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凛花の足跡

流れ行く時の中で、ふと止まってもらえたら光栄です。

左側の席の彼

2006-05-12 00:33:16 | ブログで奏でる詩
本当は左を向いて話がしたい
とても気になる左側の席の彼

でも、私は相手が右側にいてもらわないと
何となく落ち着かない

毎日毎日、デスクを並べて座っているのに
交わす言葉は右にいる女の子とばかり

思い切って椅子ごと左を向いてみたら
顔を上げたあなたと目が合った

どうしたのと言われる前に
早口で考え抜いた言葉を繰り出す


“席を交換してくれませんか”


唐突な申し出だったけど
あなたは快諾してくれた
訳も聞かず、笑いながら

次の日からは右側の席の彼

それからずっと私の右側の人


怠惰

2006-05-12 00:02:17 | ブログで奏でる詩
生ぬるい泥水に浸かって
もがくことすらできない

かろうじて動く指も
開閉を繰り返すだけ

両の目が前をみつめて
逸らす事も閉じることもせずに
感動も恐怖すらも
一枚の絵として流れてゆく

誰か助けてと
声が出ない

内部は重低音を響かせて
騒がしいほどなのに
喉元につなぐコードがない

このまま
このまま
生ぬるい泥水に頭まで浸かるのを
待つしかないのだろうか

このまま
何もできないまま