ひとつ、またひとつと

私の中の素粒子

2006-12-09 00:24:38 | ブログで奏でる詩
何も始まらない日々
ただ風が強くて
背を丸めて下を向く
少し声を出せば届く距離にいるのに
こんなにも遠く
こんなにも歪み
真直ぐ仰ぐことすらできない


私を構成する素粒子が
たったひとつだけでも
あなたと触れ合うことができたなら
目に見えないこの想いを乗せて
伝えることができるのだろうか


臆病な心が泣いている
私に纏うしがらみを振り払ったら
そこに残るのは何なのだろう
不安と焦燥の中には見えるものはまだない
それでもあなたを想って震えている
私の中の素粒子すべてが

手帳の星

2006-12-06 01:50:05 | ブログで奏でる詩
手帳の中で星達が示す
僕たちの物語

君に会える日に
星を一つ

仕事の予定の片隅で
そっと愛を奏でていた


もう何冊も紡いだ恋
星がちりばめられた手帳

けれどもう瞬かない
寒い冬空には白い息
どんなに澄んでいても
そこは深い闇があるばかり


満月だけが僕を見つめる