落ちたチョコ 2007-09-19 00:52:27 | ブログで奏でる詩 最低だ 落ちたチョコに群がるアリのように 隙を突いて笑う ため息さえも 人の香りを失わせる けれどギゼンというツラを被り 黒く暗くなればなるほど 落ちたチョコは甘く芳しい 止めることが困難になる だから最低だ
夏の人 2007-09-17 02:15:06 | ブログで奏でる詩 終わったはずの夏なのに まだその残陽が肌を焦がす 上着を肩に羽織って隠してみても 夏の証はヒリヒリと胸まで 奥まで伝わって刻まれている 消せないほどに どうしようもない迷路の中で 見つけたハートの貝殻 砂に埋もれて気付かなければ こんなに焼け付く想いも しなくてすんだのに 夏が終われば 返さないといけないこと はじめから 知っていたから… 高い波が心を奪い 私を置いて帰っていった夏 ぽっかり空いた暗闇を 埋めるものはまだない 夏の名残りが病んでゆく
私は大丈夫 2007-09-01 02:17:16 | ブログで奏でる詩 “私は大丈夫だから” そんな言葉が口癖で 言うだけで 前向きになれた気がする 気がするだけ 本当はいろんなものが 降ってきて落ちてきて 隙間から絶え絶えに 何とか息してる 気付かない日常 触れない笑顔 それでも 今日もつぶやく “私は大丈夫だから” いつしかそれが私になることを願って
幻影の刺 2007-08-15 00:18:39 | ブログで奏でる詩 少ない言葉数 傍にいるだけで良かった 通い合った想い 一つになれたと信じてた 不安な関係に目をつぶって 見ない振りをしてきたけど 何よりかけがえのない 貴方を愛した 深く求めるほど 無くしたものも徐々に増えた それでもぬくもりを頼って 笑って過ごしていた 紙より重いものが 二人にはあると慢っていた あの頃 貴方が他人であることすら忘れていた 何の前触れもなく ふいに訪れた別れ 私が愛したものは 幻だったのかな 貴方にふれた時から 本当はわかっていた いつかこんな日が来ることを 流す涙さえ罪深くても 愛することを止めることは どうしてもできなかった それが幻でも
真夏の幻影 2007-08-14 23:44:11 | ブログで奏でる詩 つばの広い麦わら帽子は 都合良く私を隠す 真夏の日差しも 貴方の視線も 帽子に留めた紅い花が 無口な私に代わって 風に揺らいで貴方を誘う ルージュに煌めく口元を真似て 麦わら帽子を外したら 太陽と貴方 先に落ちるのはどちら
指が冷える 2007-06-23 23:18:09 | ブログで奏でる詩 会いたい 会いたいよ 今にも消えそうな夕暮れ もう会えないとわかっていても この息が切れそうなほど 会いたい ただ会いたい もう少し傍にいてほしいと わがままを言えたころは 幸せの中にいたんだね 今はもうその願いさえも叶わない 会いたい、ねぇ会いたいよ 聞きたいこともたくさんあったけれど どうしてそんな些細なことに 言葉を留めていたのか 気付いた時には遅すぎて 寂しい心が割れそう 毎日の同じ風景に たった一つ欠けたもの・・・ 時計の針さえ過去に落ちてゆく 指が指が冷える 会いたい あぁ、会いたいよ
ちっちさんとコラボ その2『涙がぬらしたもの』 2007-06-08 22:04:03 | ブログで奏でる詩 『ゾウとアリ』に続く、第2弾! ちっちさんの素敵な画とまたもやコラボです! 『ゾウとアリ』の画ももちろん大好きですが、こちらの『涙がぬらしたもの』も、表情、雰囲気すべてが好きです。 そんなちっちさんの素敵な画がたくさんあるHPはこちら↓ http://www.geocities.jp/uzu0630/ 『涙がぬらしたもの』 地面を蹴る音がおさまったら 雫が真下に落ちた 座り込んで溢れる後悔 こんなにも好きだったと 知っていたはずなのに 強がることでしか 自分を守れない 二人で過ごした 束の間の夢 でもそれは幻想ではなく 記憶の中で鮮やかに生きる もう戻れないとわかっていても 涙がぬらしたものは 頬じゃない あなたとの過去 時間だ 訪れなかった未来 そう時間だ
ちっちさんとコラボ その1『ゾウとアリ』 2007-06-07 00:55:00 | ブログで奏でる詩 個性的で素敵な絵を描くちっちさんが、私の詩に画を付けてくれました。 “画プラス言葉”のコラボレーションです。 すごく感激したので、載せてみました。 ちっちさんの画がたくさんあるHPはこちら↓ http://www.geocities.jp/uzu0630/ 『ゾウとアリ』 ゾウの友達のアリは いつも忙しそうだ 自分の体より大きいものも あきらめないで運んでいる ゾウは手伝ってあげたいけれど何もできない それでもゾウとアリは友達だ アリの友達のゾウは いつもおなかをすかせている 長い鼻で上手に木の実を食べても ちょっぴり足りないようだ アリは手伝ってあげたいけれど何もできない それでもアリとゾウは友達だ ゾウは自慢の鼻にアリを乗せて 見たことのない土の中の世界の話を 散歩しながらアリから聞くのが大好きだ アリはゾウの鼻に乗りながら 一人では辿り着けない湖や森や草原を 体中に風を感じながら見るのが大好きだ 互いになんにも手伝えないけれど 傍にいてくれればそれでいい ゾウとアリは友達だから かけがえのない友達だから
露の恋命 2007-05-18 01:23:03 | ブログで奏でる詩 片膝立てて窓辺に座り カップの中を覗き込む 何も映らないそれを 気付かなかったかのように 瞳を閉じて飲み干す 閉じればほら あなたが見えるから 吐いて吸う間にも 消えてしまいそうな 露の恋命 朝を迎えることはできないけれど 月が照らす窓辺で それでも確かに息づく コイシクテ サミシクテ ぐずぐずになる心 立てた膝を抱き寄せて 今夜もようやく落ち着かせる あと何度繰り返せばいいのかな 朝が来て尽きてしまってももなお 残ってしまいそうな心を どこに置けばいいのかな ただ傍にいたいだけなのに
愛情 2007-05-01 00:28:16 | ブログで奏でる詩 真昼の暑い空が 春風に冷やされて 新緑の葉の陰も深くなる 小鳥や樹々のざわめきを 茜に染まる直前のひとときに ゆったりと吸い込む この清々しい静寂の中で 守るべきものがあるからこそ 波打つ力は大きくて強い 響いて響いて高くかけあがり あの空に届くかな 言葉では伝わらないものも あの空になら届くかな